【STEINS;GATE 0】クリアレビュー・評価|シュタインズゲートへと続く物語。ファンなら間違いなく楽しめる作品だが、蛇足感も…【シュタインズゲートゼロ】

レビュー
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こんにちは。ヤマザキです。

今回は2015年12月10日に発売された『STEINS;GATE 0』のクリア後の評価・感想・レビューになります。

STEINS;GATE 0』はシュタインズ・ゲートの派生作品で本編へとつながる物語を描く内容になっています。2018年にはアニメ化もされ、こちらもかなり評判が良かったので、印象に残っている方も多いかもしれません。

そんな本作ですが、ゲームのほうもかなり面白い作品なんです
あくまで本編のスピオフという立ち位置なので、手抜きなんでしょ?と思う方も多いかもしれませんが、そんなことはありません。全ルートクリアまで35時間もかかります。
あくまで続編として本編と同様、あるいはそれ以上に気合を入れて作られた作品になっています
正直私もここまでしっかりしている作品だと思っていなかったので、ファンとしては嬉しい誤算でした。

また、シリーズはかなり派生作品が多く、未プレイの方からすると本作の立ち位置が分かりにくいと思います。そんな本編を踏まえた続編としての観点からも解説していきます

この記事ではそんな疑問も踏まえて『STEINS;GATE 0』の良いところ、気になったところをお伝えします。
気になった方は是非ご覧ください。

※シナリオのネタバレはできる限りしないようにしていますが、気になる方は注意を

この記事はこんな人にオススメ!
  • STEINS;GATE 0』がどんなゲームか知りたい人
  • STEINS;GATE 0』の評価・感想を知りたい人
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『STEINS;GATE 0』の概要

タイトルSTEINS;GATE 0
ジャンルアドベンチャー
発売日2015年12月10日
発売元MAGES.
クリア時間35時間ほど(全ルートクリアまで)
採点69点

『STEINS;GATE 0』とは

STEINS;GATE 0』は2015年12月10日にMAGES.より発売されたアドベンチャーゲームです。

そんな本作は前作のSTEINS;GATE において、岡部が牧瀬紅莉栖を救うことを諦めてしまった世界線の物語になっています。いわばIFルートを描くようなイメージで展開していきます。

そのため、正当な続編のような内容ではありません。ただ、本編と関係ないIFルートを描く作品ではないので、スピンオフでも続編でもないという微妙な立ち位置になっています

本作をプレイする前にここはあらかじめ抑えておくと良いかもしれません。

そんな本作ですが、個人的にやってよかったと思える作品でした。

仲間の視点を丁寧に描くシナリオは本編では分からなかった仲間たちの関係性が分かるものになっていて非常に興味深いものとなっており、随所に見せ場があり目が反せないシナリオは本作ならではの魅力と言えるでしょう。

ただ、本作はその特性上、蛇足感は否めません
展開が分かりにくいですし、結局のところ本編から分岐し、本編へとつながる物語なので、1つの作品としてみるとどうしても評価がしにくくなってしまっています。

シュタインズ・ゲートファンであれば迷わずお勧めしたいそんな作品になっていますが、単純に面白い物語をプレイしたいという方は今一度考え直したほうが良いかもしれません。

『STEINS;GATE 0』を今からプレイするには?

STEINS;GATE 0』は2015年に発売された作品ですので、対応ハードはps3・ps4・psvitaになっています。かなり古い作品ですので安く入手できる反面、switchに対応していない点、ちょっとプレイしづらいですよね…

単体では購入することはできませんが、switchで遊ぶ場合は『STEINS;GATE ダイバージェンシズ アソート』を購入することで遊ぶことができます。本作はシュタインズ・ゲートのスピンオフ作品が3つまとめて収録されている作品で今からシュタインズ・ゲートを遊びつくしたい人にピッタリなものになっています。

switchで遊ぶ場合はこちらもご検討くださいね。パッケージ版だと人気が非常に高く、プレミアになりかけていますのでダウンロード版がオススメです。

▪ダイバージェンシズ アソート収録内容
『STEINS;GATE 0』
『STEINS;GATE 比翼恋理のだーりん』
『STEINS;GATE 線形拘束のフェノグラム』

『STEINS;GATE 0 ELITE』も進行中!

フルアニメーションで描く『STEINS;GATE 0 ELITE』はすでに公式で開発が発表されています。公式サイトもありますよ!

2020年1月25日の『科学ADVライブ S;G 1010th ANNIVERSARY』にて正式に発表されたそうです。しかしながら2023年9月現在、発売日などの発表はされておらず、ちょっと心配ですね。

まあ気長に待ちましょう!

ちなみに『STEINS;GATE ELITE』のほうはすでにレビューまで書いているので興味がある方はぜひ。

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『STEINS;GATE 0』の良いところ

先が気になる!!随所に見せ場となるシーンがあり引き込まれる

牧瀬紅莉栖の記憶を持つ人工知能アマデウス

本作で牧瀬紅莉栖を救うことを諦め、失意の中過ごす岡部の前に現れたのは牧瀬紅莉栖の記憶を持つ人工知能アマデウス。彼女と過ごすうちにより大きな陰謀に巻き込まれていきます。

というように本作物語への引き込み方がすごいです
本編では明かされなかった事情まで丁寧に描きながら「この先どうなるの!?」というのや先が気になって目が離せないシーンがたくさんあります。

また本作には6つのルートがあり、一つ一つの完成度もすごいんですよね…
ヒロインの個別ルートというと主人公がヒロインと結ばれて…といういうようなイメージになるかもしれませんが本作の場合はかなり違っています。

シュタインズ・ゲートを目指すという目的のためにこれまで仲間たちが何を思い、どう動いてきたのか丁寧に描かれるシナリオは必見です。

本編では描かれなかった仲間たちの想いを丁寧に表現されている

何度も言うように、本作は岡部が牧瀬紅莉栖を救うことを諦めてしまった世界のお話です。
そのため、岡部はいわば牧瀬を救えなかったことを後悔しながら過ごしています。
岡部自身病んでしまい精神科医に通っているなど物語としてはかなり重い部分があります。
正直、作品全体として暗い部分が多く、鬱展開も多めです。

ですが、この重さが本作の魅力でもあると考えていま

本編は岡部が仲間を救い、最善の未来のためにシュタインズ・ゲートを目指すお話で、あくまで主人公である岡部が頑張るお話でした。

ただ本作では、岡部が精神的に病んでしまっている関係上、仲間であるラボメンの視点が強く描かれます。苦悩する岡部を見ながら心を痛める姿やそれぞれの形で岡部を支えようとする姿は心を打たれるものがありますし、岡部に対し何を思っていたのか仲間たちの内面が詳しく描かれる点は本作の非常に好きなポイントでもあります

より賑やかになったラボ。しかし牧瀬はいない…

また、鈴羽の母である阿万音 由季や未来のまゆりの子どもである椎名かがり新キャラも加わり、より賑やかになったラボも見ることができます。

本作は、最終的に岡部がもう一度シュタインズ・ゲートを目指すまでの物語です。
正直、そこまで1つの物語として展開があるわけではないです。
しかしながら、本編以上にそれぞれの仲間たちの心理描写を描く部分は非常に魅力的です

本編だけではどうしても岡部が仲間たちに支えられながらシュタインズ・ゲートを目指すお話でした。
ただ本作をプレイした後に感じ方が変わっていて、これは岡部がシュタインズ・ゲートを目指すお話ではなく、岡部を含めたラボメンたちがシュタインズ・ゲートを目指すお話なのだとそう思うようになりました。

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『STEINS;GATE 0』の気になったところ

どうしてもどれも似通った内容になってしまうルート分岐

本作はノベル形式のアドベンチャーゲームのため、プレイヤーの選択によって物語が分岐していきます。分岐したそれぞれルートがTrueエンドへの布石になっていて、最終的につながる展開は非常にアツイです

しかしながら分岐する5つくらいのルートはどれも違った魅力がある反面、「シュタインズゲート目指すための物語」という本筋が同じなため、似通った印象を受けます
それでいて1つ1つのルートが10時間弱とそれなりにボリュームもあります。

こういった要因から、どのルートのどの世界線でのお話なのかが分かりづらいです
最後のほうはここのルートではどういう展開だったのか、色々な話がごちゃごちゃになってしまい、整理がつかなくなって話が入ってこなくなります。

フルプライスでうるためのボリューム稼ぎの側面もあったのかもしれませんが、さすがにだれてしまっていた印象は否めません
内容自体がかなり見どころのある作品だからこそ、もう少しコンパクトにしたほうが評価は高ったのかもと思います。
また作品が完全新作でも完全な続編でもないため、一つの物語として独立しておらず、ひとつのノベルゲーとしても評価がしにくい作品に感じます。

ゲーム性は減っている

原作の「シュタインズ・ゲート」は携帯電話の操作「電話・メール」などが分岐の条件になっており、一定のゲーム性がありましたが、本作では変わっています。
電話・メールといった要素はあるものの、ストーリー分岐の条件になるのは電話のみになっていて少し簡素なデザインになった印象です

大きく評価が変わるほどのことではありませんでしたが、少し気になった変化です。

本編『STEINS;GATE』を超えてはいない

本作は『STEINS;GATE』を超えたかと言えば到底そうとは言えません。
しかしながら、そもそも比べることが間違いな作品だと思っています

その理由は単純で『STEINS;GATE 2』のような正当な続編ではないからです
その作り込みから1つの作品として評価をしてしまいがちですが、シナリオは本編ありきのものになっており、「作りこまれたスピンオフ作品」と考えるのが良いかと思います。

前作がすさまじい人気を誇る作品だからこそ、それと同じ期待をしている方もいる印象ですが、そもそも立ち位置が特殊なことは改めて知っておいてください。

まとめ

いかがだったでしょうか。今回は『STEINS;GATE 0』のクリア後レビュー・感想・評価をお届けしました。

本作は『STEINS;GATE 』のスピンオフ的な立ち位置でありながらその作り込みは素晴らしく、続編・スピオフとして本編同様、あるいはそれ以上に力がこもっていた印象を受けました。

シュタインズゲートに行くまでの岡部とその仲間の奮闘を描く物語は非常に面白いですが、結局本編から分岐して本編につながる作品ですので、蛇足感は否めません

あくまでファンがスピンオフとして楽しむのが良さそうです。ファンなら間違いなくオススメできる作品になっていますので、ぜひ遊んでみてください。