こんにちは。ヤマザキです。
今回は『イースX -NORDICS-(イース10)』のクリア後の評価・感想・レビューになります。
この記事では本作の良いところや気になったところなど率直なレビューをお届けします。
気になる方は購入の参考にしてみてください。
- 爽快なアクションRPGを探している方
- 冒険や探索のワクワク感が好きな方
- シリーズの新たな挑戦に興味がある『イース』ファンの方
はじめに
『イースX -NORDICS-』は、2023年9月28日に日本ファルコムより発売されたアクションRPGです。長年続く「イース」シリーズの記念すべき10作目にして、マンネリ化しつつあったゲームシステムを大胆に一新した、意欲作となっています。
本作は、若き日のアドルが、海賊の少女カージャと共に、広大な北の海「オベリア湾」を冒険する物語になっています。そんな本作をクリアした結論から言えば、「シリーズの伝統と革新が融合した、現代JRPGの最高峰と呼べる傑作」でした。
これまでシリーズの課題とされてきたグラフィックや演出面は飛躍的に進化し、バトルシステムも全く新しいものに生まれ変わっています。一部にバランスの悪さは散見されるものの、それを補って余りあるほどの面白さと完成度を誇る作品になっていました。
今回は、そんな本作の魅力と、気になったところについて詳しく見ていきましょう。
『イースX -NORDICS-』の魅力
その1:システムを一新!コンビで戦う、全く新しいアクションバトル
本作のバトルシステムは、『VII』以降続いてきた伝統を大胆に見直し、新しい試みが数多く取り入れられています。そして、その挑戦は見事に成功していると感じました。いくつかポイントを整理してみましょう。
二人で戦う新しい操作感のクロスアクションシステム

まず最大の変化点は、これまで続いていた「3人パーティ&属性相性」が廃止され、アドルとカージャの二人を同時に操作する「クロスアクション」になったことです。
通常時は一人を操作しますが、「コンビモード」に切り替えることで、二人が連携した強力なアクションを繰り出せます。これにより、二人を同時に動かしているかのような一体感が生まれており、これまでの作品にはない新鮮な面白さがありました。パーティメンバーは二人だけですが、その分スキルの種類は豊富に用意されており、物足りなさは感じないと思います。
■ガード&パリィを駆使した爽快感あふれる攻防の駆け引き

本作では、これまでシリーズに比べてガードやジャストガード(パリィ)の重要性が高くなっており、パリィを主体にした攻防を楽しむことができます。
敵の攻撃をタイミングよくガードすることでカウンターに繋げたり、特殊な倍率を溜めて有利に戦ったりと、テクニカルな駆け引きが多く用意されています。もちろん、ガードできない強力な攻撃もあるため、敵の予備動作を見極める緊張感も味わえますし、特にパリィが決まった時の爽快感は格別です。
ド迫力のボス戦

また、ボス戦も大きく進化しており、多種多様な強敵との戦いが楽しめます。特に、バトル中に挿入されるド迫力のフィニッシュムーブ演出は、これまでの作品とは比べ物にならないクオリティで、戦闘への没入感を飛躍的に高めていました。
その2:自由度の高い、ユニークな育成システム

本作では、キャラクターの育成システムもユニークで奥深いものになっています。
中心となるのは「レリーズ・ライン」と呼ばれるスキルパネルです。これは、解放したスロットに「攻撃力アップ」「防御力アップ」といった能力強化オーブ(マナシード)を、プレイヤーが自由にはめ込んでいくシステムです。攻撃特化にしたり、防御を固めたりと、自分のプレイスタイルに合わせてキャラクターをカスタマイズできる自由度の高さは、素晴らしいと感じました。
もちろん、従来のシリーズ同様に、武器や防具、アクセサリーといった装備品による強化要素も健在です。これらの育成システムや多種多様のスキルから選択することで、自分だけのビルドを作り上げていく楽しみがありました。
その3:王道で熱い物語と、個性豊かなキャラクターたち

本作の物語は、『I・II』の冒険を終えた若き日のアドルが、相棒のドギと共に次なる目的地を目指す航海の途中から始まります。しかし、彼らの船は海賊団「ノーマン」に襲われ、海洋都市「カルナック」で足止めを食らってしまうことになります。

そこに、正体不明の怪物「グリーガー」の襲撃に遭遇し、謎の力「マナ」と、海賊の少女「カージャ」と体がつながってしまう呪いの「枷(かせ)」を得ることになります。ここから大きな陰謀に巻き込まれていくという流れになります。
アドルとカージャの成長と関係性の変化を描く

特に注目したいポイントとして、このアドルとカージャ、二人の成長と関係性の変化です。
物理的に離れられない関係となった二人。勝ち気で荒々しいカージャと、お人好しなアドルは、当然ながら最初は反発しあいます。しかし、共に数々の危機を乗り越えていく中で、互いを認め、絆を深めていく。この王道の物語は、非常に魅力的で目が離せませんでした。
個性が際立つサブキャラ達

もちろん、二人以外のキャラクターも個性的で、物語を大いに盛り上げてくれます。特に印象的だったのは、カルナックの町で出会う幼馴染の少年少女たちです。彼ら同士のコミカルな掛け合いや、身内同士で魅せるこれまでとは違った一面や内に秘めた熱い想いなど、サブキャラクターにもしっかりと見せ場が用意されています。
テンポの良いシナリオ、仲間との出会いと成長、そして次なる旅立ちへの別れ。それらのシーンを盛り上げてくれるBGMなど、イースシリーズならではの王道で胸が熱くなる冒険譚の面白さは、本作でも存分に味わうことができました。
その4:船で巡る膨大な探索要素の魅力

本作の舞台は広大な北の海。プレイヤーは帆船「サンドラス号」を駆り、未知の島々を発見し、上陸していくことになります。
船で少しずつ地図の空白を埋め、活動領域を広げていく感覚は、まさにイースシリーズの醍醐味である「冒険感」そのものでした。冒険の道中で新たな仲間が加わると、船の性能がパワーアップしていき、行動範囲がさらに広がります。また、敵船との「海戦」や、島ごとに発生する多種多様なサブクエスト、収集要素など、寄り道も非常に楽しく、広大な海を隅々まで旅したくなる魅力にあふれていました。
マナアクションと爽快な地上探索

地上での探索も、本作独自の「マナアクション」によって非常に立体的で楽しいものになっています。
ワイヤーで離れた場所に飛び移る「マナストリング」、スケートボードのようにフィールドを高速で滑走する「マナライド」など、多彩なアクションを駆使してフィールドを駆け巡る爽快感は格別です。これらの能力はダンジョンのギミック攻略にも必須で、頭を使いながら探索を進めていく面白さがありました。
その5:飛躍的に向上したグラフィックと演出

なお、本作をプレイして特に驚かされたのが、グラフィックと演出面での劇的な進化も挙げられます。
正直なところ、これまでの「イース」シリーズは、グラフィックの品質が決して高いとは言えず、他のアクションゲームと比較すると、戦闘中の演出やムービーシーンの迫力で見劣りする点は否めませんでした。

しかし、本作ではその評価が一変しました。キャラクターたちの細かな表情や細かい動き、臨場感を増す巧みなカメラワークなど、そのクオリティの高さには目を見張るものがありました。特に、要所で挿入されるアクションムービーは、バトルの没入感をこれまでの作品とは比べ物にならないレベルまで高めています。「ファルコムはここまでできるのか」と、良い意味で衝撃を受けたポイントでした。
不満点・気になったところ
本作は挑戦的なシステムが素晴らしい作品ですが、一部不満があったのも事実です。
その1:いびつな敵のバランス調整

本作の普段の戦闘はそこまで難しくないにも関わらず、一部のボスだと難易度がかなり上がるなど、全体的な敵の難易度バランスがよくないと感じました。
特に中盤に登場する「マグナディーガ」は、かなり難易度が高く、かつ単調で理不尽にも感じられる攻撃を繰り返すため、個人的にはここで、かなり詰まってしまいました。
その2:使い勝手の悪いUIが気になる

メインメニューのUIは、過去作のシンプルなものから一変し、独特で非常に分かりにくいデザインになっています。『VIII』や『IX』では快適だっただけに、なぜ今作でこのような構造に変更されたのか、疑問を感じました。プレイヤーが頻繁に触れる部分だからこそ、改善を望みたい点です。
その3:シリーズ恒例になりつつある独特な操作設定

シリーズの恒例となりつつありますが、本作もキーコンフィグ周りの不親切さが目立ちました
まず、デフォルトのキー割り当てが、近年のアクションゲームの標準とはかけ離れた、直感的ではない配置になっています。もちろんキーコンフィグで自由に変更はできるものの、設定画面自体も分かりにくく、快適なプレイ環境を整えるのにかなり手間がかかります。完全にプレイヤーに委ねるのではなく、最初から遊びやすい設定にしておいてほしいと感じています。
補足:完全版『イースX -Proud NORDICS-』について
本作には、追加要素を収録した完全版『イースX -Proud NORDICS-』が、2025年7月31日にNintendo Switch 2向けに発売されることが発表されています。これからプレイされる方でNintendo Switch 2をお持ちの場合は、こちらの完全版を待つのが良い選択肢となるでしょう。
ただし、2025年7月現在、他のハード(PS5/PS4/PCなど)での完全版リリースや、DLCでの追加要素配信に関する情報は発表されていません。
個人的な意見とはなりますが、昨今のゲーム業界の流れも加味して、追加要素をフルプライスの「完全版」として再販する手法は、正直なところ受け入れがたいと感じています。もし追加要素を配信するのであれば、既存のプレイヤーに配慮し、安価なDLCとして提供する形が望ましいと感じています。
他のハードでのプレイを検討されている方は、今後の情報にも注意する必要がある点、ご留意いただければと思います。
まとめ

いかがだったでしょうか。今回は、『イースX -NORDICS-』のレビューをお届けしました。
マンネリ化していたシリーズのシステムを大胆に刷新し、アクション、探索、物語、グラフィック、そのすべてが高水準で融合した、まさに新生イースと呼ぶにふさわしい傑作です。
一部にバトルバランスの悪さや、システムの不親切さは残っていますが、それを乗り越えた先には、良質の冒険体験が待っています。
これまでシリーズをプレイしたことがない新規のプレイヤーにこそ、自信を持っておすすめしたい一本です。この記事を読んで少しでも気になった方は、ぜひプレイしてみてください。


