【サムライレムナント】クリアレビュー・評価|戦闘の洗練性こそ欠けるものの、作り込みがすごくFateの魅力をアクションRPGとして落とし込んだ作品【Fate/Samurai Remnant】

レビュー
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こんにちは。ヤマザキです。

今回は『Fate/Samurai Remnant』のクリア後の評価・感想・レビューになります。

この記事では本作の良いところや気になったところなど率直なレビューをお届けします。
気になる方は購入の参考にしてみてください。

※シナリオのネタバレはできる限りしないようにしていますが、気になる方は注意を

この記事はこんな人にオススメ!
  • Fate/Samurai Remnant』の購入を検討している人
  • Fate/Samurai Remnant』の評価・感想が知りたい人
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『Fate/Samurai Remnant』の基本情報

タイトルサムライレムナント
ジャンルアクションRPG
発売日2023年9月28日
発売元コーエーテクモゲームス
クリア時間1周目(20時間程度)
採点70点
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はじめに

本作は2023年9月28日にコーエテクモより発売されたアクションRPG作品。
本作はTYPE-MOONとコーエテクモの共同開発で作られており、「Fate/Stay Night」から始まる派生したFateシリーズの1作品となっています。
内容としては江戸時代の聖杯戦争を描くというものになっています。

筆者は「Stay Night」や「月姫」の大ファンでもあり、本作への期待と同時にアクションゲームとして面白さを落とし込めるかに不安を感じていた部分もありました。
結論から言って本作は「戦闘におけるバランスこそ気になるものの、そのシナリオの面白さと作り込みでFateの魅力を十分に再現できている作品」と言えます。

英霊を利用して敵の隙をついていく戦闘は爽快感と歯ごたえがあり面白い一方で、洗練性に欠ける部分が多く、ストレスを感じてしまうのもまた事実です
しかし作りこまれたシナリオとキャラの描き方によって丁寧なストーリー体験を実現できており、既存のFateシリーズのファンはもちろん、今までFateに触れてこなかった人にも触れてほしいそんな作品になっていました。

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評価点

その1:江戸を舞台にした聖杯戦争を描く物語に目が離せない

あのシーン?

本作は江戸の街並みを舞台に繰り広げられる聖杯戦争を描く作品になっています。

そもそも聖杯戦争とはあらゆる願いを叶えるとされる万能の願望機・聖杯の所有をめぐり、7人のマスターと呼び出された7体の英霊(サーヴァント)が争いあうというもの。
それぞれの思惑がうごめく展開や英霊(サーヴァント)の正体と目的、その先にある結末に目が離せません

シナリオは立ち絵とCGで進んでいく

また本作はアクションRPG
これまでの「Fate/Stay Night」はノベル形式のアドベンチャーゲームでしたが、本作は戦闘はもちろん、プレイヤー自身が操作する比重が大きくなっています。
より高くなった没入感を体験してもらいたいです。

個性的で魅力的なキャラ達

また、登場するキャラたちも魅力的なキャラたちにも注目です
主人公と行動を共にするセイバーや師匠である宮本武蔵など、個性的なキャラがたくさん登場します。
クリアするころには好きなキャラの一人はできていることでしょう。

米を食べるセイバー
主人公の師匠? 宮本武蔵

逸れのサーヴァント? 

7体の逸れのサーヴァント。それぞれとイベントも…

これまでの聖杯戦争と違う点として逸れ(はぐれ)のサーヴァントの存在が挙げられます
逸れのサーヴァントは文字通り、マスターを持たないはぐれの存在。
彼らが聖杯戦争やゲーム体験にどのように関わってくるのか…

ファンなら嬉しい? シリーズお馴染みのキャラも…

周回必須? マルチエンディングになっている

特定のタイミングで発生する分岐点

本作には特定のタイミングで選択肢による物語の分岐があります
1周目では分からなかった部分を周回によって補填する内容になっています。

Fate/Stay Night」もノベルゲーでしたし、こういったFateらしさを入れ込んでくれた点は嬉しいポイントです。
また本作はサブイベントも含めてフルボイスになっており、その作り込みには驚かされました
それぞれのシナリオが描く結末は必見です。

その2:英霊と共に戦う歯ごたえと爽快感を重視したアクション

複数の型を使いこなしながら、敵をなぎ倒していく

アクションに関しては弱攻撃と強攻撃で敵をなぎ倒していく無双風なアクション。
操作する主人公にはいくつか剣の型があり、状況に応じて切り替えながら進めていきます
型には二刀流で素早い動きができる水の型やガードが使える土の型などさまざま。

L1+ボタンで魔法を使うこともできたり、秘剣と呼ばれる奥義を放てたり、できることもそれなりに多くなっています。
戦闘全体を通してかなり疾走感があり、演出なども凝っていてここは素晴らしいと思います。

サーヴァントとともに戦う感覚を

豪快な必殺技

サーヴァントをどのように活かして戦闘するのか気になる方も多いと思いますが、こちらもかなりしっかりしていたと感じます。
R1+ボタンでサーヴァントの力を借りた必殺技を撃つことができ、ゲージがたまればサーヴァント自体を操作することもできます。

セイバーはもちろんストーリー展開によっては他のサーヴァントも操作可能です。
時間制限がありながらもサーヴァントの能力は非常に高く、文字通り無双できます。

かなり大きな必殺技を出せるなど主人公を扱った後だからこそ、英霊を扱う特別感を出せて非常に良かったと思います。

一対一の駆け引きが面白い

本作の敵は基本アーマーを持っており、スキルや魔法を使いながら隙をついていく戦闘になります。
隙をつきながら攻撃をつなげることができた爽快感はなかなかのものでした。

多種多様の要素を使いこなしながら1対1の駆け引きを楽しむ感覚は本作独自のものかもしれませんね。

その3:霊地争奪には戦略性の高いシミレーション要素も

霊地争奪という名のシミレーション要素

本作では聖杯戦争における霊地争奪(陣取り合戦のようなもの)をシミュレーション風のバトルで表現しています

全く違うゲーム性ですが、慣れてくるとそれなりに楽しむことができました
終盤は逸れのサーヴァントも駒として動かすことができるため、自分の陣営の駒を動かしていく感覚はシミュレーション要素としてよくできていたと思います。

しかしながら、システムがアクションとはあまりにも違うため、正直最初は戸惑ってしまいますし、ルールを理解できないうちはよくわからないけどGAME OVER になる体験を繰り返すので、ストレス要素にもなっていた点は否めません

その4:江戸の街並みの作り込みはすごい

本作の舞台となる江戸の街並みの作り込みは素晴らしい出来になっています
それぞれの町が丁寧に表現されており、こだわりを持って作られたのが伝わってきます。
探索しているだけでも楽しいと思います。

しかしここに関しても忠実に細かな作り込みをしているものの、分かりやすい建物やオブジェクトが少ないため、印象に残りにくくどこも似通った印象をうけるのはちょっともったいないと感じました。

描き方が丁寧で風情が感じられる街並み

不満点・問題点

その1:戦闘面のバランスについて

本作の戦闘はサーヴァントと共に戦う体験をうまく表現できており、爽快感もありますが、バランスについては決して良いとは言えないものでした
いくつか要素について見てみましょう。

スーパーアーマーとテンポ感

スーパーアーマーが多すぎる..

本作の戦闘は一瞬の隙をついていく歯ごたえある戦闘を実現しているものの、いかんせんスーパーアーマーの数が多すぎると感じました。

雑魚敵以外敵のほとんどがスーパーアーマーを持っており、基本こちらの攻撃ははじかれます
アーマーは攻撃後の隙をつくか、サーヴァントのスキル・魔法などを使う必要があるのですが、回数に限りがあり、1対1のボス戦においてはゲージがたまらず、使うことができず苦労しました。また攻撃後の隙に関しても、隙が大きい敵とほとんどない敵が存在し、歪に感じてしまいました。何より敵が固いため、無駄に時間が掛かり、作品全体のテンポの悪さにつながっていたようにも思います。

アイテム周りについて

戦闘中いつでも安全にアイテムを使用することができる。

アイテム周りの仕様も気になる部分です。
十字キーでアイテムボックスが開け、戦闘はその間停止するため、アイテムさえあれば無限に回復することができます。

加えてスーパーアーマーを削るために有効なスキルのゲージはアイテムで補充できます。
そのため、アイテムがあればラスボスであってももそれなりに簡単に倒すことができ、アイテムの有無で難易度が変わってしまうものになっていました。
一方でアイテムがないと厳しい場面もあり、筆者は一度、何も考えず進めていたところアイテムを切れしてしまい、詰みかけたことがありました。

屋台には直接ファストトラベルできない

そしてこのアイテムですが、入手がかなりめんどくさいです…
アイテムは町の屋台で入手することができますが、一度に買える数に制限があり、数を集めるには各地の屋台を回る必要があります。

しかし、各地を回ろうにも直接ファストトラベルする方法がないため、かなり大変ですし、もしイベント中に切らしてしまうと補充はできません。
少なくとも定期的に補充できるようにしてほしいところですし、もう少し入手がしやすくなると良いのですが。

その他の機になった部分

・変な所にロックオンが…
・遠距離サーバントの攻撃が移動していると敵の方向にいかない。
・逸れのアーチャーなど即死ハメコンボのようなものをしてくるが敵がいる

その2:特に序盤のテンポが悪い

2つ目の問題点としては序盤のテンポが悪いことです

スーパーアーマーの雑魚敵に時間をかけてしまったり、そもそもの序盤シナリオの展開が非常にゆっくりしていることもあり、全然話が進みません。
最初の10時間くらいは「今何してるんだっけ」となってしまうくらい退屈だった印象です。

終盤の物語は面白いですが、そこに行くまでにやめてしまう人が多そうなのが気になるところです
このテンポのせいでシナリオやキャラの強みが感じにくくなっていたのは残念な部分でした。

その他雑記

Fateシリーズを知らなくても楽しめる?

こちらに関しては十分に楽しむことができます

「Fate」の名前で聖杯戦争を描く作品であるからこそ、「Stay/Night」やその他のシリーズを理解していないと楽しめないのではないかと考える方もいるかもしれませんが、その心配はありません。

本作のシナリオは完全に独立しており、本作から入っても問題なく楽しむことができます。
一方で過去作の小ネタのようなものもたくさんあるので、ファンの方はそれはそれで楽しめると思いますよ。

総評

いかがだったでしょうか。今回は『Fate/Samurai Remnant』』の評価・感想・レビューをお届けしました。

江戸時代の聖杯戦争を描いた本作はゲームならではのFateシリーズの魅力を映すことに成功した戦闘と重厚なシナリオは非常に面白かったと思います
しかしながら戦闘面のバランスはかなりいびつだった印象で、いびつな難易度が高さを感じてしまった部分もありました。

とはいえ、「Fateシリーズ」のファンはもちろん、「Fateシリーズ」を知らない人にとっても十分に楽しめる作品になっておりますので購入を検討してみてはいかがでしょうか。