【CHAOS;CHILD】クリアレビュー・評価|狂気的な展開とシナリオの陰鬱さは合わない人も多いが、それ上回る魅力が詰まっている【カオスチャイルド】

レビュー
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こんにちは。ヤマザキです。

今回は『CHAOS;CHILD』のクリア後の評価・感想・レビューになります。

本作は『STEINS;GATE』で有名な科学アドベンチャーシリーズの作品で、かなり昔の作品ではありますが、今なお絶大な人気を誇る作品になります。

そんな本作ですが、かなり癖が強いですが、すごく面白い!

筆者は本作が大好きで、人を選ぶのは間違いないですが、ぜひ多くの人にプレイしてほしい名作だと思っています。

この記事では『CHAOS;CHILD』の良いところ、気になったところをお伝えします。
気になった方は是非ご覧ください。

※シナリオのネタバレはできる限りしないようにしていますが、気になる方は注意を

この記事はこんな人にオススメ
  • CHAOS;CHILD』に興味がある人
  • CHAOS;CHILD』の評価・感想が知りたい人
  • シュタインズ・ゲートシリーズと比べた印象を知りたい人
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『CHAOS;CHILD』の概要

タイトルCHAOS;CHILD(カオスチャイルド)
ジャンルアドベンチャー
発売日2014年12月18日
発売元MAGES.
クリア時間50時間ほど(trueエンドクリアまで)
採点84点

『CHAOS;CHILD』とは

CHAOS;CHILD』は2014年12月18日にMAGES.より発売されたアドベンチャーゲームです。
シュタインズ・ゲートで有名な科学アドベンチャーシリーズの第4作目。
同1作目『CHAOS;HEAD NOAH』の設定などを引き継いでいる作品になっています。
前作と一部の出来事や世界観こそ同じなものの物語としては独立しているため、本作からでも問題なくプレイすることができるでしょう。

本作のキャッチコピーは「この作品は、シュタインズ・ゲートを超えたのか?」。巷でも議論が交わされるほど完成度が高く、今なお人気の作品にもなっています。この議論に関しては後ほど私も意見を書いてみたいと思います。

そんな本作ですが、一言で評価するなら
合わない人にはとことん合わないが、それ以上の魅力が詰まっている作品』と言えます。

正直本作、合わない人はホントに合わない作品なんです…
グロイことと癖が強い点は受け入れられない人も多いかと思います。
ですが、それ以上の感動を与えてくれる作品だと思っているので、ぜひプレイしてみてほしいです。
本作の魅力にハマってしまうと人によってはどの作品よりも印象に残る作品にもなる、そんなイメージです。

『CHAOS;CHILD』のあらすじ

舞台は2015年の渋谷。本作の主人公「宮代拓留」は新聞部の部長で新聞部の仲間と共に連続猟奇殺人事件を追うことになる
はじめは取材をする側の人間として事件に関わっていたが、徐々に拓留や周りの友人や家族も巻き込んだ陰謀に巻き込まれていく。

事件の真相とその先にある結末に迫っていく作品

今からプレイするなら「ダブルパック」がオススメ!

本作はXbox Oneで発売された作品で、その後PS Vita・PS3・PS4で発売されました。

switchにも『CHAOS;HEAD NOAH』と『CHAOS;CHILD』をまとめた『CHAOS;HEAD NOAH / CHAOS;CHILD DOUBLE PACK 』として移植されています。

今からプレイするならswitch版のダブルパックかPS4版でプレイするのがオススメです。

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『CHAOS;CHILD』の良いところ

連続殺人事件の真相へ迫る面白さ

事件を1つずつ整理していくマッピングトリガー

本作は巷で話題になっている連続猟奇殺人事件を追っていくという物語。
新聞部として1つ1つ事件を整理しながら、その謎の解明に迫っていく展開には目が離せません

プレイヤー自身が事件の整理を行うシステムにマッピングトリガーがあります。
これは新聞部の掲示板を使って情報をまとめていくというものです。本作推理要素というものはそこまで多くはないのですが、新聞部として真相に迫っていく体験ができたのは面白いと思いました。

はじめは取材する側として事件を追っていきますが、徐々に主人公自身が巻き込まれていきます。その緊張感や知ってはいけない真実が近づいてくる感覚は本作でしか味わえないものになっています。

とんでもなくグロい…、えげつない展開…

また、本作の外せない特徴としてとんでもなくグロくてえげつない展開が挙げられます

まず、猟奇殺人事件を追うシナリオなので、そもそもグロイのです。それに加えて内容がえげつない…
ネタバレになってしまうので詳しくは言えないのですが、「おいおい…嘘だろ…」と絶句してしまうような衝撃的な出来事が続きます。

一見するとなんの魅力でもないこのグロさがシナリオの大きな部分を担っているようにも感じています。グロさがあることで事件の印象が強まり、謎を解きたいという没入感が高まりますし、先の読めない衝撃的な出来事によってプレイヤー自身が嫌でも感情移入させられてしまうんです。

その後に迫る結末も含めて色んな感情を与えてくれるカギになっていた印象です

妄想トリガーの新鮮さ

妄想トリガーによる選択

今作はノベル形式のアドベンチャーゲームですから、シナリオが分岐していきます。
その分岐のきっかけとなるのが妄想トリガーという、独自システムです。
プレイ中の特定のタイミングでトリガーの演出が入り、ポジティブな妄想、ネガティブの妄想、見ないの三択を選ぶというものです。

妄想によって分岐するってかなり新鮮な体験ですし、その妄想もかなり独創的で面白いです
かなり種類もあって、ただの選択肢で分岐するより、楽しみになっていて良いかもしれませんね…

しかしながら物語終盤になってくると、飽きもきて「これいらなくね?」となる部分も大きかったです。主人公の癖の強い性格も含めて、ストレスに感じるときも多く、ゲームデザインとしては面白いですが、シナリオを楽しむノベルゲーとしては判断が難しいところかもしれませんね。

完成度が高い個別ルート

完成度が高い個別ルートは個人的にすごく好きです。
本作はいわば、ギャルゲーのような形でそれぞれのヒロインによるルート分岐があります。

5人のヒロインがいて、本編とTrueエンド以外には4つのルートがあります。
4つのヒロインのルートをクリアするとTrueエンド

それぞれのヒロインが抱える秘密やその後をどう生きていくのか描かれるシナリオは面白かったです。
詳しいことは言えないのですが、香月ルートは今までとかなり色が違っていてかなり新鮮でしたし、うきルートと有村ルートは衝撃的な終わり方ですが、それもまた好き。

どれも本編同様、つらくて悲しい部分が多いのですが…
因みに来栖ルートは本編にも関わってくる彼女の秘密が明かされるので、最後にやることをお勧めします。

私はTrueエンドがダントツで好きなので、ぜひ全ルートプレイしてみてください。

救いのない結末へ… 切ない感情を与えてくれる作品

言ってしまえば、本作は全体を通して救いがないです。
道中のシナリオに関しても、連続猟奇殺人事件を迫っていく中で、プレイヤー自身の首が閉まっていくような、知りたくない真実に迫っていくシナリオはなかなかにつらいです

なによりどのルートの終わり方についてもハッピーエンドとは呼べない結末になっていて受け入れられない方もいるかもしれません。

ただ、個人的にはそこにこの作品の魅力が詰まっていると思っています。
狂気的な展開と救いのない結末がただのバッドエンドでは終わらず、そこに多くの優しさを感じさせてくれるような、そんな終わり方は喪失感や切なさといった何とも言えない感情を与えてくれます

いわばその感覚は鬱ゲーの魅力に近いと考えていて、「ニーアオートマタ」で味わえる感覚に近いです。

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『CHAOS;CHILD』の気になったところ

ノベルゲーなのにZ指定! えげつないグロさには注意が必要

ここまで読んでいただいた方ならある程度理解されているかもしれませんが、本作はグロイ描写が多いうえ、内容としても救いのない悲しい展開が続きます。

ノベルゲーなのにZ指定がされているなど、グロイものが苦手な人や平和なハッピーエンドを求める人には注意が必要です。

科学要素が薄い…

ギガロマニアックスとディソード

また本作、あらかじめ言っておくと科学要素が薄いです

一応、科学アドベンチャーシリーズのコンセプトは「99%の科学と1%のファンタジー」というものだったはずです。例えば、シュタインズ・ゲートはタイムリープものながらも科学的に説明しようという努力はありましたし、展開に関してもちゃんと矛盾を説明できるようになっていました。

ただ、本作一言でいうと「めっちゃファンタジー」なんです。
猟奇殺人事件の真相に迫る内容から現実で情報を推理していくイメージをすると思うのですが、そういうわけではありません。

ギガロマニアックスという妄想を現実化できる特殊能力が存在し、それを使って戦ったり、現実的な推理とはかなりかけ離れた内容になっています。こういった能力がある関係上、展開に関しても「科学的に説明できるか?」と言えば難しいです。

科学アドベンチャーシリーズのコンセプトとは少し離れた印象を受けますよね
与えてくれる感情のほうに強みがある作品ですが、あらかじめ知っておくと良いかもしれません。

その他の雑記

シュタインズ・ゲートを超えたのか?

今作は科学アドベンチャーシリーズであるため、シュタインズ・ゲートと比較されることが多い点と、発売当初のキャッチコピーがこれだったので、議論になることが多いですよね。

個人的には超えたと思っています

ただ、もちろん超えてない部分も多く存在します
シュタゲの最初から張り巡らされた伏線のすべてがつながっていくようなシナリオとしての完成度や、個性的でキャラ達などシュタゲの魅力は異次元だと思います。
前述した通りカオチャは特殊能力のようなものも多いですし、「科学」という面も薄いですし…

ではどこが超えたのか。
それはプレイヤーに与えてくれる感情だと思っています。
前述した通り、鬱ゲーのような、喪失感と切なさを与えてくれるカオチャの展開は唯一無二の魅力を持っていると思います。

だからこそ、客観的に見てシュタゲを超えたというよりかは「個人的にシュタゲよりも印象に残った作品」というのが正しいです。
合わない人は多いかもしれないが、プレイした後にはどの作品よりも印象に残る作品になる人もいる、そんな作品だと思います

アニメは大失敗。この体験はゲームで味わってほしい。

また本作、アニメが大失敗に終わっています
これは一番に尺が原因です

比較対象としてシュタインズ・ゲートは2クール(24話)で放送され、こちらはアニメも大成功で絶大な人気があります。一方で本作はシュタインズ・ゲートの1.5倍あるシナリオにも関わらず、1クール(12話)でまとめています。

筆者も実際に試聴したのですが、尺が足りておらず、説明不足で何が起きているのか分からないうえ、狂気的な内容の印象だけが強く残ってしまう作品になっていました。

非常にもったいないですし、シュタインズ・ゲートと比較されるほどの完成度の高さを持つ本作が一般的に知名度が低いのはこのアニメの大失敗というのも大きな要因だったと思います。

そのため言うまでもなく、アニメではなくゲームをプレイすることをオススメします
リメイクでもしてくんないかな…

総評:鬱ゲーとしての魅力が詰まった作品でぜひプレイしてみてほしい

いかがだったでしょうか。今回は『CHAOS;CHILD』のクリア後レビュー・感想・評価をお届けしました。

本作は猟奇的殺人事件を追うためそのグロさや救いのない展開は癖が強く、合わない人も多いと思います。しかしながら、鬱シナリオが与えてくれる切なさや感動といった感情は本作でしか味わえないものとなっていて私は大好きなポイントでもあります。

気になった方はぜひプレイしてみてほしい作品です。

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