こんにちは。ヤマザキです。
今回は2022年9月29日にスクエア・エニックスより発売された『ヴァルキリーエリュシオン』クリア後の評価・感想・レビューになります。
本作は人気シリーズ「ヴァルキリープロファイル」シリーズの完全新作で期待していた方も多いのではないでしょうか。
結論から言うと、非常にもったいない作品だと感じました。
筆者はヴァルキリープロファイルシリーズはプレイしたことがなかったのですが、本作に関しては「これで良いのか?」と思ってしまいました。
本作における筆者のクリア時間は10時間ほど。エンディングまでのプレイ時間になります。
この記事ではそんな本作の良いところや悪いところを中心に書いていきます。
『ヴァルキリーエリュシオン』の基本情報
タイトル | ヴァルキリーエリュシオン |
ジャンル | アクションRPG |
発売日 | 2022年9月29日 |
発売元 | スクエア・エニックス |
クリア時間 | 10時間程度(エンディングまで) |
採点 | 56点 |
『ヴァルキリーエリュシオン』の評価
本作の評価を一言で表すのであれば、独自の魅力を持っていながらそれを伸ばしきれなかったもったいない作品といえるでしょう。
北欧神話の神々が出てくる荒廃した世界観は独自の魅力が強く、世界を見ているだけでも引き付けられる部分がありますし、それを活かした戦闘システムは非常に面白いです。
しかしながら、深堀がされずボリュームが少ないストーリーと洗練さに欠けるアクション、全体を通したボリューム面など持っている強みを伸ばし切れていない部分は目立ちます。
また筆者はヴァルキリープロファイルシリーズは未プレイですが、シリーズの続編として方向性が違いすぎて、シリーズファンにも受け入れられていない傾向は非常に気になるところです。
そういった部分を踏まえて、ご自身に合うかで購入を考えると良いかもしれませんね。
『ヴァルキリーエリュシオン』の良いところ
北欧神話をベースにした世界観
本作でまず印象に残っているのがその世界観です。
あらすじとして荒廃した終末の世界でオーディンによって創造されたヴァルキリーが世界の救済にあたるというものになっている。筆者はこれまでヴァルキリーエリュシオンシリーズには触れてこなかったのですが、この北欧神話はモチーフにした世界観は本当に独特のものに感じました。
本作は基本的にヴァルキリーがエインフェリアという英霊を借りつつ、物語が進んでいきます。
このエインフェリアの存在感がかなりあります。
それぞれのキャラの個性強く、演じる声優も豪華声優陣ばかり。登場シーンの演出もかなり凝っていて印象に残りやすいです。戦闘中においてもその個性はいかんなく発揮されていて、本作の魅力を語るうえでなくてはならない要素になっているでしょう。
エインフェリアの力を借りて戦う爽快感溢れるアクション
本作のアクションは基本オーソドックスなものになっているがかなり爽快感があり面白いです。
独自のシステムで言うとエインフェリアの力を借りて戦う部分になります。
戦闘中R1+▢(右のボタン)でエインフェリアを召喚し、一定時間の間、エインフェリアが一緒に戦ってくれます。その際、召喚したエインフェリアの属性に応じて自身もパワーアップする仕様になっています。それに自身のスキルなども加えて、属性の相性を意識して戦っていきます。
エインフェリアはそれぞれかなりド派手な演出で戦闘を盛り上げてくれるので、ここも個人的には好きな部分です。
エインフェリアを含めてエフェクトがかなりきれいな印象があり、スタイリッシュの戦闘を味わうことができるでしょう。
『ヴァルキリーエリュシオン』の気になったところ
独特の世界観・魅力的なキャラたちは掘り下げがほとんどない
前述した通り、本作はヴァルキリープロファイルという有名シリーズの正統続編、そのため世界観としてはかなり独特で魅力がありました。
ただ全体的なストーリーとしてはすごくあっさりしています。
ストーリーは正直、全体的に描写不足が目立ちます。
エインフェリアも登場シーンは派手で演出も凝っているのですが、その後の掘り下げが少なく、各キャラに愛着がまったくないまま物語が進んでいきます。
ストーリに関しては最初のエンディングまでは10時間程度でクリア可能です。
正直、特に印象に残らなかったです。
かなり独特で魅力的な世界観を持っていて、各キャラも豪華声優陣を使っており、物語を作りこめばそれだけで面白さは格段に上がったと思います。
ここにこだわってくれたら…と思ってしまいます。
戦闘における問題点とバリエーションの少なさ
先ほど、エインフェリアの力を借りて戦う戦闘が面白いというお話をしましたが、戦闘面にも問題は多いです。
そもそもエインフェリア数がすごく少ないです。
物語上解放されるエインフェリアの数は4体で最大4体までセットできるため幅も何もありません。本来はもっと多くのエインフェリアを想定していたように感じますし、プレイヤーによる自由度も少なく、やりこむほど楽しくなる要素は本作にはありません。
加えてどこかもっさりしている操作間と重いシーンではラグくなるなど性能面と調整不足、悪いカメラワークなど、戦闘面に集中できない要素が散見されました。
ダンジョン形式のマップは数が少なく、移動がしづらくやり込みには向いていない
本作はステージクリア型のダンジョン形式になっています。
クリアするとスコアなどが表示される形になっています。
これ自体マップの数が4つ程度しかなく問題なのですが、それぞれのマップは世界観をうまく表現できていて、良い印象を受けました。
しかし、ミニマップがないことやあまり速度が上がらないダッシュなど、正直周回向きの内容にも思えませんでした。クリアまでのスコアを競うゲームとしてはあまり楽しさを感じられないかもしれません。
また育成要素もあまり多いわけでないので注意が必要です。
単純なボリューム不足。フルプライスの価格に見合わない
これまでにお伝えしてきた要素をまとめるとフルプライス価格設定に見合う価値があるとは言えないものになっています。
- ストーリークリアまで最短10時間程度。
- エインフェリアは4体しか存在せず、それぞれの深堀は薄い。
- ステージクリア型のダンジョン形式だが、メインのダンジョン数は10程度。ステージ数は4つ。
これらの点も踏まえると価格にあったゲームとはさすがに言えないですね。
3000円程度のゲームであれば絶賛できたのですが…
その他の知っておいてほしいこと
新品1394円!?今なら安く入手できる
本作は2023年8月現在、amazonでps5版の新品が1394円で入手できます。
とにかく安いです!
これには本作がユーザーの期待に応えたゲームとは言えなかったことと、単純に生産数が多すぎた背景があるのかもしれません。
気になったら合わなくても良いからとりあえず買ってみるという手もありかもしれませんね。
今からプレイするならps5版がおすすめ
筆者は元々発売日近くにps4版でプレイしていたのですが、爽快感以上に重く挙動がもっさりしているように感じていました。演出が凝っているのは理解できるが、重くて何が起きているのか理解できないなんてこともありました。
しかし、後日ps5版でプレイしたところ、ps4版より明らかにストレスを感じませんでした。
正直、グラフィックが最先端のps5のレベルかといわれるとそういうわけでもないので、スペックと調整不足の面が強いのかなとは思うのですが、これからプレイする人はps5版かsteam版でプレイした方が良いかもしれません。
総評:ポテンシャルこそあるもの、作りこみが薄くもったいない作品
いかがったでしょうか。今回は『ヴァルキリーエリュシオン』の評価・感想・レビューをお届けしました。
北欧神話をモチーフにした独特な世界観と個性豊かなキャラたちには魅力がありましたし、エインフェリアの力を借りた戦闘面もシンプルながらスタイリッシュに爽快感が感じられるものになっていました。
しかしながら、戦闘面の調整不足・物語の深堀の薄さ・全体的なボリューム不足など残念ながら価格に見合った作品とは言えないのかもしれません。
その点を考慮したうえで購入を検討してみてはいかがでしょうか。