4つの画面を同時に操作し、バグに侵された世界を救っていく『DEBUG NEPHEMEE -デバッグネフェミー-』。今回はSteamの体験版をクリアしたので、独特な戦闘システムの魅力と、実際に遊んで気になった点を紹介します。
本作の特徴は、攻撃・防御のパズルを並行してこなす、マルチタスクならではの新鮮なプレイ感覚です。一つひとつの操作を組み合わせた戦闘には、独創的な面白さを感じました。一方、難易度が上がると複数の操作への対応が忙しくなり、自分の場合は特に数字のパズルで手が止まる場面がありました。
複数の画面をさばく楽しさと、その難しさが隣り合わせになっている本作。この記事では、戦闘の仕組みを紹介しながら、同時操作の面白さと、遊びやすさの面で気になった部分を掘り下げていきます。
✓特徴: 4画面に注意を配り、攻撃・防御・パズルを並行してこなすマルチタスク型の戦闘。
✓良かった点: 異なる操作を組み合わせ、複数の画面へ次々に対応していくプレイ感覚が新鮮。
✓気になった点: 数字のパズルを考えながらほかの操作にも対応するため、忙しさが必ずしも爽快感につながらない。
✓向いていそうな人: 複数の課題を同時にさばくことや、操作に慣れて上達する過程を楽しめる人。
はじめに
『DEBUG NEPHEMEE -デバッグネフェミー-』は、Steam向けに発売予定の2Dアドベンチャーゲームです。開発はNephemee Studio、パブリッシャーは東映ゲームズが担当しており、発売日は現在未定。新たにゲーム事業へ参入した東映ゲームズが、初のパブリッシング作品として発表した3タイトルのうちの1本です。
舞台は、「ネフェミー」という生きものたちが暮らす、バグに侵された世界。記憶を失った主人公「コファ」は、自分に残された「ネフェミーを救う」という使命を頼りに旅へ出ます。相手を救う際には、体内に埋め込まれたシステム「DNI」を使って接続し、ハッキングとデバッグを行っていきます。
本作の一番の特徴は、4つの画面を同時に操作する、マルチタスク型の戦闘です。ゲーム開発でも使われる「バグ」や「デバッグ」を、世界観だけでなく戦闘の仕組みにまで取り込んでいます。この題材をどのような遊びにしているのか、気になる作品でした。
『DEBUG NEPHEMEE -デバッグネフェミー-』の魅力
その1:攻撃しながら防御する。4画面を同時に操る戦闘が新鮮

本作で最も印象に残ったのは、4つに分かれた画面で、それぞれ異なる操作を行う戦闘システムです。下の2画面で攻撃の準備と実行を進めながら、上の2画面では相手の攻撃を避けたり、防いだりしていきます。
これだけではイメージしづらいと思うので、まずは各画面で何をするのか、一つずつ見ていきましょう。操作については、今回使用したコントローラーのボタン表記で紹介します。
右下:数字の間違いを見つける「パリティ」

右下で行うのは、0と1を使った数字のパズル「パリティ」です。2×2の4マスに数字が並び、その外側にも、各行・列に対応する0と1が表示されています。
外側の数字が示すのは、その行・列の合計が偶数か奇数かという条件。0なら偶数、1なら奇数になるように、内側の数字をそろえます。 例えば「0と0」「1と1」なら合計は偶数、「0と1」なら奇数です。
内側には1か所だけ間違った数字があるため、方向キーでそのマスを選び、決定ボタンで0と1を反転させます。縦と横、両方の条件を見比べて、直すべきマスを見つける仕組みです。
正しく解くと、左下の画面で移動するためのエネルギーを補充できます。また、被弾した際の回復にもつながるため、攻撃の準備と立て直しを担う画面になっています。
左下:相手の嫌いなものを使って攻撃する「エンバグ」

左下で行うのは、相手の嫌いなものを利用して攻撃する「エンバグ」です。方向キーでマス上の自分のアイコンを動かし、出現するものを取りに行きます。
ただし、何でも取ればいいわけではありません。相手が嫌いなものを選ぶことでダメージを与え、中央に表示された相手の周囲のゲージを削っていきます。 相手の好みを把握することが、攻撃につながっているわけです。
ここで必要になるのが、先ほどのパリティで補充したエネルギー。1マス移動するごとに消費するため、左下だけを操作し続けることはできません。右下でエネルギーをため、左下で相手の嫌いなものを取りに行く、という流れになります。
下の2画面は△ボタンで操作対象を切り替えられます。方向キーと決定ボタンを使いながら、パズルと攻撃を交互に進めていく仕組みです。
左上:Lスティックで相手の攻撃を避ける

下の2画面で攻撃の準備をしている間、相手も黙って待っているわけではありません。上の2画面では、相手からの攻撃への対応が求められます。
左上では、Lスティックで自分のアイコンを動かし、迫ってくる攻撃を避けます。こちらの役割は分かりやすく、相手の攻撃にぶつからないよう、空いている場所へ移動することです。
これだけなら、それほど複雑な操作には感じません。しかし、右下の数字を考えている間にも攻撃は来るため、パズルだけに集中していると被弾してしまいます。
右上:L2・R2でバーを動かし、攻撃を防ぐ

右上も防御を担当する画面ですが、こちらは攻撃を避けるのではなく、受け止める操作です。L2・R2でバーを動かし、飛んでくる攻撃に合わせて防いでいきます。
つまり、左上では攻撃から離れるように動き、右上では攻撃を受け止める位置へ動くことになります。同じ防御でも求められる対応が異なり、それぞれの状況を見ながら操作しなければなりません。
被弾したときには、右下のパリティを解いて回復を図ります。攻撃の準備だけでなく、ダメージを受けた後の立て直しにもパズルが関わってくる構成です。
シンプルな操作が重なることで生まれる、独特のプレイ感覚

整理すると、右下でパズルを解き、左下で攻撃する。その間に、左上で攻撃を避け、右上では攻撃を防ぐ。この4つに並行して対応していくのが、本作の戦闘です。
一つひとつの操作はシンプルでも、それらが重なることで、まったく違う遊びになる。 ここが、本作の新鮮なところでした。パズルの答えを考えながら攻撃の接近を確認し、エネルギーがたまったら左下へ操作を切り替えるなど、状況に応じて注意を向ける先を変えていきます。
単に複数のミニゲームを並べるだけでなく、パズルで得たエネルギーが攻撃につながり、防御で受けたダメージの回復にもパズルが関わる。それぞれの操作がつながっている点にも、工夫を感じました。
一つの画面だけを見ていては進まない、マルチタスクに重点を置いた戦闘。操作を組み合わせることで独自のプレイ感覚を生み出している点は、本作ならではの大きな魅力だと思います。
その2:独特な仕組みを、一つずつ教えてくれるチュートリアル

4画面を使った独特な戦闘へ、段階的に慣れていけるチュートリアルも好印象でした。各画面の役割を一つずつ教わり、実際に操作しながら仕組みを覚えていきます。
まずは右下の「パリティ」でパズルの解き方を学び、続いて左下の「エンバグ」で攻撃方法を確認。パズルでエネルギーをため、それを使って攻撃するという、画面同士のつながりまで順を追って理解できる流れになっています。その後、上の2画面で回避と防御を練習し、4画面を使った戦闘へと進みます。
説明を読むだけでなく、「ここで何をするのか」「その操作が何につながるのか」を自分の手で確かめられるのが良かったところです。一つずつ覚えた操作が組み合わさり、本作ならではの戦闘の全体像が見えてくる。独創的なシステムへの入り口を、丁寧に用意していると感じました。
その3:かわいらしいドット絵と、バグに侵された世界。その先の物語にも期待

本作は、ドット絵で描かれた世界と、個性的な生きもの「ネフェミー」たちのビジュアルも特徴的です。かわいらしい姿のキャラクターが暮らす一方で、その世界では「バグ」が街や家、住人たちをむしばんでいます。親しみやすい見た目に、不穏な設定が重なっているのが印象的でした。
そんな世界で行う「デバッグ」は、ネフェミーたちを苦しめる異変を治し、救い出すための行為です。ゲーム開発の用語である「バグ」と「デバッグ」を、この世界の異変と、それを治す手段として取り入れているところに、本作らしさを感じます。先ほど紹介した戦闘も、相手を救うための過程として物語につながっています。

物語の核となりそうな点としては、主人公・コファの失われた記憶と、「ネフェミーを救う」という使命です。
なぜ世界はバグに侵されているのか。コファは何者なのか。ネフェミーたちを救う旅の中で、世界の異変と主人公自身の謎がどう描かれていくのかは、製品版で注目したいところです。独特な戦闘に加え、かわいらしさと不穏さが同居する世界で、どのような物語が展開するのかにも期待しています。
気になった点・注意点
その1:新鮮なマルチタスク戦闘。ただ、続けて遊ぶと負担も大きい

4画面を同時に操作する戦闘は斬新なのですが、常に注意を配るため、続けて遊ぶとかなり疲れました。特に自分は「パリティ」が苦手で、毎回「0が偶数、1が奇数だったよな?」と確認しているうちに、ほかの操作へ手が回らなくなってしまいます。
追い込まれると、操作対象を右下に合わせ、決定ボタンを連打してしのごうとする場面も。得意不得意も強くあると思いますが、自分の場合、複数の操作をさばく楽しさより、処理に追われる負担が勝つこともありました。
また、個人的には体験版だけでも十分に味わった、もうおなかいっぱいの感覚もあり、この仕組みで長時間遊ぶ際の変化は気になります。ただ、今回は戦闘に重点を置いた内容だった印象です。製品版では、探索や物語とのバランス、戦闘システムの広がりによって、どのように印象が変わるのか注目したいところです。
その2:物語やキャラクターの掘り下げは、製品版に期待

バグに侵された世界や、記憶を失った主人公など、設定には興味を引く要素があります。一方、体験版では物語の描写は比較的あっさりしており、キャラクターの背景や関係性を深く知るところまでは見られませんでした。
見下ろし型のマップを移動し、キャラクターと会話する場面もありますが、今回は戦闘の紹介が中心という印象です。そのため、世界観への興味は持てたものの、「この先を知りたい」という強い引きは、まだ感じられませんでした。
個人的には、集中力を使う戦闘の合間に、探索や会話を楽しめる時間もほしいところ。製品版では、ネフェミーたちとの交流や謎が明かされる過程が、冒険を続けたくなる魅力につながることを期待しています。
購入前のよくある疑問(Q&A)
Q. 対応ハードと発売日は?
A. PC(Steam)向けに発売予定で、発売日は未定です。
現時点で案内されている対応プラットフォームはSteamです。製品版の価格も未定となっており、具体的な発売日とあわせて今後の発表待ちです。
Q. 体験版はある?どんな内容を遊べる?
A. Steamで無料体験版が配信されており、4画面を使った戦闘を体験できます。
チュートリアルで各画面の操作を一つずつ学び、実際の戦闘に挑戦する内容です。探索や会話もありますが、今回はマルチタスク型の戦闘を知ることに重点を置いた構成という印象でした。
操作はコントローラーが推奨されています。複数の操作を並行して行うゲームなので、購入前に体験版で手触りを確かめるのがおすすめです。
Q. アクションやパズルが苦手でも楽しめる?
A. 丁寧なチュートリアルはありますが、複数の操作を同時にこなすことへの得意不得意は出そうです。
一つひとつの操作はシンプルでも、数字のパズルを考えながら攻撃を避けたり、防いだりする必要があります。自分の場合は、パズルで考え込むとほかの操作に手が回らず、苦戦しました。
素早い操作が得意かどうかだけでなく、注意を切り替えながら遊ぶことを楽しめるかがポイントになると思います。
※発売日・価格・対応機種は、2026年9月時点の情報です。
まとめ

『DEBUG NEPHEMEE -デバッグネフェミー-』は、4画面で攻撃・防御・パズルを並行してこなす、独創的な戦闘が印象に残る作品でした。一つひとつはシンプルな操作でも、組み合わせることで新鮮なプレイ感覚が生まれています。段階的に仕組みを教えてくれるチュートリアルも丁寧でした。
一方、自分の場合は数字のパズルに苦戦し、同時操作の忙しさを負担に感じる場面もありました。斬新な仕組みだからこそ、実際に操作したときの相性は分かれそうです。
かわいらしいドット絵と、バグに侵された不穏な世界観にも個性があります。製品版では、探索や物語、戦闘の変化が加わることで、どのように冒険が広がっていくのか注目したいところです。
ひと味違う戦闘システムに興味がある方は、まずSteamの無料体験版を遊んでみてください。 複数の画面を同時に操る感覚は、実際に触れることで本作らしさが伝わると思います。
東映ゲームズの新作体験版もレビュー
『DEBUG NEPHEMEE -デバッグネフェミー-』は、東映ゲームズが初のパブリッシング作品として発表した3タイトルのうちの1本です。LUDENSでは、同時に発表された『KILLA』と『HINO』の体験版もレビューしています。
人形劇風の世界で師匠の死を追う推理ADVが気になる方は『KILLA』体験版レビュー、かわいさと不気味さが同居するアクションADVに興味がある方は『HINO』体験版レビューも、あわせてご覧ください。


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