こんにちは。ヤマザキです。
今回は、『ファイナルファンタジーI(ピクセルリマスター)』の評価・感想・レビューになります。
この記事では本作の良いところや気になったところなど、率直なレビューをお届けします。
気になる方は購入の参考にしてみてください。
- 伝説のRPGシリーズの「原点」を、現代の快適な環境で体験したい方
- 短時間で濃密な冒険を楽しめる、古き良きRPGを求めている方
- ピクセルリマスターによる美しいグラフィックとアレンジ楽曲を堪能したい方
はじめに
『ファイナルファンタジー(初代)』は、1987年12月18日に日本のスクウェアから発売されたファミリーコンピュータ用RPGであり、言わずと知れた金字塔的シリーズの第1作目です。今回レビューするのは、その原点を鮮やかにリマスタリングし、2021年7月29日に発売された「ピクセルリマスター版」となります。
ゲーム内容としては、4人の「光の戦士」となったプレイヤーが、失われたクリスタルの輝きを取り戻すために世界を巡るというものです。
サイドビューのターン制バトルやジョブシステムといった、後のシリーズの基礎となる要素が既にこの時点で完成されています。
実際に最後までプレイしましたが、結論から言えば、
「RPGの面白さを最小単位まで削ぎ落としたような、純粋で美しい傑作。現代のゲームのような親切さはないが、だからこそ簡素ながらもわかりやすい魅力があると感じた作品」でした。
なお、今回のピクセルリマスター版は、ただ画質が美しくなっただけではありません。UIが刷新されて明らかに画面が見やすくなっているほか、オートバトルや獲得資金アップなど、当時のシビアなバランスを補完してくれるシステム面のサポートが非常に充実しており、格段に遊びやすくなっていました。今回は、そうしたリマスターならではの良さについても語っていきます。
今回は、そんな本作の魅力と、プレイして感じた正直な不満点について詳しく見ていきます。
『ファイナルファンタジーI』の魅力
ここからは本作の魅力について、」見ていきましょう
その1:王道にして壮大。色褪せない「光の戦士」の物語

物語は当時のファミコン容量の都合もあり、テキスト量自体は非常に簡素です。しかし、だからこそ「プレイヤー自身が想像を膨らませる余地」があり、非常にわかりやすい王道の魅力を持っています。
面白いのは、ゲーム序盤の流れです。
RPGで「さらわれたお姫様を救う」というのは最大のクライマックスになりがちですが、本作ではなんと序盤のチュートリアル的な立ち位置でセーラ姫を救出することになります。

そして姫を救い出し、修復されたコーネリアの橋を渡るその瞬間、有名な「オープニング演出」が流れ出します。
ここでテンションが上がるのが、橋を渡る絶妙なタイミングでタイトルロゴとテキストが流れることです。
当時は「ゲームを起動したらすぐにタイトル画面がある」のが当たり前の時代。そんな中、最初の事件を解決して旅立ちの準備が整ったところでタイトルがバーンと出る演出が、当時のプレイヤーをどれほど驚かせたかは想像に難くありません。
今プレイしても間違いなくワクワクさせられますし、こういったオープニングの入り方が現代のゲームでもよく使われる手法であることを鑑みると、当時のこの挑戦がいかに画期的だったかがわかります。この「ここから本当の冒険が始まるんだ!」という高揚感の作り方は、シリーズの原点にしてすでに完成されていたのだと感じました。
シンプルに見えて、実は「SFミステリー」な奥深さ

また、簡素に見えるストーリーですが、終盤には驚きの展開が待っています。
4つのクリスタルの輝きを取り戻した戦士たちが最後に対峙する「ボスの正体」と、時を巡るタイムループ物語の着地点。ネタバレになるため詳細は伏せますが、SF的な仕掛けが非常に強く、初代にしてここまで考えられていたのかと驚かされました。
王道のファンタジーとして始まり、最後に壮大な時間の因果を断ち切る物語。今の時代に遊んでも「そんなに深い設定だったのか!」と驚かされる、非常に引きの強いシナリオになっていました。
その2:自由度の高いパーティ編成とジョブシステム

本作の代名詞とも言えるのが、この「ジョブシステム」でしょう。
本作ではゲーム開始時に、4人のメンバーそれぞれのジョブを決定することになります。選べるジョブは以下の6種類です。
- 戦士
- シーフ
- モンク
- 赤魔術士
- 白魔術士
- 黒魔術士
ジョブによって装備できる武器や覚えられる魔法が異なるのですが、面白いのはその「編成の自由度」です。
戦士、シーフ、白魔術士、黒魔術士といったバランスの良い王道パーティを組むのはもちろん、「4人全員戦士」や「全員モンク」といった極端な編成にすることも可能です。プレイヤーの数だけ攻略のアプローチがあり、このカスタム性の高さは今遊んでも非常に魅力的で、今の時代に遊んでも普遍的な面白さがあると感じました。
中盤の熱い展開「クラスチェンジ」

さらに物語を中盤以降まで進めると、キャラクターたちが「クラスチェンジ」を果たすイベントが発生します。
これは後のシリーズのように任意のジョブに転職するわけではなく、初期に選んだジョブの「上位クラス」へとアップグレードするという仕組みです。見た目が立派になるだけでなく、ステータスが大幅に強化されたり、物理職が一部の魔法を使えるようになったりと、成長の喜びをダイレクトに味わえます。この強化の仕組みも、非常にワクワクさせられるポイントでした。
プレイする際の注意点
ただ一つ注意点として、本作は最初に選んだジョブをゲームクリアまで変更することができません。
尖った編成はロマンがありますが、道中の攻略がかなり厳しくなる場面もあるため、初回プレイでは回復役の白魔術士などを入れた無難なバランスの良い編成で挑むことをおすすめします。
その3;シンプルながら戦略的な戦闘と、奥深い魔法システム

戦闘システムは、非常にオーソドックスなターン制のコマンドバトルです。
毎ターン、パーティ全員のコマンドを先に入力し、ステータス(素早さなど)に応じた順番で行動が開始されます。システム自体はシンプルですが、「誰から狙うか」「誰を回復するか」といったコマンドをしっかり考えて戦う楽しさは、初代の時点で既に確立されていました。
取捨選択が悩ましい「魔法システム」

特に素晴らしいのが魔法のシステムです。
本作の魔法は、レベル1からレベル8までの「ランク」ごとに管理されています。
各ランクにはそれぞれ4種類の魔法が存在するのですが、1つのランクにつき覚えられる魔法は「3つまで」という制限があります。街の魔法屋でお金を払って魔法を購入してセットするため、「どの魔法を選んで覚えさせるか」というカスタム性が高いのです。
黒魔法・白魔法それぞれに攻撃、補助、回復と多彩な種類が用意されており、パーティ編成に合わせて「何をセットするか」を考えるのが楽しい部分でした。
回数制による「リソース管理」の戦略性

さらに特徴的なのが、魔法の使用回数です。
後のシリーズのような「MPを消費する」形式ではなく、「ランクごとに使える回数が決まっている」という仕様になっています。
この限られた回数の中で、どのタイミングで魔法を使うのか。道中のザコ敵に撃つか、それとも奥にいるボスまで温存するのか……。このリソース管理の戦略性も、バトルの面白さを引き立てていました。
その4:シビアなリソース管理と、現代向けの「ブースト機能」

本作のゲームサイクルは、全体的にかなりシビアに作られています。
道中でHPや回数制の魔法を全回復するには基本的に「宿屋」に泊まるしかなく、さらに魔法や装備品を買うための「お金」も特に序盤はカツカツになりがちです。
そのため、「こまめにレベルを上げ、お金を稼いでアイテムや装備を整え、少しずつ探索範囲を広げていく」というプレイングが求められます。
しかし、このシビアな管理があるからこそ、少しずつ強くなっていく普遍的なRPGの魅力が味わえたと思います。特に本作のラスボスはとんでもなく強いので、コツコツと育成を重ね、持てるリソースを全て注ぎ込んでやっと倒せた時の「快感」は素晴らしいものがありました。
遊びやすさを劇的に変える「ブースト機能」

「そんなシビアなゲーム、今の時代に遊ぶのはちょっとキツいかも……」と思った方も安心してください。今回のピクセルリマスター版には、非常に優秀な「ブースト機能」が搭載されています。
- 獲得経験値・ギル(お金)の倍率変更(0.5倍〜4倍)
- エンカウント(敵との遭遇)のON/OFF
これらの機能により、「お金稼ぎの作業だけサクッと終わらせたい」「ダンジョンの謎解き中は敵と戦いたくない」といったプレイスタイルが可能になっています。難易度の緩和や、煩わしい部分だけをスキップできるアクセシビリティの高さは本当に素晴らしく、現代のプレイヤーでもストレスなく名作を楽しめる最高の配慮だと感じました。
その5:原曲とアレンジを切り替え可能!至高のBGM

FFシリーズといえば、やはり音楽の素晴らしさは欠かせません。
シリーズの音楽の生みの親である植松伸夫氏が手掛けた名曲の数々は、初代の時点ですでに完成されており、メインテーマや戦闘BGMなど、今聴いても色褪せない魅力があります。
そして今回のピクセルリマスター版では、すべてのBGMが現代向けに美しくアレンジされて収録されています。原曲の良さをしっかりとリスペクトしつつ、より壮大でリッチなサウンドへと進化しているのが本当に素晴らしいです。
「原曲」と「アレンジ」の聴き比べもできる

さらに嬉しいのが、コンフィグ画面からBGMを「アレンジ版」と「オリジナル版(当時のファミコン音源)」にいつでも切り替えられるという点です。
実際に切り替えてプレイしてみると、「音源が変わるだけで、ゲームの印象ってこんなに変わるんだ!」という驚きがあります。昔を懐かしみながらオリジナル音源で進めるも良し、豪華なアレンジ音源で新しいFF1を堪能するも良し。この切り替え機能は、ファンにとって非常に嬉しい配慮でした。
その6:現代の環境に合わせた「リマスターの質の高さ」

ここまで色々と語ってきましたが、プレイして率直に思ったのが「1987年のゲームにしては、信じられないくらい遊びやすい!」ということでした。
そしてそれは、遊びやすさに関して、ひとえに今回の「ピクセルリマスター版の質が極めて高く、現代に合わせたブラッシュアップがなされたから」に他なりません。
美しく蘇ったグラフィックとUIの刷新

まず、ピクセルアート(ドット絵)のグラフィックが非常に美しく描き直されています。当時の雰囲気を壊さずに、現代のモニターで見ても綺麗だと感じる絶妙なバランスでリファインされています。
また、UIが完全に刷新されているのも大きいです。文字が読みやすくなっているのはもちろん、システム面の細かな注意書きが表示されたり、前述したブースト機能やコンフィグが充実していたりと、現代のプレイヤーがストレスを感じないよう徹底的に最適化されています。
古き良きゲームの「核」となる面白さはそのままに、ガワやシステム面を現代基準へと丁寧に引き上げてくれた点はとても高く評価したいです。
本作はピクセルリマスターによって劇的に遊びやすくなっていますが、根本的なゲームバランスは当時のままです。そのため、現代の感覚でプレイすると戸惑う部分もいくつかありました。
気になったところ・不満点
その1:初見殺し! シビアすぎる「状態異常(特に毒)」

本作をプレイして一番衝撃を受けたのが、状態異常の仕様のシビアさです。
特に「毒」の厄介さは、現代のRPGの比ではありません。
今のゲームであれば、毒状態になっても戦闘が終われば治ったり、宿屋に泊まれば回復したりするのが一般的です。しかし本作の毒は、「専用のアイテム(どくけし)や魔法を使わない限り、絶対に治らない」のです。自然治癒はもちろん、なんと宿屋に泊まっても毒状態のまま朝を迎えます。

しかも、毒状態のままフィールドやダンジョンを歩くと、一歩ごとにゴリゴリとHPが削られていきます。また、割と序盤のダンジョンで、毒を浴びせてくる敵がかなり高頻度で出てくる場所があるため、あまり毒について理解していなかったため、とても苦労しました。
他にも、毒と同じく戦闘終了後も治らない「石化」など、状態異常を治すアイテムの常備は必須です。この「アイテムがないと詰む」という初見殺しなバランスは、当時のファミコンゲームの洗礼を浴びせられた気分でした。
その2:あくまで「1987年のゲーム」であるという前提
ここまで本作の魅力をたくさん語ってきましたが、一つ注意しておきたいのは、「現代の最新RPGと比べて、こちらを優先して選べと言っているわけではない」ということです。
ピクセルリマスターによって圧倒的に遊びやすくなり、今遊んでも普遍的な面白さがあるのは間違いありません。しかし、ストーリーの演出、キャラクターの掘り下げ、バトルの複雑な駆け引きなどは、当然ながら現代の作品の方が優れています。
本作はあくまで「RPGの歴史的傑作を、現代の環境で快適に体験する」というスタンスで遊ぶゲームです。最新のAAAタイトルのようなリッチなゲーム体験を期待してプレイすると、少し味気なさを感じてしまうかもしれません。当たり前ではありますが、その前提は、購入前に理解しておく必要があると感じました。
まとめ

いかがだったでしょうか。今回は『ファイナルファンタジーI(ピクセルリマスター)』のクリアレビューをお届けしました。
本作は、自由度の高いジョブシステムや戦略的な魔法システム、そしてシビアながらも確かな成長の喜びを感じられる育成サイクルなど、現代の作品にも脈々と受け継がれている「RPGの礎」を肌で体験できる貴重な作品です。
ピクセルリマスター版ならではのUIの刷新やブースト機能のおかげで、当時のシビアな難易度を自分好みに調整しながら、ある程度快適にエンディングまで遊べるようになっている点も本当に素晴らしいと感じました。
- RPGというジャンルの「原点」に触れてみたい方
- 自由なパーティ編成で、自分だけの冒険を楽しみたい方
- 美しいピクセルアートと至高のアレンジBGMに浸りたい方
これらの方にとって、本作は間違いなく有意義な時間を提供してくれるはずです。
あの有名なオープニング演出を含め、今遊んでも色褪せない普遍的な面白さが詰まっていますので、気になった方は、ぜひチェックしてみてください!


