【STEINS;GATE ELITE】クリアレビュー・評価|フルアニメで楽しむ名作ADV、その魅力と惜しい点

今回は『STEINS;GATE ELITE』の魅力と、全ルートをクリアして気になったポイントをレビューします。
大きなネタバレは避けているので、これから『STEINS;GATE』に触れたい方や、原作・アニメとの違いが気になっている方はぜひ参考にしてみてください。

この記事はこんな人におすすめ!

✓ 『STEINS;GATE』をフルアニメーションで楽しみたい
✓ アニメでは描かれなかった個別ルートやエンディングも見たい
✓ 原作・アニメ・ELITEのどれから遊ぶか迷っている

『STEINS;GATE』には原作版・ELITE・RE:BOOTと複数のバージョンがあり、初めて触れる場合はどれを選ぶか迷いやすいです。
シリーズ全体のおすすめ順や、ゲーム・アニメの違いについてはこちらでまとめています。

STEINS;GATEシリーズのおすすめ順|ゲーム・アニメはどこから?

現在初めて『STEINS;GATE』をゲームで遊ぶなら、個人的にはグラフィック・演出・ボイスなどが刷新された『STEINS;GATE RE:BOOT』を第一候補におすすめします

『STEINS;GATE RE:BOOT』クリアレビュー・ELITEとの違いはこちら

伏線回収やどんでん返しが楽しめるゲームを探している方は、こちらの記事でもおすすめ作品をまとめています。
→ 伏線回収がすごいゲームおすすめ

目次

はじめに

『STEINS;GATE ELITE』は、2009年に発売された『STEINS;GATE』をフルアニメーションで再構成したアドベンチャーゲームです。原作のシナリオをベースにしつつ、アニメーションを中心とした表現に置き換えることで、ノベルゲームに慣れていない人でも入りやすい作品になっています。

一方で、実際に全ルートをクリアしてみると、フルアニメーションになったからこその魅力がある反面、原作と比べて失われたゲーム性や演出もあると感じました。

『STEINS;GATE』そのものの物語は今なお非常に面白く、本作でもその魅力は十分に味わえます。
ただし、「これから初めてシュタインズ・ゲートに触れるならELITEが一番おすすめか」と聞かれると、少し悩む作品でもあります。

この記事では、『STEINS;GATE ELITE』ならではの魅力や気になったポイントに加えて、原作やアニメをすでに知っている人でも楽しめるのかについても紹介します。

基本情報

スクロールできます
発売日2018年9月20日
ジャンルフルアニADV
開発 / 発売MAGES.
対応ハードPS4 / PS Vita / Nintendo Switch / Steam
価格4,180円(税込・Switch DL版)
クリア時間約30時間(全ルートクリア)

『STEINS;GATE ELITE』の魅力

その1:今なお色褪せない圧巻のシナリオ

本作の魅力はやっぱりそのシナリオの面白さにあります。
実はシナリオはボイスも含めて原作とほとんど変わっていないのですが、それでも非常に面白いです。

タイムマシンを開発してしまった大学生「岡部倫太郎」がそれをきっかけに起こる事件に巻き込まれていくシナリオは伏線回収まで含めて圧巻の内容です

ただこの部分は本作独自のフルアニメーションの魅力ではないため、今回は詳しくは語りません。

その2:原作をフルアニメーションで楽しめる

本作ならではの魅力はフルアニメーションで原作を楽しめるという点にあります。

原作はいわばノベルゲーになりますので、基本的に背景と立ち絵で展開され、見せ場となるシーンで個別のCG(絵)が映し出される形式で進んでいきます。いわば紙芝居なんです。

正直、ノベルゲーに触れたことない人にとってこのハードル大きいものですよね。
例えばシュタインズ・ゲートをアニメから見て原作も興味はあるが、ノベルゲーにはちょっと抵抗があるという人もいるかもしれません。

その点、本作はすべてのシーンがフルアニメーションの映像で描かれており、読むというよりか見るものになっています。作画も安定していて、一言でいうと非常に分かりやすいです。これならノベルゲーに抵抗がある人でも安心してプレイすることができますね。

新たにシュタインズ・ゲートに入る人が入りやすい入り口を作れたことは本作の非常に大きい功績だったと思います。

その3:アニメでは描かれなかった個別ルートも楽しめる

個人的にはフェイリスルート好きなんですよね…

当たり前のことにはなりますが、ゲームがアニメ化される際、尺都合でカットされるシーンは多々あります。シュタインズゲートにおいてもそれは当てはまることです。

一番わかりやすいものでいえば、原作はノベル形式のアドベンチャーゲームなのでルート分岐やエンディングがあります。ゲームをやることでそういったアニメでは描かれなかった原作のオリジナルシーンを体験することができます

個別ルートやエンディングがアニメで描かれるのはファンとしては非常に嬉しいところですよね。

気になったところ・注意点

その1:原作よりゲーム性が薄くなっている

原作では任意のタイミングで開けた携帯が本作では強制的に開かれ、そのタイミングでしか操作できない

気になった点はゲームデザイン状の変化があります。

本作は携帯電話の操作(電話に出る・メールを送る)などによって物語が分岐していくシステムになっているのですが、原作では自由にできたその操作が特定地点のみでしかできなくなっています。

ノベル形式のADVにおいてゲーム性をさらに縮めてしまっている点は少し残念な部分です。

その2:原作のCG演出が失われている

原作のCG。CGを見るだけで物語を振り返ることができた。

筆者はかなりノベルゲーを遊んできた人間なのですが、ちょっと残念に感じるポイントがあります。

それはCGがないことです

原作も含めて従来のノベルゲーでは基本、背景と立ち絵で画面が構成されます。重要なシーンで特別絵やCGイラストが映し出されることでシナリオの緩急をつけている印象もありました。

実際、お気に入りの作品のCGイラスト集などを後から見返すことで物語を振り返ることもできました。しかし、常時フルアニメーションで進む本作はその緩急が薄くなっていると感じましたし、ノベルゲーならでは強みが消えてしまった印象があります。

その3:フルアニメーションとADVの構造が噛み合わない部分も

本作で一番残念だったのがここです。フルアニメーションに合わせて作られた作品ではないことです。

本作の構造は原作の『シュタインズゲート』から立ち絵部分だけをアニメーションに変更したものになっています。いわばノベルゲーという読む作品にアニメーションという観る要素を無理やりねじ込んだ点は否めません。

シナリオ自体は読むことを想定しているので、セリフ以外の説明は読む文章としてされ、その説明がなされている間、映像はずっと止まっています。

セリフの最中だけ動き(アニメーション)が入り、説明の部分ではまた止まるという行為を繰り返すのですが、フルアニメーションADVとしてはどうしても不完全な印象を抱いてしまいます。

ラボ内の絵はすごく多く、動きが少ない

また「フルアニメーションである必要がある?」というシーンも多いです。

例えば室内での日常会話シーンなど、そもそもの動きが必要がないパートではフルアニメーションとはいえ動きがないシーンも多いですし、微妙なモーションが入りサクサク読み進めていくこともできずテンポも悪くなっていました

アドベンチャーゲームのフルアニメーション化というのは個人的に非常に面白い試みだと思います
しかしながら、フルアニメーションに合わせて作られた作品ではないからこその違和感も多々あり、始めからフルアニメーションを想定して作ればもっと魅力的になったかもしれません。

もしかするとコスト面の原因から、原作とアニメが完成していて、ある程度の収益が確定している本作でしかできなかったのかもしれません。作品自体の売り上げを見れば本作は成功と言えますが、結果的にフルアニメーションのADVという試み自体は失敗に終わってしまったとも言えます

アニメ・原作を知っていても楽しめる?

結論から言うと楽しむことはできます

アニメを試聴済みの方はアニメにはない原作オリジナルのシーンがありますからそれを楽しみにするのみ良いと思います。

フルアニメーションになったことでノベルゲーに抵抗がある人でも入りやすくなりましたね!

STEINS;GATE ELITE』はこんな人にオススメ!
  • これからシュタインズゲートに入る人
  • アニメを試聴済みで原作をプレイしてみた人
  • ノベルゲーに抵抗がある人
  • フルアニメーションでシュタインズゲートを楽しみたい人

まとめ

今回は『STEINS;GATE ELITE』のクリアレビューをお届けしました。

本作最大の魅力は、名作として評価され続けている『STEINS;GATE』の物語を、フルアニメーションで楽しめることです。ノベルゲーム特有の立ち絵と背景を中心とした表現に抵抗がある方でも入りやすく、アニメでは描かれなかった個別ルートやエンディングまで映像付きで楽しめる点は、本作ならではの大きな魅力だと思います。

一方で、原作より携帯電話を操作する自由度が下がっていることや、CG演出がなくなったこと、テキストADVの構造とフルアニメーションが噛み合っていない場面など、原作と比べて失われた魅力もあります。個人的には、「100点のアニメと100点の原作ゲームを組み合わせて、85点のミックスを作ったような作品」という印象です。

『STEINS;GATE』の物語そのものの面白さは本作でも十分に味わえますが、すでに原作やアニメを楽しめる環境がある以上、「ELITEが絶対に一番おすすめ」とまでは言い切れません。

それでも、ノベルゲームに抵抗がある方や、原作の個別ルートまでアニメーション付きで楽しみたい方には、非常に面白い選択肢だと思います。

この記事を書いた人
ヤマザキ

ゲームクリエイターとして働きながら、ゲームブログ「LUDENS」を運営。
実際に遊んで面白かったゲームを、ストーリーからゲームシステムまで幅広く紹介しています。

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