【カリギュラ2】買うべき?クリア時間と前作未プレイでも楽しめるか徹底レビュー【評価】

今回は『Caligula2/カリギュラ2』の魅力と、クリアまで遊んで気になったポイントをレビューします。
大きなネタバレは避けているので、購入を検討している方や、前作からの進化が気になっている方はぜひ参考にしてみてください。

この記事はこんな人におすすめ!

✓ 戦略性の高いコマンドRPGが好き
✓ キャラクターの悩みや葛藤を深く描く物語が好き
✓ ボカロPによる楽曲や音楽演出を楽しみたい

目次

はじめに

『Caligula2/カリギュラ2』は、2021年に発売された学園ジュブナイルRPGです。
2016年に発売された『Caligula -カリギュラ-』の続編にあたり、偽りの世界から現実への帰還を目指す「帰宅部」の物語が、新たなキャラクターと世界を舞台に描かれます。

実際にクリアまで遊んで特に印象に残ったのは、未来を予測しながら仲間とのコンボを組み立てる独自の戦闘システムと、「後悔」とどう向き合うのかを描いた物語のテーマ性でした。

前作は挑戦的なシステムや世界観が魅力的な一方、正直なところ遊びづらさも目立つ作品でした。しかし本作では、戦闘システムをはじめ多くの部分が整理され、前作の面白さを残しながらかなり遊びやすいRPGへと進化しています。

一方で、ダンジョン探索の単調さやテンポ、シナリオの一部については気になるところもありました。それでも、シリーズ独自の戦闘システムやキャラクター、音楽まで含めて、前作から大きく完成度を高めた作品だと感じています。

ここから、本作の魅力と気になったポイントを詳しく紹介していきます。

基本情報

スクロールできます
発売日2021年6月24日
ジャンルRPG
開発 / 発売historia / フリュー
対応ハードNintendo Switch / PS4 / PS5 / Steam
価格8,778円(税込)
クリア時間約23時間(ストーリークリア)
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『Caligula2/カリギュラ2』の魅力

ここからは、本作の魅力をポイント別に紹介していきます。

その1:未来を予測してコンボを組み立てる独自の戦闘システム

『Caligula』シリーズの戦闘を象徴するのが、「イマジナリィチェイン」と呼ばれる未来予測システムです。コマンドを選択すると、その行動によって戦闘がどのように進むのかを事前にシミュレーションできます。

たとえば、

  • 「このタイミングで攻撃すると、敵の攻撃と重なってこちらの攻撃が通らない」
  • 「少しタイミングをずらせば、敵の攻撃を避けながら反撃できる」

といった未来を確認したうえで、行動を決められるというわけです。

たとえば、一人目が敵を空中へ打ち上げ、そこへ別の仲間が空中特効の攻撃を叩き込むなど、複数のキャラクターの行動をつなげて大ダメージを狙うことが可能です。

思い描いた通りにコンボが決まったときの爽快感はかなりのもの。
この「少し先の未来を見ながら戦う」という仕組みこそ、『Caligula』シリーズならではの面白さだと思います。

Caligula Overdose/カリギュラ オーバードーズでの戦闘画面

前作にも同様のシステムは存在しましたが、一度に3つ先まで行動を入力する必要があり、4人全員を操作すると最大12個ものコマンドを考えることになります。戦略性は高かったものの、雑魚戦まで毎回そこまで考えるのはかなり大変で、筆者自身もうまく使いこなせている感覚がありませんでした。

本作では、一度に入力する行動が1つになったことで大幅に遊びやすくなっています。
未来を確認しながら、その場その場で仲間の行動を組み合わせられるようになり、前作が持っていた戦闘システムの面白さを、ようやく直感的に楽しめる形にしたと感じました。

その2:「後悔」と現実への向き合い方を描くテーマ

本作ならではのテーマ性も、ぜひ注目してほしいポイントです。

本作の舞台となる“リドゥ”という世界は、謎のバーチャルドール・リグレットが、人間が抱える後悔や「やり直したい」という願望を具現化した仮想世界です。そこに囚われた人々は、現実を忘れ、後悔しなかった選択をした「IF」の人生を疑似体験できます。

プレイヤーは、この“リドゥ”で偽りの世界の破壊を試みるバーチャルドール・キィと出会い、共にこの世界を破壊し、現実に帰るために「帰宅部」として活動することになります。

一見するとただの学園ジュブナイルRPGのように見えますが、本作の主たるテーマは、つらい現実とどう向き合っていくのかという点にあります。登場人物の多くは学生ではなく、キラキラした青春のような雰囲気は強くありません。本作の魅力は、己自身の後悔と向き合い、現実でどう生きていくのかという、普遍的なテーマを描いている点にあると言えるでしょう。

現実に苦悩する社会人だからこそ、このテーマが深く刺さる方も多いのではないでしょうか。

その3:キャラクターの心の奥底まで描く個別シナリオ

本作を語る上で欠かせない要素の一つが、パーティメンバー一人一人に用意されたキャラクターシナリオです。

キャラクターシナリオでは、それぞれのキャラクターが何を後悔しているのか、その心の奥底に踏み込んだ物語が描かれます。本作のテーマ性を反映し、各キャラクターが抱える事情は非常に重く、心を揺さぶられるものばかりです。しかし、それでもなお、後悔を乗り越え、現実を生きようとする彼らの姿は、何よりも印象に残るでしょう。

また、キャラクターシナリオを進める際に表示される「心の奥底に踏み込みますか?」という問いかけは印象的なフレーズです。この演出が没入感を高めてくれることは間違いありません。

前作と比較しても、本作では一人一人のキャラクターに対する掘り下げが丁寧に行われているため、ぜひ注目していただきたい点です。

その4:人気ボカロPが手掛ける音楽

本作の大きな魅力の一つとして、音楽にもぜひ注目していただきたいです。

本作で登場するバーチャルドールという存在は、ボーカロイドをモチーフにしており、ゲーム内では実際のボカロPの楽曲が使用されています。ダンジョン内ではインストが流れ、戦闘に入るとボーカル入りの楽曲に切り替わるというシンプルな演出ではあるのですが、これが非常にテンションを高めてくれます。地味に戦闘中の背景もMVのように楽曲に合わせた演出が行われています。

何より、超有名なボカロPたちをコンポーザーとして起用している点がすごいところです。YOASOBIのAyaseさん、かいりきベアさん、ツミキさんなど、ボカロファンなら誰もが知っている著名なクリエイターたちの楽曲がゲームを彩ります。個人的にボカロは好きなので、一つ一つの楽曲を聴くたびにテンションが上がりましたし、ダンジョンや敵キャラクターを印象づける音楽になっている点も魅力的でした。本作の音楽は作品の魅力を大きく引き立てていることは間違いないでしょう。

気になったところ・注意点

本作、カリギュラ2には気になる部分はいくつかありました。

その1:ダンジョン探索の単調さとテンポの悪さ

本作のダンジョンは、構造自体は非常にシンプルで、これはこれで良いのですが、個人的には移動速度の遅さが気になりました。ダッシュのような機能がなく、常にゆっくりとした速度で移動を強いられます。

全体的に動作がもっさりしていることもあり、ゲームテンポは少し悪いと感じました。
また、全体的にUIが直感的ではなく、度々操作に迷うことがあり、こちらもテンポの悪さにつながっていた部分です。

その2:敵キャラクターの描き方には物足りなさも

本作のシナリオについても、個人的に気になる点がいくつかありました。

特に、敵役である「楽士」たちの扱いと、茉莉絵というキャラクターの扱いについてです。
ネタバレを含むので隠しておきます。気になる方だけご覧ください。

「楽士」たちの描き方について

前作『Caligula Overdose』では、「楽士ルート」という、主人公がパーティメンバーを裏切り、敵側に寝返るルートが存在しました。実際には裏切る必要はないものの、このルートの存在が敵キャラクターの魅力を引き立てていたと感じています。敵キャラクターにも個別のエピソードが用意されており、彼らに感情移入することもできました。

しかし、本作では「楽士ルート」のようなものがなく、敵キャラクターの掘り下げがどうしても簡素になってしまったように感じます。特に救いがなく、後味の悪さが残った点が気になります。助けを求めながら飲み込まれてしまう件(くだん)や、ブラフマンをめった刺しにして終わるむーくんなど、「結局、彼らはどうなったの?」と疑問が残る点がいくつかありました。敵キャラクターもそれぞれ事情を描いており、憎めない部分もあったので、ラストの展開に対する希望は欲しかったところです。また、主人公パーティがあまり敵キャラクターのその後を気にしない点も少し気になりました。


茉莉絵の扱いについて

茉莉絵は前作から登場するキャラクターで、前作では「楽士ウィキッド」として敵側で登場していました。サイコパス的な言動を繰り返すキャラクターですが、現実世界では脊髄損傷により全く動けないという背景を持っています。前作の人気キャラクターであることは理解できますが、本作で安易に登場させる必要があったのか疑問が残ります。

本作の世界は、前作の最後にμが、現実では動けない茉莉絵のためだけに作ったミクロメビウスを、リグレットたちが侵入して外の世界の住人を入れ込んだものだったはずです。本作のラストで、この世界を破壊し、真理恵が寝たきりの状態に戻るというのは、どうなのでしょうか。あくまで、理想の世界から決別し、現実に目を向けるというシナリオの大筋は理解できますが、前作で似たような流れがあった上で、μが作った茉莉絵のためだけに作った優しい世界を破壊することに違和感がありました。

前作のウィキッドは、破天荒でサイコパスな態度とは裏腹に、終わりを望んでいるキャラクターでした。本作の茉莉絵は、記憶がないという設定なので、また同じように苦しむだけなのではないかと感じてしまいました。茉莉絵に触れない方が、物語としてはまとまりがあったのではないかと思いますし、キャラや物語としては前作のほうが好きだったと言わざる負えない部分があります。

前作を遊ばず『カリギュラ2』から始めても大丈夫?

結論から言うと、『カリギュラ2』から始めても問題ありません。
本作のメインストーリーは独立しているため、前作を知らなくても物語を理解できます。

一方で、前作をプレイしていることで気づける要素や、より楽しめるネタもいくつか存在します。
そのため、時間に余裕があるのであれば、1作目の完全版にあたる『Caligula Overdose/カリギュラ オーバードーズ』から遊ぶのがおすすめです。

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まとめ

今回は『Caligula2/カリギュラ2』のクリアレビューをお届けしました。

本作で特に印象に残ったのは、少し先の未来を予測しながら仲間とのコンボを組み立てる独自の戦闘システムと、「後悔」とどう向き合い、現実を生きていくのかを描いた物語のテーマ性です。

前作では魅力的なアイデアがありながらも遊びづらさを感じる部分がありましたが、本作では戦闘を中心に大きく洗練され、シリーズならではの面白さをより直感的に楽しめるようになっています。ダンジョン探索の単調さやテンポ、一部のシナリオには気になるところもありましたが、それ以上にキャラクターや音楽、戦闘システムの魅力が強く、前作から大きく完成度を高めた作品だと感じました。

戦略性の高いRPGや、キャラクターの悩み・葛藤まで深く描く物語が好きな方には、ぜひ遊んでほしい一本です。

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この記事を書いた人
ヤマザキ

ゲームクリエイターとして働きながら、ゲームブログ「LUDENS」を運営。
実際に遊んで面白かったゲームを、ストーリーからゲームシステムまで幅広く紹介しています。

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