こんにちはヤマザキです!
今回レビューする作品は日本一ソフトより発売されたホラーアドベンチャーゲーム「夜、灯す」です。
本作は正直良くない評判も多い印象で…

ビジュアルに惹かれたけど、評判が良くないし…
と購入を迷っている方も多いのではないだろうか?
結論から言ってしまうと本作は誰にでもお勧めできる作品とは言えない。
ただ個人的には大好きな作品なので、魅力は確かに存在している。
注意すべき点を知ったうえで購入を考えてみてほしい。
※ネタバレはできる限りしないようにしていますが、少しはあるので気になる方は注意を。
「夜、灯す」の基本情報
タイトル(かな) | 夜灯す(よるともす) |
ジャンル | ホラーアドベンチャー |
発売日 | 2020年7月30日 |
発売元 | 日本一ソフトウェア |
クリア時間 | 10時間程度(トロコンまで) |
評価 | 65点 |
はじめに
本作は日本一ソフトから発売されたホラーアドベンチャーゲーム。
旧校舎の幽霊にまつわる怪奇現象へ立ち向かう女子高生たちの物語になっている。
正直なところ前評判では、否定的な意見も多く心配していたが、蓋を開けてみれば非常に完成度が高く大満足な作品だった。
そう感じた要因となぜ否定的な意見が多いのかを中心に書いていこうと思う。
青春群像的なシナリオが魅せる魅力
プレイして一番に感じたのは「シナリオの完成度の高さ」だった。
ノベルゲーとして「旧校舎の幽霊」というホラーを軸にしつつも、総局部の生徒による青春群像劇的な要素も盛り込んだシナリオは非常に面白い。個性的なキャラたちがお互いに支えあいながら成長していく展開には目が離せない。
また、シナリオ以外の部分も非常によく、CGのきれいさや、作品の要素を活かした和風な音楽、使いやすい UI など隙がなく完成度が高い印象を受けた。
ホラーや百合要素を持ちつつ、青春群像劇を主軸にしたシナリオは、ギャルゲー形式の恋愛をベー
スにした作品が多いノベルゲーというジャンルにとって新鮮さもあり、新たなジャンルへの挑戦とい
う心意気も感じた。
それぞれの要素がうまく合わさり、飽きないようになっていて、非常に面白い。個人的には「もっと評価されるべき作品」だと考えている。

「思ってたのと違った…」とならないように注意してほしいポイント
本作は客観的に見ればかなり完成度が高く、1つの作品としては隙が無い作品にも見える。
しかしながら実際のところ、本作には批判的な意見も多い。
それは一言で言えば「思ってたとの違った」というユーザーが多かったのではないだろうか。
私が考える3つのポイントを上げてみたい。
ゲーム性は皆無
本作はホラーアドベンチャーとなっているがゲーム性はほとんどない。いわば完全なノベルゲーといえる内容になっている。
ゲーム性と呼べるものは2択の選択肢のみで数も少なく(5つくらい)、中身も単純なバッドエンドのみになっている。
「日本一ソフトの作るホラーADV」と聞くと少なくとも推理だったり、何かしらのゲーム性があるものを想像してしまう人も多いだろう。
従来のアドベンチャーゲームとしての楽しさを期待していた方には物足りないポイントであることは間違いない。

ホラーゲームなのに怖くない
この作品、作品全体を通してホラー要素が弱い…
もちろん、シナリオのメインの要素として絡んでくるが、一言でいえば全然怖くない。
作中もバッドエンド以外は人が死ぬことはない。序盤こそ怖さを感じる部分も多いが、後半になるにつれて少女たちの青春群像劇としての側面が強くなっている。
前述したとおりこれはこれで面白いのだが、PVを見たときに印象を受ける従来のホラゲーのような怖さを感じられる作品ではない。
PV やビジュアルからホラーを前面に押し出している印象を受ける。
怖さを期待してした人からすれば、期待外れだったという人も多いだろう。

フルプライスにも関わらず、全クリまで10時間程度。ボリューム不足
ここは誰もが感じる点だと思う。私のクリア時間は 10 時間ほど。
別段、文字を読むのが遅いというわけでないが、ボイスをほとんど聞かなければ 5 時間くらいでクリアできるくらいのボリューム。正直、長ければ良いとは思ってはいないが、さすがに短い。
早い段階でルート分岐して、シナリオを広げていくとかのボリューム面の工夫は欲しかったところ。フルプライスという価格を考えると、この部分は間違いなくマイナス要素といえる。
総評
総評として「非常に完成度の高いノベルゲー」であることは間違いない。
PV から感じる印象や日本一ソフトの作るホラーADV として求められていたものとは違うものだった点は大きい。
しかし、王道展開ながらホラーと青春群像劇を合わせたシナリオは非常に面白いことに加え、恋愛
作品が多いノベルゲーとして新たな分野に挑戦した作品にも見えた。
1つのノベルゲーとしては非常に面白く、ボリューム不足など問題点もあるものの個人的には大好きな作品である。
