【クライマキナ】クリアレビュー・評価|アクションには粗さもあるが、物語と世界観が強く心に残る作品

今回は『クライマキナ/CRYMACHINA』の魅力と、クリアまで遊んで気になったポイントをレビューします。
大きなネタバレは避けているので、独特な世界観やキャラクターに惹かれて購入を迷っている方はぜひ参考にしてみてください。

この記事はこんな人におすすめ!

✓ 重く独特な世界観やシナリオを楽しみたい
✓ キャラクター同士の関係性や伏線回収が好き
✓ アクションの粗さより、尖った世界観や物語を重視できる

目次

はじめに

『クライマキナ/CRYMACHINA』は、人類滅亡後の未来を舞台に、機械として蘇った少女たちが「本物の人間」になるために戦うアクションRPGです。

実際にクリアまで遊んで感じたのは、アクションゲームとしては粗さが目立つ一方、独特の世界観やシナリオ、キャラクターには強烈な魅力がある作品だということ。

戦闘バランスやUI、単調なダンジョンなど気になる部分は少なくありません。しかし、数多くの伏線がつながっていく物語や、キャラクター同士の関係性、独特のビジュアルや演出など、本作でしか味わえない尖った魅力もしっかりあります。

万人におすすめできる作品ではありませんが、刺さる人にとっては、欠点を含めても強く心に残る一本になり得る作品だと思います。ここから、本作のシナリオや戦闘、気になったポイントについて詳しく紹介していきます。

基本情報

スクロールできます
発売日2023年7月27日
ジャンルアクションRPG
開発 / 発売フリュー
対応ハードNintendo Switch / PS5 / PS4 / Steam
価格8,778円(税込・パッケージ通常版)
クリア時間約25時間(ストーリークリア)

機械が「本物の人間」になるための物語

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本作のあらすじは以下の通り

奇病の蔓延する現代。病によって死の淵にたつ少女レーベン・ディステルは声を聞く。「あなたは選ばれた。」そして訪れる死。しかしレーベンは再び目を覚ます。人類滅亡後の未来。エノアと名乗る機械の少女に迎えられて。そこはエデンと呼ばれる構造体のなか。エデンでは機械たちが人類再生のために「本物の人間」を創造しようと稼働をつづけていた。レーベンはエノアに導かれ、「本物の人間」になるための戦いに巻き込まれていく。

公式サイトより

『クライマキナ』のシナリオ

テーマ性の強いシナリオとキャラの魅力

まずは本作の一番の魅力と言えるそのシナリオについて見ていきたいと思います。

物語は病によって死んだ少女「レーベン」が機械として目覚めるところから始まります。そこには「エノア」と呼ばれる少女がいて、彼女や仲間と共に「本物の人間」になるための戦いを描くというものになります。

物語自体かなり重い展開ではあるものの、数多くの伏線が回収される展開が多く目が離せないものになっていますし、物語全体の見方が大きく変わるような仕掛けは見事でした。

そしてプレイしていて感じたのが、キャラの魅力という部分です。それぞれのキャラが個性的ですしビジュアルにかなり力が入っています。立ち絵の表情が豊かで、引き付けられるものがありました。

また、主人公と「レノア」の関係性など、主要キャラの関係を通した「家族愛」の描き方は非常に良かったと思います。拠点にて「お茶会」という形で掛け合いを見ることができるのですが、この数も多いですし、最終的なキャラに対する愛着の深さにつながっていたと思っています。

シナリオ上の仕掛けや魅せ方にこだわった挑戦への意欲

こだわって作られたタイトル画面

また、随所に見えたのが魅せ方に対するこだわりです

まず、プレイして最初に見えるタイトル画面ですが、機械の少女が何かこちらに語り掛けている様子が静止画ではなく動いている状態で描かれます。雰囲気漂うこのビジュアル表現には引き込まれた部分はありますし、デザインにおいては全体的に独自性が強く、本作ならではの魅力が作り出せていたと思います。

シナリオ進行においても、目まぐるしく視点が変わるストーリーは、どんでん返しもあり、現代のオーソドックスなRPGから想像できないような仕掛けがつまっているように感じました。本作は全体のクオリティとしては決して高いものとは言えないものの、こういった挑戦的な姿勢が見えた部分はすごく良かったです。

本作は音楽のこだわりが強く、すごく印象に残っています。YouTubeにて戦闘BGMが100万回以上の再生数を稼いでおり、気になる方はこちらものぞいてみてください。MVが可愛くて個人的には好きです。

個人的にすごいと思ったとこ

※ここからはシナリオのネタバレを含みます。

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そして個人的にすごく斬新だと感じたのが、ラスボスを倒した後に遷移するタイトル画面での仕掛けです。

ラスボス戦後、ボロボロになったレーベンを助けるため、力を使い果たしたエノアが消えてしまいます。そして、その後も説明もないままタイトル画面に戻ってきて、一見すると訳も分からないまま終わったのかと思う場面です。

しかしよく見るとタイトル画面が変わっていて、そこには立ちすくむエノアがいます。タイトル画面にて、エノアを扉の向こうに動かすことで、真エンディングにつながる仕組みになっていました。

タイトル画面はプレイした最初から十字キーでしかカーソルを動かせないようになっていたのですが、ここを最後の仕掛けにつなげてくるのは驚きました。

ゲームサイクルは非常に単調

本作ゲームサイクルは拠点となる箱庭で出撃するステージを選ぶダンジョン形式です。ですので、ダンジョンをクリアして、拠点に戻ってきて、キャラの掛け合いを見て、またダンジョンに潜るということの繰り返しになります。

ダンジョンに関しても、かなり簡素な造りになっていて、それほど長くない一本道で、それでいて景色もあまり変わらないため、探索が楽しいとは言えません。こういったゲーム性だからこそ、シナリオが面白いとは言え、飽きを感じてしまうところは否めません。

戦闘について

オーソドックスなスラッシュアクション

本作のバトルはオーソドックスなスラッシュアクションになっています。

弱攻撃・強攻撃を駆使して、敵のゲージを削っていき、ゲージを削り切ると打ち上げ攻撃・フィニッシュムーブに派生することができます。いかにゲージを削るかという遊びは直感的で分かりやすいものになっていました。

また、本作にはエノアによる援護のシステムがあり、その中の一つに「覚醒」というものがあります。戦闘中に覚醒状態になると、ステータスの強化はもちろん、自動回避やフィニッシュムーブの演出が派手になるなどの変化もあります。他にも遠距離攻撃など、エノアとの連携をどう使いこなすかというのが攻略の鍵になっていました。

基本操作は分かりやすく、ゲージを削ってフィニッシュムーブにつなげる流れには爽快感があります。

膨大な育成要素

本作には膨大な育成要素があります。

それぞれのキャラのレベル上げから始まり、ステータス振り、装備・武器選び、装備・武器につけるスロット、エノアのサポートアクションの強化など多岐に及びます。プレイヤー側がカスタマイズできる要素が非常に多いため、自分だけのビルドを組んでいく楽しさ味わうことができます。

これらの武器や素材を集めるために何度も周回するハクスラ的な楽しさもあり、やり込み要素につながっていました。

バランスは悪いし、調整不足も目立つ

ただ、戦闘に関しては問題も多いです。

怒涛の連続ダメージで死ぬ敵の攻撃や、全く関係ない敵に向くロックオン(内部ターゲット)、回避しようとすると見えない段差や敵に引っかかるなど、調整不足の点も目立っていました

この大味さが良いと言えばそうなのかもしれませんが、近年のアクションゲームに比べると、純粋なクオリティの面で劣っていることは間違いありません。

遊びづらさが目立つ部分

デザイン性を意識しすぎて、使いづらいUI

装備画面

本作のUIに関しては、一貫してデザインを意識している反面、使いづらいものになっていました。

特に感じたのが、強化要素です。装備と強化要素が色んな所に散らばった配置になっています。レベルアップをしようにも、装備画面とは別に用意されており、どこに行けば何ができるのか直感的に理解ができませんでした。

他にも戦闘中のポーズ画面がないため、装備画面やオプション画面が直に開いたり、ダンジョンを離脱して、拠点に帰還するボタンがアイテムショートカットの中にあったり、慣れないと使いづらい部分は多かったです。

色んなことができるにも関わらず、UIが分からなくしている点もあり、この点については注意が必要です。

メインメニュー

またこの分かりづらさに拍車をかけているのが専門用語の多さです。

メインメニューに関しても、専門用語のせいで、どのボタンが何を示しているのか、初見では分からないと思います。メインストーリーを進めるには「造換搬送機」を選択し、攻略するダンジョンを選ぶ必要があるのですが、これに関しても極端な話「ストーリー」という名称にしたほうが良かったのかもしれません。

他にも戦闘中のHPゲージの形が独特など、瞬時に情報が判断できず、遊びづらさにつながってしまっていました。

その他の遊びづらい要素

他にも遊びづらさを感じてしまう部分はあります。

例えば、敵にやられ、ゲームオーバーになった際、復活ポイントは基本的にステージの最初からになります。
景色が変わり映えしない一本道のゲーム体験性だからこそ、復活地点というのはこまめに設けてほしかったというのが正直なところです。

ゲーム体験を阻害している遊びづらさは目立ってしまいました。

まとめ

まとめ

今回は『クライマキナ/CRYMACHINA』のクリアレビューをお届けしました。
戦闘バランスやUI、単調なダンジョンなど、アクションRPGとして見ると気になる部分はかなりあります。

一方で、「本物の人間とは何か」を描く物語や、数多くの伏線、キャラクター同士の関係性、独特のビジュアルや演出など、本作にしかない尖った魅力も強く感じられました。

万人におすすめできる完成度の高いアクションRPGとは言いづらいものの、世界観やキャラクター、物語に惹かれた人であれば、欠点を含めても強く心に残る作品になる可能性があります。

ゲームとしての粗さより、独自の世界観やシナリオを重視したい方にはおすすめしたい一本です。

この記事を書いた人
ヤマザキ

ゲームクリエイターとして働きながら、ゲームブログ「LUDENS」を運営。
実際に遊んで面白かったゲームを、ストーリーからゲームシステムまで幅広く紹介しています。

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