なぜ『テイルズ オブ リバース』は問題作なのか?その評価を振り返る

レビュー
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こんにちは。ヤマザキです。

今回は、2004年にPlayStation 2で発売された「テイルズ オブ」シリーズの第6作目、『テイルズ オブ リバース』のクリア後の評価・感想・レビューになります。

この記事では「往年の名作を今プレイしたらどう感じるか?」という視点から、本作の良いところや気になったところなど率直なレビューをお届けします。

この記事はこんな人におすすめ!
  • 人種差別など、重厚なテーマを扱った物語が好きな方
  • 他のどのRPGにも似ていない、超個性的なバトルシステムを体験したい方
  • シリーズの中でも最高レベルに難解で、挑戦的な作品に興味がある方
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はじめに

『テイルズ オブ リバース』は、2004年にPlayStation 2で発売された、「テイルズ オブ」シリーズの第6作目です。シリーズの中でも特に重厚なテーマ性の物語と、唯一無二のバトルシステムを持つことで知られています。

物語の舞台は、ヒューマ(人間)とガジュマ(獣人)という二つの種族が暮らす世界。その根底には、根深い「人種差別」というテーマが一貫して描かれている作品です。
そんな本作をクリアした結論から言えば、「尖った唯一無二の魅力がある一方、遊びづらさやシナリオの描き方には、厳しい部分も多い、極めて評価の難しい問題作」でした。

そのバトルシステムは、初心者やカジュアルなユーザーは正直クリアをするのは厳しいと感じるほど、難解な仕様である一方、理解した者だけが味わえるシリーズ屈指の奥深さを秘めています。物語もまた、人種差別という深いテーマを描きながらも、その描き方には首を傾げたくなる部分も少なくありませんでした。

そして、王道で遊びやすいというこれまでのシリーズのイメージとは全く異なる、あまりテイルズらしくない本作。その魅力と物議をかもした両面に、今回は深く切り込んでいきたいと思います。

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『テイルズオブリバース』の魅力

ここからは本作の魅力について語っておきましょう。

その1:シリーズ屈指の評価を誇る、個性的なバトルシステム

まずは、シリーズの中でも特に評価が高い、本作のバトルシステムについて詳しく見ていきましょう。

基本システム:「3ライン」と「2つのゲージ」

本作のバトルは「3ライン・リニアモーションバトルシステム」と呼ばれています。

その名の通り、キャラクターは3つのラインを自由に行き来しながら戦うのが大きな特徴です。敵とラインがずれていると攻撃が当たらないため、常に位置取りを意識する必要がありました。

そして、このバトルの重要なのポイントが「RG(ラッシュゲージ)」「FG(フォルスゲージ)」、2つのゲージの存在です。

FGは術技のごとに持つゲージで、溜めるほど術技の効果が上昇するなど、恩恵が高くなります。ゲージに関係なく発動できるものの、他の術技やゲームバランスを踏まえると、ゲージがたまったら、発動させるということを意識する必要があります。

そして、問題なのがRGの方です。このゲージは攻撃的な行動で上昇し、高いほど攻撃力が上がります。しかしその一方で、RGが高いとHPの自然回復効果が得られなくなるのです。逆にRGが低いと攻撃力は下がりますが、HPが回復しやすくなります。このRGの増減を常に管理し続けることはHP管理にもつながっているという点が、本作の戦闘の根幹を成していました。

乏しい回復手段と使いこなせた時の達成感

本作の戦闘において、プレイヤーが最も衝撃を受けるのが「回復魔法が一切存在しない」という点でしょう。(※蘇生術技のみ存在)

そして、主な回復手段は、前述した「低いRG状態で術技を当てた時の回復」のみ。アイテムも高価で頻繁には使えず、これらのポイントをさえていないと、プレイヤーは常にジリ貧の状態で戦うことを強いられます。

2つのゲージとHP、そして3つのラインで繰り広げられる敵との攻防。その全てに気を配り続ける必要があり、戦闘の難易度は非常に高いと感じました。しかし、この難解なシステムを理解し、使いこなせた時の達成感こそが、本作のバトルが持つ最大の魅力と言えるでしょう。

その他の要素:エンハンスや作戦

この他にも、武具を強化する「エンハンス」や「武具継承」、より詳細になった「作戦」など、戦闘に関わる要素は多岐にわたります。特に作戦は、隊列と立ち位置ごとに得られる効果が変わり、戦いやすさに大きく影響するため、難敵に挑む上では非常に重要です。これら全ての要素を駆使して、強敵に立ち向かっていくことになります。

その2:「人種差別」という重いテーマに挑んだ、秀逸な物語

本作の物語は、ヒューマ(人間)とガジュマ(獣人)という二つの種族が暮らす世界を舞台に、根深い「人種差別」というテーマを真正面から描いています。
作中では、とある事件をきっかけに二つの種族は対立し、各地で争いが勃発するようになります。終わりの見えない対立の中で、主人公たちが葛藤し、成長していく様が、本作の大きな見どころです。

なぜ差別は生まれるのか。その本質とは何か。本作は、この重いテーマに深くまで切り込んでいき、そのリアリティあふれる描写は、プレイヤーの心を重くさせつつも、同時に深く考えさせられるものになっています。

そして、そんな過酷な世界だからこそ生まれる、数々の名言や名シーンも忘れてはなりません。特に、あるキャラクターが放つ「おいしいと思う心に、種族は関係ありますか?」というセリフは、シリーズ屈指の名場面として今なお語り継がれています。

人種差別という重いテーマをリアリティある世界の中で描き切った点は評価したいポイントです。

その3:リアリティを追求した、落ち着いたパーティメンバー

物語の重厚なテーマ性を支えているのが、シリーズの中でも特に落ち着いた雰囲気のパーティメンバーです。

主人公のヴェイグは、感情を表に出さないクールな青年。元騎士団長のユージーンをはじめ、他の仲間たちも一歩引いて物事を考える、大人びたキャラクターが揃っています。

突飛な言動をするキャラクターがいないため、客観的に見れば少し個性が薄いと感じるかもしれません。しかし、この「どこかに本当にいそう」なリアルな人物像こそが、人種差別という重いテーマに説得力を持たせ、プレイヤーを物語に深く没入させてくれたと感じています。彼らが悩み、葛藤し、成長していく姿は、非常に心に残るものでした。

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気になったところ・不満点

ここからは本作をプレイしていて気になった点と、これからプレイしようと考えている方に留意してほしいポイントをご紹介します。

その1:さすがにハードルが高すぎる。徹底した“初心者お断り”の姿勢

お分かりいただけるように、本作の戦闘システムは極めて難解です。その上で、ゲーム全体の難易度も非常に高く設定されています。

多くのRPGにあるような、「レベルを上げれば何とかなる」といった救済措置はほぼ存在しません。アイテムを多用することもできず、不利な状況では逃走すら困難になることもありました。回復ポイントも決して多くはなく、プレイヤーに楽をさせる気は一切ない、という印象です。

その一方で、ゲームヘルプやチュートリアルは、この時代のゲームとしては異常なほど丁寧です。個人的には「敵が強くて勝てないのは、システムを理解していないあなたのせいです。ヘルプを読んで完璧に覚えてください」という、開発陣の尖りが感じるぐらいです。

この良くも悪くもシビアで、玄人向けに振り切ったバランス。アクションが得意なプレイヤーからは賞賛される一方で、私のようなカジュアル寄りのプレイヤーにとっては、正直なところ、かなり厳しいものでした。この徹底した“初心者お断り”の姿勢こそ、本作が今なお賛否両論を巻き起こす最大の理由なのかもしれません。特にこれまでのシリーズでは、分かりやすさがあったこともあり、シリーズファンがこのシステムを求めたかというと難しいところだと感じます。

その2:重すぎるテーマ性と、単調なお使い展開

本作が扱う「人種差別」というテーマは非常に重厚ですが、ゲームとしての体験のさせ方には課題あると感じました。

物語を通して、登場する人々が延々と互いを貶し合い、争い続けるさまが描かれ、作品を通して、重い雰囲期がつきまとまいます。これがジアビスのように心を揺さぶる展開から来る一時の陰鬱さであればいいのですが、人種差別というテーマによる暗さが原因なので、プレイ中は常に暗く、重い気持ちにさせられると思います。

さらに、ゲームプレイの大部分が単調な「お使い」で構成されており、その道中でひたすら差別的な場面を見せつけられるため、人によってはうんざりしてしまうかもしれません。これがリアリティだと言われればそれまでですが、もう少しプレイヤーの感情を意識した見せ方があったのではないかと感じてしまいます。

その3:消化不良感が否めない、物語の結末

そして、個人的に不満だったのが物語の結末です。理由は大きく二つあります。
※物語の致命的なネタバレを含むため、隠しています。

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一つは、アガーテの死です。

個人的には、物語の流れの中でその死に至るまでの描写が不十分に感じられ、あまりにも唐突な展開に困惑してしまいました。感動的なシーンとして演出されてはいましたが、なぜ彼女が死ななければならなかったのか、その意味を見出すことができませんでした。

もう一つは、本作の根幹であったはずの「人種差別」という問題が、何一つ解決されないまま終わってしまうことです。

最終的には種族間の対立とは関係ない「巨大な悪」と戦い、なんとなく良い雰囲気で物語が幕を閉じます。あれだけリアルに描いてきた差別問題が、最終的には棚上げにされてしまった。この消化不良感は、本作のシナリオにおける大きな欠点だと感じました。

その4:現行機では遊べない、プレイハードルの高さ

そしてもう一つ、非常に重要な留意点があります。本作は現行機で遊ぶことができません。そのため、プレイするための物理的なハードルが非常に高くなっています。

 そのため、本作を遊ぶには、今となっては入手が難しい「PlayStation 2本体かPSPを」を揃える必要があります。
(※筆者は今回、そのためにPS2本体を購入しました。)

2025年現在「テイルズ オブ」シリーズのリマスタープロジェクトが進んでいることもあり、本作が現行機で遊べる日もそう遠くないかもしれません。これほどの作品たちが埋もれているのは非常にもったいないので、移植を気長に待つのも一つの手でしょう。

テイルズチャンネル+
「テイルズチャンネル+」は「テイルズ オブ」シリーズの公式ポータルサイトです。

まとめ

いかがだったでしょうか。今回は、『テイルズ オブ リバース』のレビューをお届けしました。

結論として、本作はあまりにも“癖が強すぎる”の一言に尽きます。

シリーズ随一の深さを誇る重厚なテーマ性の物語に心を揺さぶられたかと思えば、突飛な結末に困惑する。独自性の強いバトルシステムに魅了されたかと思えば、さすがに初心者にきつすぎる理不尽にも感じられる厳しいバランスに投げそうになる。手放しで賞賛できない問題点が多い一方で、それらを補って余りあるほどの強烈な魅力も確かに存在しました。個人的にはシリーズの中でも一、二を争うほど心に響き、そして同時にストレスも感じた、忘れられない作品です。

その重厚なテーマ性と、唯一無二のバトルシステムは、発売から20年が経った今だからこそ、再評価されるべきポテンシャルを秘めていると感じます。リマスターによる復活を、心から期待したい一作です。

百聞は一見に如かず。この記事を読んで、その強烈な要素に少しでも興味が湧いた方は、ぜひ一度この問題作を体験してみてほしいです。

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