【SILENT HILL f】クリアレビュー・評価|竜騎士07脚本の和風ホラーは傑作か?周回必須の評価と感想

レビュー
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こんにちは。ヤマザキです。

今回は、『SILENT HILL f』のクリア後の評価・感想・レビューになります。

この記事では本作の良いところや気になったところなど率直なレビューをお届けします。
気になる方は購入の参考にしてみてください。

この記事はこんな人におすすめ!
  • 『ひぐらしのなく頃に』など竜騎士07氏の描く独特なホラー・サスペンスが好きな方
  • 考察しがいのある難解なストーリーや、周回による変化を楽しみたい方
  • 理不尽さも含めた、歯ごたえのあるサバイバルホラーを求めている方
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はじめに

『SILENT HILL f』は、2025年9月25日にコナミデジタルエンタテインメントから発売された人気サバイバルホラーシリーズの完全新作です。
シナリオライターに『ひぐらしのなく頃に』などで知られる竜騎士07氏を迎え、舞台を1960年代の日本へと移した意欲作です。

舞台は昭和の古い時代、山間部にある寂れた田舎町「戎ヶ丘」。
主人公の高校生・深水雛子(しみず ひなこ)は、ある日突然、見慣れた町が霧に包まれ、おぞましく変貌していく異常事態に巻き込まれます。人の気配が消え、霧の中に蠢く奇怪な怪物たち。なぜこの現象が起きたのか? 彼女はこの悪夢から生き残ることができるのか? というあらすじです。

そんな本作をトゥルーエンドまでプレイしましたが、結論から言えば、
「竜騎士07節が炸裂する圧巻の和風シナリオと、怖すぎるほどの極上のホラー体験。斬新な周回システムも含めて傑作だが、全般的に人を選ぶ作品」でした。

ストーリーの完成度やビジュアルの美しさ、そしてゲームとしてのホラー体験は間違いなく最高レベルです。しかし、その強烈すぎる個性ゆえに、万人に手放しでおすすめできるとは言い難い側面もあります。

今回は、そんな本作の魅力や、人を選ぶポイントについて詳しく見ていきましょう。

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『SILENT HILL f』の魅力

まずは本作の魅力について、見ていきましょう。

その1:圧倒的なビジュアルと心理的恐怖を重視したホラー表現

本作の舞台は1960年代の日本の田舎町。この時代の風景が持つ「古き良き日本の美しさと温かさ」と、同時に感じる「閉鎖的な不気味さ」のバランスが見事に描かれています。
特にビジュアル表現は圧倒的で、息をのむほど美しい風景に侵食してくるグロテスクなホラー描写との対比には、目を見張るものがありました。

美しさと怖さを兼ね備えた表現

彼岸花や古い木造校舎といったノスタルジックな「美」の中に、人体が植物に変異していくような生理的嫌悪感を催す「醜」が混在しています。この強烈な表現は、ただフィールドを歩いているだけでもプレイヤーの精神を削り取るような、独特の恐怖を生み出していました。

ゲーム体験としての恐怖の生み出し方

また、ゲーム体験を通したホラー演出も秀逸です。
霧に包まれた町や薄暗い学校の探索では、常に「何かがいるかもしれない」という緊張感が付きまといます。例えば、校舎内で仕掛けを解いて戻ると、さっきまで無かったはずの人形がたっているなど、恐怖の演出が巧みです。

こうした心理的な恐怖をゲーム体験として落とし込んでいく手法は、まさに『SILENT HILL』シリーズの真骨頂と言えるでしょう。ホラー作品としての完成度は圧倒的で、その怖さが、狂気に侵食されていくシナリオとも完璧に噛み合っていました。

その2:竜騎士07氏による「謎が謎を呼ぶ」周回前提のシナリオ

本作最大の魅力は、やはりそのシナリオです。

『ひぐらしのなく頃に』などで知られる竜騎士07氏をシナリオに起用したことで、物語の牽引力は抜群です。
舞台は1960年代の日本の田舎町。主人公の深水雛子は、いつものように幼馴染の修や凛子たちと待ち合わせをしていますが、突如として世界に異変が発生。あふれ出した異形とそれによって浸食された町、この狂気の謎とシナリオの行く末を描く作品となっています。

怖さと「先が読みたい」という気持ちが入り混じり、ついつい進めてしまうミステリー的な魅力に溢れています。

周回で変化する世界と真実

本作のゲーム構造における最大の特徴は、周回要素にあります。
1周目の段階では多くの謎が残されたまま幕を閉じますが、終盤で明らかになる衝撃の真実によって、これまで見てきた世界が一変します。

本作は周回プレイが前提の作りになっており、トゥルーエンドへ到達するには最低でも3周が必要です。周回を重ねるごとに新たなイベントが追加され、物語の核心へと近づいていきます。「あの時のあの言葉はこういう意味だったのか」という伏線回収の気持ちよさと、それでもなお残る考察の余地。周回ごとに同じシーンでも理解度が増していく構造は非常に秀逸でした。

当時の女性の地位や価値観に対する葛藤も描かれており、現代の価値観を持つプレイヤーだからこそ共感できるテーマ性も内包されています。

物語を補完する収集物

探索の中で拾う資料(収集物)も、作り込みが凄まじいです。
それぞれに美麗な挿絵があるだけでなく、裏側の心理や物語の核心に迫る重要な情報が記されていることもあります。これらは2周目以降でしか手に入らないものもあり、収集要素自体が周回プレイとシナリオ理解を深める構造に繋がっていました。

その3:人間らしさと醜さを描くキャラクターたち

本作のシナリオは全体的に多くを語らないスタンスで、考察の余地が多く残されています。

キャラクターの描写も断片的ではありますが、ゲーム体験を通して主人公・雛子の心や主要人物たちの内面が深く描かれています。
正直なところ、本作のキャラクターは全員に癖があり、どの人物にも嫌いになるような側面(人間の醜さ)があります。幼馴染の修、凛子、咲子など、それぞれに優しさと弱さ、そして醜さが同居しています。

しかし、その人間らしさと葛藤の描き方にこそ、胸を打つテーマ性があるのかもしれません。「全員を嫌いになりそうだけど、誰も嫌いになれず愛着が湧く」、そんな絶妙な温度感が妙にリアリティがあって、印象に残ってしまうのです。

その4:常に死と隣り合わせの緊張感あるサバイバル

アクション面についても触れていきましょう。
本作は1960年代という時代背景もあり、銃火器などは登場せず、基本的には近接戦闘のみとなります。

弱攻撃、強攻撃、回避といったシンプルなアクションですが、全ての行動でスタミナを消費するため、敵を倒すだけでも一苦労です。さらに近接武器には「耐久値」があり、使い続けると壊れてしまうため、適宜新しい武器と交換していく必要があります。
一見すると不自由なゲーム体験ですが、この不自由さがあるからこそ、「無駄な戦闘は極力避け、逃げる」という選択肢が重要になります。

敵を避けて進むからこそ生まれる極上の緊張感。「戦うか、逃げるか」の判断を常に迫られるこのバランスは、サバイバルホラーとしての醍醐味をしっかりと感じさせてくれました。

周回による強化とお守り

また、装備品として武器の他に「お守り」が存在します。これらは探索で入手できる収集アイテムで、装備することでHPアップなどの特殊効果を得られます。

さらに周回プレイ時には、収集物をお供えすることで得られるポイントを使い、キャラクターの基礎能力(HP、持久力、精神力)やお守りスロット数を増強することが可能です。
お守りは周回による引き継ぎも可能なため、周回を重ねるごとにキャラクターが強くなっていくRPG的な楽しみも用意されています。

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気になったところ・不満点

シナリオや雰囲気は最高峰ですが、ゲームプレイ部分、特に快適性に関してはかなり人を選ぶ仕様になっています。
どちらかというと「噛めば噛むほど味が出るスルメ」のような癖のある作品ですので、慣れるまではストレスを感じるかもしれません。

その1:不自由さが勝るバトルデザイン

前述した通り、本作のバトルは「不自由さ」が勝るバランスになっています。
他のホラーゲームと違い近接攻撃が主体のため、敵との距離感がシビアで、どうしても爽快感に欠ける部分は否めません。敵をバッタバッタとなぎ倒すアクションを期待していると、肩透かしを食らう可能性があります。

その2:周回要素とシナリオ関連の不満

前述したように、本作は周回前提の作りです。
まずシナリオの説明が少なく、プレイヤーの考察に委ねる部分が多いため、特に1周目時点では「何が起きているのか分からない」という感覚が勝ってしまいます。考察好きにはたまらない構造ですが、もう少し分かりやすい導線があっても良かったのではと感じました。

ホラーと周回の相性

周回によって謎が明かされていく構造自体は面白いものの、「ホラーゲームと周回の相性」には疑問が残りました。
個人的には、とても怖いからこそ「もう一回同じ恐怖体験をしたい」とはなかなか思えません。お化け屋敷を何度も周回する人がいないように、最初は強い抵抗感がありました。

ただ、1周のプレイ時間が約12時間と短めなこと、2周目以降は探索や解法の知識があるため大幅に時短できることなど、意外とプレイしやすい側面もありました(筆者は攻略サイトを見つつ30時間程度で3周クリアしました)。
トゥルーエンドへの到達条件もシビアなので、自力での攻略が難しければ攻略サイトを活用することをおすすめします。

演技とプロモーション

一部キャラクターの声優(俳優起用)の演技が棒読みで、シリアスなシーンの没入感を下げてしまっている点は残念でした。
ただ、主人公役の加藤小夏さんをはじめ、演者の方々がYouTubeなどで実況配信を行い、作品を盛り上げてくれているのは非常に好印象でした。そちらのコンテンツから作品に触れてみるのも良いかもしれません。

その3:難易度の高い謎解き要素

本作には多くの謎解きが登場します。どれも古典的でじっくり考えることが求められるタイプです。
ゲームプレイのアクセントとして必要なのは理解できますが、個人的には謎解きが苦手なため、かなり苦労しました。
謎解きの難易度は最初に選ぶことができますが、プレイ途中での変更はできない仕様になっているため、苦手な方は最初の設定で注意が必要です。

その4:強烈なグロテスク表現

言うまでもありませんが、本作のグロテスク表現はかなり強烈です。
人体欠損や集合体恐怖症を刺激するような描写が多々あるため、耐性のない方はあらかじめ注意してください。

まとめ

いかがだったでしょうか。今回は『SILENT HILL f』のクリアレビューをお届けしました。

竜騎士07氏による「謎が謎を呼ぶ」重厚な和風シナリオと、1960年代の日本を舞台にした圧倒的なビジュアル表現は、間違いなく最高レベルのクオリティです。
美しくもグロテスクな世界観と、心理的な恐怖を伴う体験は、ホラーファンであれば一度は味わっておくべき仕上がりと言えるでしょう。

一方で、不自由さを強いるバトルシステムや難解な周回要素、シビアな謎解きなど、ゲームプレイの快適性に関してはかなり人を選ぶ作品でもあります。「怖すぎて周回するのが辛い」と感じる人も少なくないはずです。

それでも、その癖に慣れていく中で感じていく周回体験の魅力は、本作ならではのものだと思います。
考察好きの方、和風ホラーの雰囲気に浸りたい方、そして歯ごたえのあるサバイバルを楽しみたい方には、自信を持っておすすめできる傑作です。

気になった方は、購入を検討してみてください。

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