【龍が如く 維新! 極】クリアレビュー・評価|物語は最高傑作だが快適性に課題?

レビュー
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こんにちは。ヤマザキです。

今回は、『龍が如く 維新! 極』のクリア後の評価・感想・レビューになります。

この記事では本作の良いところや気になったところなど率直なレビューをお届けします。
気になる方は購入の参考にしてみてください。

この記事はこんな人におすすめ!

・幕末の歴史や、重厚な時代劇ドラマが好きな方
・『龍が如く』シリーズのキャラクターによるオールスター作品を見たい方
・アクションの奥深さよりも、演出や物語を重視する方

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はじめに

『龍が如く 維新! 極』は、2023年2月22日にセガ(龍が如くスタジオ)より発売されたゲームソフトです。2014年に発売されたスピンオフ作品『龍が如く 維新!』のリメイク作にあたります。

本作の舞台は幕末。「もしも坂本龍馬が、新選組の斎藤一と同一人物だったら?」という大胆な歴史のifを描いた作品で、シリーズの人気キャラクターたちが幕末の志士として登場する、オールスター映画のような立ち位置でもあります。

そんな本作をクリアまでプレイしましたが、結論から言えば、
「圧巻の物語と演出は文句なしの傑作。ただし、ゲームプレイの快適性には大きな課題が残る作品」でした。

まるで大河ドラマを見ているかのような物語の没入感や映像美には素晴らしいものがあります。一方で、アクションの手触りやシステム面では古さを感じる部分も多く、2023年のゲーム体験として及第点を満たしていたかというと疑問が残るものでした。

今回は、そんな本作の魅力や、気になった点について詳しく見ていきましょう。

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『龍が如く 維新! 極』の魅力

まずは本作の魅力について、見ていきましょう。

その1:先が読めない!「坂本龍馬=斎藤一」の極上ドラマ

本作最大の魅力は、なんといってもそのシナリオにあります。

物語は、主人公である「坂本龍馬」が、ある事件をきっかけに名を捨て、新選組の三番隊組長「斎藤一」として生きていく…という衝撃的な展開から始まります。

史実をベースにしつつも、「坂本龍馬=斎藤一」という大胆な設定で、「実はあの人物が〇〇だった」というif要素がふんだんに盛り込まれており、歴史を知っている人ほど「そう来るか!」と驚かされる展開の連続です。エンターテインメントとして完全に割り切ったフィクションとして描かれているため、先の読めないサスペンスとして純粋に楽しむことができました。

圧巻の映像美とオールスターキャスト

また、ムービーシーンのクオリティは、「極」の名に恥じない素晴らしい仕上がりです。グラフィックが刷新されたことで、キャラクターの表情演技や、殺陣の躍動感は見るものを圧倒します。

登場人物は『龍が如く』シリーズのオールスターキャストとなっており、個性が際立っています。私は『ジャッジアイズ』シリーズ以外は本作が初プレイだったのですが、それでも彼らの強烈な個性に引き込まれましたし、シリーズファンの方なら「あのキャラがこの役を!?」というたまらない体験ができること間違いありません。

その2:「京」の世界観と作り込み

物語の舞台となる「京」の街並みの作り込みも見事です。

通りを行き交うNPCたちの生活感や話し声、活気ある商店の様子など、ただの背景ではなく、そこに人々が生きているかのような「空気感」が丁寧に再現されています。ただ街を歩いているだけでも、幕末の雰囲気を存分に味わうことができます。
マップには、新選組屯所や伏見の街並みだけでなく、清水寺といった実在の名所も登場します。「当時はこんな雰囲気だったのか」と思いを馳せながら、実際にその場所を自由に歩き回れる体験は、本作ならではの醍醐味と言えるでしょう。

広すぎず狭すぎない密度のあるマップの中に、サブイベントやプレイスポットがぎっしりと詰まっており、探索する楽しさが凝縮されていました。

その3:誰でも楽しめるシンプルなバトルシステム

本作のバトルは、「一刀」「短銃」「乱舞」「格闘」という4つのスタイルをリアルタイムに切り替えて戦うシステムです。

『龍が如く』シリーズらしく、難しいコマンド入力は不要。ボタンを連打したり、特定のタイミングでボタンを押すだけで、映画のワンシーンのような豪快な「ヒートアクション(必殺技)」を繰り出せる点は健在です。誰でも簡単に「カッコいい侍アクション」ができるというカジュアルさは、本作の大きな魅力です。

幕末ならではのロマンある戦い方

刀で重厚な一撃を叩き込むのもよし、短銃で遠距離から一方的に蜂の巣にするのもよし。特に、刀と銃を両手に持って舞うように戦う「乱舞」のスタイルは、この時代設定ならではのロマンが詰まっています。

意外と歯ごたえのあるバランスにはなっていますが、アクションゲームが苦手な方はいつでも難易度を下げることが可能です。ストーリーを中心に楽しみたい方は「初級」でサクサクと、ヒリつく戦いを味わいたい方は高難易度で、といったように自分のプレイスタイルに合わせて調整できる親切な設計になっています。

その4:豊富なサブクエストと育成要素

メインストーリーのシリアスさとは打って変わり、街中で発生するサブストーリーは非常にバラエティ豊かです。

「ええじゃないか」の騒動に巻き込まれたり、コミカルな話から心温まる人情話まで多数用意されており、これぞ『龍が如く』といった独特のノリで楽しませてくれます。ついつい本編を忘れて寄り道してしまう魅力があります。

スローライフを楽しめる「アナザーライフ」

また、本作には「別宅(アナザーライフ)」という要素も存在します。ここでは畑で野菜を育てたり、釣った魚で料理を作ったり、拾った猫や犬と触れ合ったりと、殺伐とした幕末の世界でほっと一息つけるスローライフを楽しむことができます。

カード収集と育成の沼

育成要素も非常に充実しています。

経験値を稼いでスキルツリー(魂球)を埋めていく王道の育成に加え、ダンジョン探索などで手に入る「隊士カード」を集める要素もあります。隊士たちの能力を組み合わせて自分だけの最強部隊を作り上げるシステムは、やり込み派の人にとって、クリア後も長く遊べる底なしのコンテンツとなっていました。

その5:シリーズおなじみ!作り込まれたミニゲーム

日本舞踊
カラオケ

シリーズ恒例の「本気すぎる」ミニゲームの作り込みも凄まじいです。

リズムゲームとして楽しめる「歌声酒場(カラオケ)」や「日本舞踊」、資金稼ぎに熱が入る「競鶏(賭場)」、タイミングアクションの「うどん屋手伝い」など、その種類は多岐にわたります。
さらに、薪割りや砲弾切りといった修行要素まで含めると、遊びの数は膨大です。

どのミニゲームも単なるおまけレベルを超えて作り込まれており、本編のストーリーが進まなくなるほど没頭してしまう中毒性があります。さすがのボリュームでした。

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気になったところ・不満点

物語や演出は最高峰ですが、ゲームプレイ部分では気になる点も多くありました。正直なところ、2023年に発売されたゲームとして見ると、プレイフィールが現代の水準に追いついていない部分が散見されました。

その1:全体的にゲームプレイが快適性に欠ける

まず気になったのが、ゲーム全体の快適性の低さです。10年前のオリジナル版にあった不便な仕様が、そのまま改善されずに残ってしまっている印象を受けました。

移動とエンカウントのストレス

すぐに息切れ

まず、ファストトラベルの使い勝手が悪く、基本的には拠点とイベント場所を徒歩で往復することになります。
それ自体も古さを感じますが、さらにダッシュ速度が遅いうえにスタミナ制限があり、すぐに息切れしてしまいます。その隙に敵に追いつかれ、強制的に戦闘画面に切り替わるエンカウントが発生するため、移動そのものが億劫になりがちです。近年の『ロストジャッジメント』などでは戦闘への移行がもう少しシームレスでストレスが少なかっただけに、この「足止めを食らう感覚」は余計に気になりました。

強制的なサブストーリー

魅力の一つであるサブストーリーですが、街を歩いているだけで強制的に発生し、スキップできない会話が始まる仕様はテンポを著しく阻害していました。
急いでいる時に強制的に足を止められるのは煩わしいですし、ムービー以外のイベントシーンがスキップできない点も、タイムパフォーマンスが重視される現代においては不親切に感じます。

不便なUIとアイテム管理

回復アイテムを使用するのにいちいちメニューを開く必要があったり、所持数の制限が厳しかったりと、UI周りの設計も古いままでした。これが「リソース管理の遊び」として機能しているわけではなく、単なる「面倒くささ」に感じてしまいました。

これらの要素は10年前であれば許容されたかもしれませんが、現代の基準から考えると厳しい部分です。リメイクだからこそ、グラフィックだけでなく、こうしたプレイアビリティの部分こそ現代に合わせてブラッシュアップすべきだったのではないかと強く感じました。

その2:アクションが薄味で大味なバランス

魅力の項目で「シンプル」と書きましたが、裏を返せば「アクションとしての底が浅い」とも言えます。

操作性が全体的にもっさりしており、ダッシュや回避がスムーズにいかない場面が多々あります。ロックオン機能もなく、思った方向に攻撃が出せないこともあり、動かしていてストレスを感じることがありました。

また、戦闘バランスもかなり大味です。敵の体力や防御力が非常に高く設定されており、倒すのに時間がかったり。頻繁にダウンを取られることも相まって、爽快感よりも「作業感」や「面倒くささ」が勝ってしまう場面が見受けられました。

こちらもシステム同様、どこか一昔前のバランス調整のまま止まっているような手触りで、せっかくのリメイクならば、もう少し爽快感のある調整ができたのではないかと惜しまれます。

まとめ

いかがだったでしょうか。今回は『龍が如く 維新! 極』のクリアレビューをお届けしました。

まるで大河ドラマのような重厚な物語と、進化した映像美は間違いなく一級品です。このシナリオを体験するだけでも、プレイする価値は十分にあるでしょう。

しかし、アクションゲームとしての快適性や洗練度においては、現代のゲームと比較すると厳しい部分があります。「物語を楽しむ」と割り切ってプレイするか、ある程度の不便さを許容できる方であれば、きっと楽しめる作品だと思います。

気になった方はぜひチェックしてみてください。

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