こんにちは。ヤマザキです。
今回は、実際にプレイして「重い」「暗い」「鬱になる」と感じながらも、それ以上に面白いと思えたゲームを紹介します。
いわゆる「鬱ゲー」と呼ばれる作品の中には、喪失や罪悪感、戦争、死、絶望など、かなり重いテーマを扱うものがあります。ただ、暗いだけでは面白いゲームとは言えません。
そこで今回は、その重さや残酷さがシナリオや世界観、ゲーム体験そのものの魅力につながっている作品を中心に選びました。
なお、本記事では「鬱ゲー」を厳密なジャンルとしてではなく、精神的に重い展開、救いの少ない物語、残酷な世界観、強い余韻を残す作品まで含めて、広く「鬱・ダークなゲーム」として紹介しています。
重大なネタバレはできる限り避けているので、暗く重い物語が好きな方や、それでも最後まで夢中になれるゲームを探している方は、ぜひ参考にしてみてください。
- 鬱・ダークな雰囲気のゲームが好き
- 重くても物語として面白いゲームを遊びたい
- 衝撃的な展開や、プレイ後まで心に残る作品を探している
鬱・ダークで重いおすすめゲーム
ここからは、実際にプレイして「かなり重い……でも面白い」と感じたゲームを紹介していきます。
精神的に追い詰められる物語から、戦争や死を描いた作品、救いの少ない世界を舞台にしたゲームまで、単純な“暗さ”だけではなく、その重さが作品の魅力として成立しているタイトルを厳選しました。
NieR Replicant ver.1.22474487139…

荒廃した世界を旅し、病に苦しむ妹を救うため戦う青年の物語。
美しく儚い世界観の裏に、周回するほど残酷な真実が浮かび上がるアクションRPG。
『NieR Replicant ver.1.22474487139…』は、2021年4月22日にスクウェア・エニックスより発売されたアクションRPG。2010年に発売された『NieR Replicant』をベースに、グラフィックやアクション、演出などを現代向けにアップデートした作品です。主人公は、不治の病「黒文病」に苦しむ妹・ヨナを救うため、人の言葉を話す「白の書」とともに“封印されし言葉”を探す旅へ出ます。
本作の大きな魅力は、荒廃しながらもどこか美しい世界観と、ヨコオタロウ氏らしい陰鬱なシナリオです。滅びゆく世界を歩きながら、仲間たちとの出会いや数々の悲劇を経験していく物語は非常に印象的。アクション自体もシンプルながら爽快感があり、剣や槍による近接攻撃と「白の書」を使った魔法を組み合わせながら戦っていきます。
そして、本作が特に“鬱・ダーク”な作品として語られる理由が、周回することで明かされていく物語の真実にあります。一周目では正しいと思っていた行動も、別の視点や新たな情報を知ることで意味が大きく変化していきます。自分が倒してきた存在や、それまで信じていた世界の見え方まで変わってしまう構成は非常に残酷で、知れば知るほど後戻りできないような感覚を味わわされます。
荒廃した世界、悲劇的なキャラクターたち、そして真実を知った後にそれまでの冒険そのものが違って見える後味の重さまで含めて、本作は「鬱ゲー」という言葉が非常によく似合う作品です。ただ暗いだけではなく、その残酷さが物語の面白さへ直結しているからこそ、今なお強く印象に残る名作だと思います。
こんな人におすすめ: ダークな世界観のRPGが好き/周回で物語の見え方が変わる作品が好き/切なく重いシナリオを楽しみたい
クリア時間: エンディングまで約10時間/全エンディング回収まで約50〜60時間
CHAOS;CHILD

猟奇殺人事件を追うほど、主人公たち自身が逃げ場のない状況へ追い込まれていく。
道中から結末まで容赦がなく、それでも最後には切なさと感動が強く残る名作ADV。
『CHAOS;CHILD』は、2014年12月18日にMAGES.より発売されたアドベンチャーゲーム。『STEINS;GATE』で知られる科学アドベンチャーシリーズの第4作で、舞台は2015年の渋谷。新聞部部長の宮代拓留が、仲間たちとともに街で起きている連続猟奇殺人事件を追うところから物語が始まります。
本作の魅力は、事件の真相へ迫るミステリーとしての面白さと、その過程でプレイヤーを徹底的に追い詰めてくるシナリオです。序盤は事件を追う側だった主人公たちが、次第に事件の中心へと巻き込まれていき、知れば知るほど「この先を知りたくない」と思うような展開が続きます。それでも続きが気になってしまう引きの強さがあり、妄想トリガーや複数の個別ルートを使った構成も含めて、ADVとして非常に完成度の高い作品です。
そして今回のテーマで特に挙げたいのが、物語の道中そのものがかなり鬱で過酷なこと。猟奇的な事件やショッキングな描写だけでなく、主人公やその周囲の人物に次々と重い出来事が降りかかり、精神的にもかなり削られます。さらに物語の最後に明かされる真実も決して優しいものではなく、各ルートを含めて単純なハッピーエンドとは言いづらい結末が多く用意されています。
ただし、その救いの少なさこそが本作の魅力でもあります。狂気的な展開や残酷な真実を乗り越えた先に残る、喪失感や切なさ、そして不思議な優しさは非常に印象的。単にプレイヤーを落ち込ませるだけではなく、最後まで遊んだからこそ得られる感情があるからこそ、『CHAOS;CHILD』は今でも強く心に残る“鬱・ダーク”な名作だと思います。
こんな人におすすめ: 猟奇ミステリーが好き/救いの少ない重いシナリオを楽しみたい/プレイ後まで強く余韻が残るADVを探している
クリア時間: Trueエンドまで約50時間
FINAL FANTASY 零式

戦争の中で戦い続ける若者たちと、その先に待つあまりにも過酷な運命。
“死んだ者を忘れてしまう世界”だからこそ、喪失の重さがより強く胸に残るダークなFFです。
『FINAL FANTASY 零式』は、2011年にスクウェア・エニックスより発売されたアクションRPG。戦争が続く世界「オリエンス」を舞台に、魔導院に所属する「0組」の若者たちが、国家間の争いへ身を投じていく物語が描かれます。多数のキャラクターを切り替えながら戦うアクション性だけでなく、戦争の中で生きる若者たちの青春や絆、そして死を描いた重厚なシナリオが強く印象に残る作品です。
本作で特に特徴的なのが、死者の記憶が生きている者から失われてしまうという世界のルールです。大切な人が命を落としても、残された者はその人物のことを忘れていく。一見すると悲しまずに済む仕組みにも思えますが、プレイヤーからすれば、その人が確かに生きていた記憶まで消えてしまうこと自体が非常に切ない。戦場で多くの命が失われていく中、この独特な“死の捉え方”が作品全体にどこか空虚で寂しい雰囲気を与えています。
さらに物語が進むにつれて戦況は悪化し、0組を取り巻く状況も徐々に追い詰められていきます。詳しくはネタバレになるため避けますが、終盤からエンディングにかけての展開は非常に重く、それまで彼らと過ごしてきた時間があるからこそ強烈な喪失感が残ります。BUMP OF CHICKENの「ゼロ」も物語のテーマと美しく重なり、エンディングの切なさをより忘れがたいものにしています。
戦争や死を描くだけではなく、「死者を忘れることで悲しみから救われることは、本当に救いなのか」と考えさせられる独特な世界観も本作の魅力。青春を過ごす若者たちの姿を丁寧に描くからこそ、その先に待つ過酷な運命がより胸に刺さる、『FINAL FANTASY』シリーズでも特にダークで余韻の強い一本です。
こんな人におすすめ: 戦争をテーマにした重厚なRPGが好き/切ない世界観やキャラクターの物語を重視する/強烈な余韻を残すエンディングが好き
クリア時間: 約30〜40時間
STEINS;GATE 0

牧瀬紅莉栖を救えなかった世界線で、挫折した岡部がもう一度立ち上がるまでを描く物語。
最初から最後まで重く暗い。それでも、その苦悩を乗り越えた先にある熱さが忘れられない名作ADV。
『STEINS;GATE 0』は、2015年12月10日にMAGES.より発売されたアドベンチャーゲーム。『STEINS;GATE』本編から分岐し、岡部倫太郎が牧瀬紅莉栖を救うことを諦めてしまった世界線を描く、スピンオフ的な立ち位置の作品です。本編の重大な展開を前提として始まるため、基本的には『STEINS;GATE』を先にプレイすることを強くおすすめします。
物語は、紅莉栖を救えなかった後悔を抱え、かつての「鳳凰院凶真」として振る舞うこともできなくなった岡部の前に、牧瀬紅莉栖の記憶を持つ人工知能「アマデウス」が現れるところから大きく動き始めます。失ったはずの紅莉栖と再び会話できるような状況に戸惑いながらも、岡部はアマデウスと関わる中で、新たな陰謀や世界線を巡る出来事へ巻き込まれていきます。
今回、あえて本編ではなく『0』を選んだ理由は、作品全体を覆う喪失感と陰鬱さがより強いからです。本作の岡部は、すでに一度完全に折れてしまった状態から始まり、精神的にもかなり追い詰められています。賑やかなラボが描かれていても、そこには常に「紅莉栖がいない」という大きな空白があり、物語全体に重苦しい雰囲気が漂っています。
そんな本作で特に魅力的なのが、苦悩する岡部と、それを支えるラボメンたちの姿です。本編では岡部を中心に描かれていた物語が、『0』では仲間たちの視点までより深く掘り下げられ、それぞれが何を思い、どう岡部を支えようとしていたのかが丁寧に描かれます。複数のルートで積み重ねられた出来事が、最終的に一つの目的へ収束していく構成も印象的です。
“鬱・ダーク”という意味では、救えなかった後悔と喪失を抱えた主人公を長い時間見届けることになる作品です。ただし、本作の魅力は暗さそのものではありません。重く苦しい時間を積み重ねたからこそ、岡部が仲間たちに支えられながらもう一度前を向き、シュタインズ・ゲートを目指そうとする瞬間に強烈な感動があります。本編が未来を変える物語なら、『0』はそこへ辿り着くために、一度折れた人間が立ち直る物語。だからこそ、今回はこちらを選びました。
こんな人におすすめ: 『STEINS;GATE』本編をクリア済み/喪失や挫折からの再起を描く物語が好き/暗いシナリオの先にある熱い展開を味わいたい
クリア時間: 全ルートクリアまで約35時間
テイルズ オブ ジ アビス

未熟でわがままだった少年が、自分の罪と存在する意味に向き合いながら成長していく。
仲間との関係、過酷な真実、そして最後に待つ結末まで、今なお強烈な余韻を残す名作RPG。
『テイルズ オブ ジ アビス』は、2005年12月15日に発売された『テイルズ オブ』シリーズのRPG作品。主人公・ルークは、幼い頃に誘拐された影響で記憶を失い、屋敷に軟禁されながら育った公爵家の一人息子です。ある日、少女・ティアとの出会いをきっかけに外の世界へ放り出され、旅の中で自分の出生や世界に隠された真実へと迫っていきます。
本作の魅力は、何より主人公・ルークの成長と、仲間たちとの関係性の変化にあります。序盤のルークは世間知らずで自己中心的、仲間たちもそれぞれ別の思惑を抱えており、パーティとしてのまとまりはほとんどありません。しかし、数々の失敗や喪失、過酷な出来事を経験する中で、ルークは少しずつ自分自身と向き合い、仲間たちも彼を一人の人間として認めていきます。最初は距離のあった仲間たちが、やがてルークに強い思いを寄せるようになっていく過程は、本作でも特に印象的です。
そして“鬱・ダーク”という意味では、物語の中盤以降に続く過酷な展開と、ルーク自身に突きつけられる真実がかなり重い。自分が何者なのか、なぜ生まれたのか、何のために生きるのかという問いに真正面から向き合うことになり、世界の命運だけでなく、自分自身の存在そのものを背負って進んでいくことになります。物語が進むほど状況は厳しくなり、最後に待つ結末も含めて、決して軽い気持ちで終われる作品ではありません。
ただ、その重さがあるからこそ、仲間たちとの絆やルークの成長がより強く胸に残ります。BUMP OF CHICKENの主題歌「カルマ」も、クリア後に改めて聴くと作品そのものを表しているように感じられる一曲。罪、存在意義、そして自分の生き方を問う物語として、シリーズの中でも特にダークで心に残る一本だと思います。
こんな人におすすめ: 主人公の成長を丁寧に描くRPGが好き/重くシリアスなシナリオを楽しみたい/仲間との関係性が変化していく物語が好き
クリア時間: 約40〜50時間
マブラヴ オルタネイティヴ

絶望的な戦争の中で、何度心を折られても再び立ち上がる。
鬱展開の激しさと、その先にある希望を描き切った歴史的なSFアドベンチャー。
『マブラヴ オルタネイティヴ』は、2006年に発売されたテキストアドベンチャーゲーム。前作『マブラヴ』から続く物語の完結編で、地球外生命体「BETA」によって人類が滅亡寸前まで追い込まれた世界を舞台に、主人公・白銀武が再び人類を救うため戦いへ身を投じます。前作とのつながりが非常に強いため、基本的には『マブラヴ』からのプレイがおすすめです。
本作最大の魅力は、プレイヤーの心まで折りにくるような壮絶な展開と、徹底的に描かれる戦争の恐ろしさ。BETAとの戦いでは、人類が物量でも戦力でも圧倒され、仲間たちが次々と命を落としていきます。戦況や部隊の動きまで細かく描かれるため、単なるSF設定ではなく、本当に絶望的な戦場へ放り込まれたような感覚があります。
そして“鬱ゲー”として語るなら、やはりまりもちゃんの場面をはじめとした、主人公の心を容赦なくへし折る展開は外せません。ようやく立ち直ったと思った矢先にさらに大きな絶望を突きつけられ、「もうやめてやってくれ」と思うほど武が追い詰められていく。進撃の巨人の元ネタともいわれるプレイヤー自身まで精神的に削られていくような感覚は、本作ならではの強烈さです。
それでも本作が名作として語り継がれているのは、絶望を描くだけで終わらず、その先で、それでも希望を求めて立ち上がる人間の姿を描いているから。前作から積み重ねた日常や仲間との関係があるからこそ、失う痛みも、最後まで戦い抜く姿も強烈に胸へ残ります。鬱展開の激しさと、そこを乗り越えた先の感動が両立している作品です。
こんな人におすすめ: 絶望的なSF戦争ものが好き/重く容赦のないシナリオを楽しみたい/強烈な感動を味わいたい
クリア時間: 約40時間
ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生

昨日まで一緒に過ごしていた仲間が、次の日には被害者か犯人になるかもしれない。
デスゲームの絶望と、事件の真相を暴く推理の面白さを融合させた名作ADV。
『ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生』は、2010年11月25日にスパイク・チュンソフトより発売された推理アドベンチャーゲーム。超高校級の才能を持つ生徒たちが集まる「希望ヶ峰学園」に入学した苗木誠は、15人の生徒とともに校内へ閉じ込められてしまいます。脱出する方法は、誰にもバレずに仲間を殺し、その後の学級裁判を切り抜けること。殺人事件の証拠を集め、議論の矛盾を突きながら犯人を暴いていきます。
本作の“鬱・ダーク”さは、何より仲間同士で殺し合わなければならないデスゲームそのものにあります。個性的なキャラクターたちと交流し、少しずつ愛着が湧いてきたところで事件が発生。誰が被害者になるか分からず、さらに犯人を突き止めれば、その人物には狂気的な「おしおき」が待っています。疑心暗鬼と喪失を何度も繰り返す展開はかなり重めです。
それでも面白いのは、その絶望が「次は誰が死ぬのか」「なぜこんなことをさせられているのか」「黒幕は誰なのか」という強烈な緊張感につながっているから。学級裁判で事件を一つずつ解き明かしながら、デスゲームそのものの真相へ迫っていく展開は止め時を失うほど引き込まれます。ポップなビジュアルとは裏腹に、かなり容赦のない“絶望”を描いた作品です。
こんな人におすすめ: デスゲームものが好き/推理とダークなシナリオを同時に楽しみたい/先の読めない展開が好き
クリア時間: 約20時間
シリーズ各作品のレビュー
→ ダンガンロンパ1
→ スーパーダンガンロンパ2
→ ニューダンガンロンパV3
NieR:Automata

美しい廃墟を駆け抜けるスタイリッシュなアクションの裏で、世界の真実が少しずつ崩れていく。
今なお高い人気を誇り、“鬱ゲー”の代表作としても語られる名作アクションRPGです。
『NieR:Automata』は、遠い未来の荒廃した地球を舞台にしたアクションRPG。人類に代わって戦うアンドロイドたちが、地球を支配する機械生命体との戦いに身を投じていきます。プラチナゲームズが手掛けるスタイリッシュなアクションと、廃墟や機械文明を描いた独特のビジュアル、印象的な音楽など、ゲームとしての完成度も非常に高く、シリーズを代表する作品として現在まで広く知られています。
一方で、“鬱・ダーク”な作品として強く印象に残るのは、物語が進むにつれて明かされていく世界の真実。最初は人類のために戦うという明確な目的があるように見えますが、中盤以降、その前提そのものが崩れ始めます。登場人物たちが信じてきたものが次々と失われ、プレイヤー自身も「何のために戦ってきたのか」と考えさせられる展開が続きます。
さらに後半では喪失や絶望が重なり、救いの少ない状況へ容赦なく追い込まれていくのも本作の特徴です。ただ暗いだけではなく、その絶望の中で「生きる意味」や「存在する理由」を問い続けるからこそ、物語に強い余韻が残ります。
こんな人におすすめ: スタイリッシュなアクションが好き/退廃的なSF世界観が好き/世界の真実が崩れていく重い物語を楽しみたい
クリア時間: 約20〜30時間
テイルズ オブ エクシリア2

“あり得たかもしれない幸せ”を、自分の手で消していかなければならない。
重い選択を積み重ねた先に待つ結末まで、シリーズ屈指の陰鬱さを持つRPG。
『テイルズ オブ エクシリア2』は、前作『テイルズ オブ エクシリア』から1年後を描く続編RPG。主人公・ルドガーは、ある事件をきっかけに莫大な借金を背負い、少女エルとともに世界の命運を巡る戦いへ巻き込まれていきます。前作のキャラクターたちも多数登場するため、基本的には『エクシリア』をプレイしてから遊ぶのがおすすめです。
本作を特に重くしているのが、正史世界から分岐した「分子世界」を破壊していくという設定。そこには、本来なら失われていたはずの命や、誰かが幸せに暮らしている未来も存在します。しかし正史世界を守るためには、それらを消さなければならない。正しいことをしているはずなのに、プレイヤーには後味の悪さが残り続けます。
さらに物語の随所で選択肢が発生し、後半になるほど「どちらも選びたくない」と思うような決断まで突きつけられます。ルドガーやエルを取り巻く状況も次第に過酷になり、最後に迫られる選択とその結末は、シリーズの中でも特に忘れがたいものです。
ただ、その陰鬱さがあるからこそ、ルドガーとエルの関係や、前作から続く仲間たちとの絆が強く胸に残ります。プレイヤー自身に選ばせることで、悲劇をただ眺めるのではなく、その決断を背負わせてくるのが『エクシリア2』ならではの魅力。重く切ない物語が好きなら、ぜひ触れてほしい一本です。
こんな人におすすめ: 重い選択を迫られるRPGが好き/切なく陰鬱なシナリオを楽しみたい/キャラクター同士の絆を重視する
クリア時間: 約35〜45時間
飢えた子羊

飢饉と戦乱に荒れた明朝末期を舞台に、人が生きるだけでも残酷な世界を描く。
徹底して過酷な世界観と、その中で生きる人々の選択が胸に残るダークなビジュアルノベル。
『飢えた子羊』は、2024年に発売された中国発のビジュアルノベル。舞台は飢饉と内乱が続く明朝末期。盗賊として生きる青年・梁は、ある依頼をきっかけに4人の少女たちを連れて旅をすることになります。その中には、言葉を話さない謎めいた少女「クチナシ」もおり、旅を続ける中で少女たちの秘密や過去、そして世界に隠された真実へ迫っていきます。
本作で特に印象的なのが、どこまでも容赦なく描かれる過酷な世界です。飢饉、戦乱、人身売買、復讐など、登場人物たちは常に極限の状況に置かれ、時には人間の醜さまで真正面から描かれます。直接的なグロ描写以上に、テキストや心理描写でじわじわと追い詰めてくるタイプの重さがあります。
ただし、単に暗いだけではありません。そんな世界の中で人は何を選び、誰を信じ、どう生きるのかが丁寧に描かれているからこそ物語に引き込まれます。分岐やBad Endを通して少しずつ真実へ近づいていく構成も相まって、過酷さそのものが作品の魅力につながっている一本です。
こんな人におすすめ: 過酷な歴史世界を描く物語が好き/重く救いの少ないシナリオを楽しみたい/人間ドラマを重視する
クリア時間: 約10時間
ドキドキ文芸部プラス!

美少女たちとの穏やかな文芸部生活が、少しずつ取り返しのつかない狂気へ変わっていく。
精神的な重さとメタ的な恐怖を融合させた、サイコホラーの代表的な一本です。
『ドキドキ文芸部プラス!』は、一見すると美少女たちとの学園生活を描いた恋愛アドベンチャー。主人公は幼馴染のサヨリに誘われ、モニカ、ナツキ、ユリが所属する文芸部へ入部します。詩を書いて見せ合ったり、部員たちと交流したりと、序盤は非常に穏やかな日常が続きます。
しかし物語が進むにつれて、その平和な日常が徐々に歪み始めるのが本作の特徴。登場人物たちの精神的な問題や危うさが次第に表面化し、それまでの明るい雰囲気との落差もあって、かなり重くショッキングな展開へ進んでいきます。
さらに特徴的なのが、物語の狂気がゲームの世界だけに収まらず、プレイヤーが触れている“ゲームそのもの”へ侵食してくるようなメタ演出です。画面やシステムまで含めて「何かがおかしい」と感じさせる仕掛けが非常によくできており、先の読めない不安と恐怖を強く味わえます。
“鬱・ダーク”という意味でも、精神的に追い詰められていく人物たちを描きながら、当たり前だった日常が壊れていく感覚そのものをプレイヤーに体験させる作品。ネタバレを知らない状態でこそ最大限楽しめるので、気になる人ほど事前情報を入れずに遊んでほしい一本です。
こんな人におすすめ: サイコホラーが好き/日常が徐々に壊れていく物語が好き/メタ的な仕掛けのあるゲームを体験したい
クリア時間: 約5〜8時間
OMORI

過去に犯した罪は消えない。それでも、その罪とどう向き合い、これからを生きるのか。
鬱や死、後悔、トラウマを真正面から描きながら、その先にある決断まで描き切った名作。
『OMORI』は、OMOCATが開発した2D見下ろし型のRPG。プレイヤーは主人公・オモリを操作し、ケル、オーブリー、ヒロたちとともに不思議な夢の世界を冒険していきます。幻想的で可愛らしいビジュアルや、感情を利用して戦う独特なバトルシステムが特徴ですが、その裏では現実世界と夢の世界を行き来しながら、主人公が抱える過去やトラウマへと少しずつ迫っていきます。
本作の“鬱”は、単に悲しい出来事が起きるというものではありません。中心にあるのは、取り返すことのできない過去と、抱えきれないほど大きな罪悪感です。大切なものを失った悲しみだけでなく、「自分がしてしまったことは決して消えない」という事実が主人公を長い間苦しめ続けます。その苦しさはホラー演出や夢の世界、失われた記憶を取り戻していくゲーム体験そのものを通して描かれていきます。
そして物語によっては、登場人物たちが自ら命を絶つほど追い詰められる結末も存在します。それほどまでに重いテーマを扱いながら、本作がただ絶望的なだけで終わらないのは、罪を消すことではなく、それを抱えたままどう生きていくのかまで描いているからです。
過去は変えられないし、完全に元通りになることもない。それでも逃げ続けるのではなく、自分のしたことを受け止め、前へ進むことを選べるのか。鬱や死を扱う作品は数多くありますが、その苦しみをここまでプレイヤー自身に体験させ、その先にある決断まで描いた作品はそう多くありません。個人的にも、今回紹介する中で特に心に残っている一本です。
こんな人におすすめ: 後悔やトラウマを描く重い物語が好き/ゲームならではのストーリーテリングを体験したい/プレイ後も長く心に残る作品を探している
クリア時間: 約20〜25時間
まとめ

今回は、鬱・ダークな展開を持ちながら、それ以上に「面白い」と感じたゲームを紹介しました。
一口に鬱ゲーといっても、その重さは作品によってかなり違います。『NieR Replicant』のように真実を知ることで世界の見え方が変わる作品もあれば、『マブラヴ オルタネイティヴ』のように絶望的な状況へ徹底的に追い込んでくる作品、『ドキドキ文芸部プラス!』のように日常が狂気へ侵食されていく作品もあります。
ただ、今回選んだ作品に共通しているのは、単純に暗いだけではなく、その重さや残酷さが物語やゲーム体験そのものの魅力につながっていることです。
中でも『OMORI』のように、後悔や罪、トラウマといった簡単には消せないものを抱えながら、それでもその先をどう生きていくのかまで描く作品は、プレイ後も長く心に残ります。
明るく爽快なゲームとは違い、遊んでいて苦しくなったり、しばらく引きずってしまったりする作品も少なくありません。ですが、だからこそ得られる感情や、忘れられないゲーム体験があるのも鬱・ダークなゲームの魅力だと思います。
重くても面白い物語を探している方は、気になった作品からぜひ遊んでみてください。













