こんにちは。ヤマザキです。
今回は2018年9月20日に発売された『STEINS;GATE ELITE』のクリア後の評価・感想・レビューになります。
原作の発売から10年以上が経ちつつも今なお、ゲーム・アニメで様々な展開がされ、根強い人気を誇るシュタインズ・ゲートシリーズ。
本作は2007年に発売された『STEINS;GATE』をフルアニメーションにリメイクした作品で、今から購入を考えている方もいらっしゃると思います。
シュタインズゲートシリーズは種類が多いですし、「そもそもSTEINS;GATE ELITEって何?」「アニメや無印をプレイ済みの人間がやっても楽しめるのか」など疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
この記事ではそんな疑問も踏まえて『STEINS;GATE ELITE』の良いところ、気になったところをお伝えします。
気になった方は是非ご覧ください。
※シナリオのネタバレはできる限りしないようにしていますが、気になる方は注意を
- 『STEINS;GATE ELITE』がどんなゲームか知りたい人。
- 『STEINS;GATE ELITE』の評価・感想が知りたい人
- アニメや原作を試聴済みでも楽しめるのか知りたい人
『STEINS;GATE ELITE』とは
タイトル | STEINS;GATE ELITE |
ジャンル | フルアニメーションアドベンチャー |
発売日 | 2018年9月20日 |
発売元 | MAGES. |
クリア時間 | 30時間ほど(全ルートクリアまで) |
採点 | 75点 |
『STEINS;GATE ELITE』は2018年9月20日にMAGES.より発売されたアドベンチャーゲームです。
本作は2009年10月15日に発売されたSTEINS;GATE をフルアニメーションでリメイクした作品です。
シュタインズゲートは様々なアニメ化やスピンオフ作品など様々な展開がされていますが、原作の無印版のリメイク作品で、シナリオの改編もほとんどされていません。
本作で違うのはフルアニメーションになったことです。
一見すると、ノベルゲーがフルアニメーションになり、悪いことはないように思えますが、本作の場合非常に評価が難しいのです。
結論から言うと、シュタインズゲートは非常に面白い作品でその魅力は本作でも十分に味わうことができます。しかし原作のゲームやアニメと比べたとき、必ずしも本作をオススメすることはできません。
もしこれからシュタインズ・ゲートに入る方やゲームやアニメから本作の購入を考えている方は本記事の内容を踏まえて購入を考えるのが良いと思います。
『STEINS;GATE ELITE』の良いところ
シナリオはとても面白い!
本作の魅力はやっぱりそのシナリオの面白さにあります。
実はシナリオはボイスも含めて原作とほとんど変わっていないのですが、それでも非常に面白いです。
タイムマシンを開発してしまった大学生「岡部倫太郎」がそれをきっかけに起こる事件に巻き込まれていくシナリオは伏線回収まで含めて圧巻の内容です。
ただこの部分は本作独自のフルアニメーションの魅力ではないため、今回は詳しくは語りません。
原作のゲームがアニメを見る感覚で楽しめる!
本作ならではの魅力はフルアニメーションで原作を楽しめるという点にあります。
原作はいわばノベルゲーになりますので、基本的に背景と立ち絵で展開され、見せ場となるシーンで個別のCG(絵)が映し出される形式で進んでいきます。
いわば紙芝居なんです。
正直、ノベルゲーに触れたことない人にとってこのハードル大きいものですよね。
例えばシュタインズ・ゲートをアニメから見て原作も興味はあるが、ノベルゲーにはちょっと抵抗があるという人もいるかもしれません。
その点、本作はすべてのシーンがフルアニメーションの映像で描かれており、読むというよりか見るものになっています。作画も安定していて、一言でいうと非常に分かりやすいです。
これならノベルゲーに抵抗がある人でも安心してプレイすることができますね。
新たにシュタインズ・ゲートに入る人が入りやすい入り口を作れたことは本作の非常に大きい功績だったと思います。
個別ルートやエンディングなどアニメでは描かれなかったシーンが見れる
当たり前のことにはなりますが、ゲームがアニメ化される際、尺都合でカットされるシーンは多々あります。シュタインズゲートにおいてもそれは当てはまることです。
一番わかりやすいものでいえば、原作はノベル形式のアドベンチャーゲームなのでルート分岐やエンディングがあります。
ゲームをやることでそういったアニメでは描かれなかった原作のオリジナルシーンを体験することができます。
個別ルートやエンディングがアニメで描かれるのはファンとしては非常に嬉しいところですよね。
『STEINS;GATE ELITE』の気になったところ
原作と比べてゲーム性が変わっている
気になった点はゲームデザイン状の変化があります。
本作は携帯電話の操作(電話に出る・メールを送る)などによって物語が分岐していくシステムになっているのですが、原作では自由にできたその操作が特定地点のみでしかできなくなっています。
ノベル形式のADVにおいてゲーム性をさらに縮めてしまっている点は少し残念な部分です。
CGがないこと
筆者はかなりノベルゲーを遊んできた人間なのですが、ちょっと残念に感じるポイントがあります。
それはCGがないことです。
原作も含めて従来のノベルゲーでは基本、背景と立ち絵で画面が構成されます。重要なシーンで特別絵やCGイラストが映し出されることでシナリオの緩急をつけている印象もありました。
実際、お気に入りの作品のCGイラスト集などを後から見返すことで物語を振り返ることもできました。しかし、常時フルアニメーションで進む本作はその緩急が薄くなっていると感じましたし、ノベルゲーならでは強みが消えてしまった印象があります。
フルアニメーションに合わせて作られた作品ではない
本作で一番残念だったのがここです。フルアニメーションに合わせて作られた作品ではないことです。
本作の構造は原作の『シュタインズゲート』から立ち絵部分だけをアニメーションに変更したものになっています。いわばノベルゲーという読む作品にアニメーションという観る要素を無理やりねじ込んだ点は否めません。
シナリオ自体は読むことを想定しているので、セリフ以外の説明は読む文章としてされ、その説明がなされている間、映像はずっと止まっています。
セリフの最中だけ動き(アニメーション)が入り、説明の部分ではまた止まるという行為を繰り返すのですが、フルアニメーションADVとしてはどうしても不完全な印象を抱いてしまいます。
また「フルアニメーションである必要がある?」というシーンも多いです。
例えば室内での日常会話シーンなど、そもそもの動きが必要がないパートではフルアニメーションとはいえ動きがないシーンも多いですし、微妙なモーションが入りサクサク読み進めていくこともできずテンポも悪くなっていました。
アドベンチャーゲームのフルアニメーション化というのは個人的に非常に面白い試みだと思います。
しかしながら、フルアニメーションに合わせて作られた作品ではないからこその違和感も多々あり、始めからフルアニメーションを想定して作ればもっと魅力的になったかもしれません。
もしかするとコスト面の原因から、原作とアニメが完成していて、ある程度の収益が確定している本作でしかできなかったのかもしれません。作品自体の売り上げを見れば本作は成功と言えますが、結果的にフルアニメーションのADVという試み自体は失敗に終わってしまったとも言えます。
アニメや原作をプレイしていても楽しめる?どんな人にオススメか。
結論から言うと楽しむことはできます。
アニメを試聴済みの方はアニメにはない原作オリジナルのシーンがありますからそれを楽しみにするのみ良いと思います。
フルアニメーションになったことでノベルゲーに抵抗がある人でも入りやすくなりましたね!
- これからシュタインズゲートに入る人
- アニメを試聴済みで原作をプレイしてみた人
- ノベルゲーに抵抗がある人
- フルアニメーションでシュタインズゲートを楽しみたい人
総評:原作とアニメの良いとこ取りをしようとしたが…
いかがだったでしょうか。今回は『STEINS;GATE ELITE』の評価・感想・レビューをお届けしました。
本作はいわば、原作とアニメの良いところどりをした作品ともいえ、フルアニメーションでアニメのような感覚で原作をプレイできる点は間違いなく良いところです。
しかしながらアニメよりテンポが悪くなってしまっていたり、原作ならではの魅力が減ってしまっているなど欠点も多く見られました。
原作やアニメはそれぞれ非常に高い評価を得ている作品で、今なお根強い人気があります。
先ほど良いとこどりをしようとしたという話をしましたが、
本作はいわば、「100点のアニメと100点のゲーム(原作)を組み合わせて85点のミックスを生み出した」ようなイメージの作品です。
本作でも原作の面白さを体験することはできますし、本作ならではの強みも持っています。
しかし、アニメや原作といった多媒体と比べるとどうしても「こちらのほうがオススメ」とまでは言い切れないのが非常に難しいところ。
シュタインズゲートは筆者もとても好きな作品なので、気になったらプレイしてみてほしいことは間違いないです。