【クリアレビュー】『ライザのアトリエ3』評価・感想|シリーズ集大成の結末と“秘密”の行く末【ネタバレなし】

レビュー
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こんにちは。ヤマザキです。

今回は、『ライザのアトリエ3 ~終わりの錬金術士と秘密の鍵~』のクリア後の評価・感想・レビューになります。

この記事では本作の良いところや気になったところなど率直なレビューをお届けします。
気になる方は購入の参考にしてみてください。

この記事はこんな人におすすめ!
  • 『ライザ』シリーズの物語の結末を見届けたい方
  • シームレスに繋がる広大なフィールドでの探索を楽しみたい方
  • 洗練されたバトルシステムを味わいたい方

※できる限りネタバレは回避していますが、気になる方は注意してください。

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はじめに

『ライザのアトリエ3 ~終わりの錬金術士と秘密の鍵~』は、2023年3月23日にコーエーテクモゲームス(ガストブランド)より発売された、「アトリエ」シリーズ通算24作目となるタイトルです。

2019年から続いた「ライザのアトリエ」シリーズ(秘密シリーズ)のナンバリング3作目にして、彼らの物語の完結編となります。

そんな本作を今回、クリアまでプレイしましたが、結論から言えば、「シリーズの集大成として、物語の結末と探索、バトルの楽しさは最高峰。しかし、詰め込みすぎた要素にシステム周りが追いついていない、粗削りな部分も目立つ作品」でした。

足掛け5年にわたるライザたちの冒険の締めくくりとして、その感動は間違いありません。しかし、複雑化したシステムへの導線不足やわかりづらいUIなど、手放しで褒められない点があったのも事実です。

今回は、そんな本作の魅力や気になったところを詳しく見ていきましょう。

「秘密」シリーズについて

『ライザのアトリエ3』のレビューに入る前に、まずは過去作を含めた「秘密」シリーズの軌跡を少し振り返っておきましょう。

本シリーズは、同一の主人公「ライザ」が3作連続で続投するという、アトリエシリーズとしては異例の構成をとっています。それぞれ簡単に紹介しておきます。

1作目:『ライザのアトリエ ~常闇の女王と秘密の隠れ家~』

まず、2019年に発売された第1作目です。
閉鎖的な島に暮らす「悪ガキ」だったライザと仲間たちが、錬金術と出会い、島の危機に立ち向かう中で成長していく「ひと夏の冒険」を描いた物語でした。

ライザのキャラクタービジュアルが大きな話題になったことはもちろんですが、島の謎を巡る物語の評価が非常に高く、一新されたバトルシステムや調合システムも含め、シリーズの大きな転機となった作品です。

2作目:『ライザのアトリエ2 ~失われた伝承と秘密の妖精~』

続く2020年に発売された第2作目では、舞台を王都アスラ・アム・バートへ移行。
謎の生物「フィー」との出会いや、古代遺跡の調査を通じて、少し大人びた彼らのさらなる冒険が描かれました。

前作を踏まえたうえでさらに洗練されたバトルシステムと、成長したライザたちの王都での物語には一定の評価がありました。ただ、個人的には前作に比べて物語のテンポが悪く、少し退屈さを感じてしまった部分もありました。

そして本作『ライザ3』では、再び故郷であるクーケン島を起点としつつ、シリーズの集大成となる最後の物語が幕を開けることになります。

『ライザ3』から始めても大丈夫?

シリーズ完結編ということで、「『ライザ3』からいきなり始めても楽しめるのか?」という点についても触れておきましょう。

結論から言えば、「なしではないが、できれば『1』から順番にプレイすることを推奨」します。理由は大きく分けて3つあります。

1. 物語の没入感とキャラクターへの愛着
物語自体は単体で完結しているため、本作から始めても話の大筋は理解できますし、置いてきぼりになることはないです。しかし、本作は「成長」と「別れ」を描く集大成となっているため、キャラクターへの愛着や、過去の冒険を踏まえた関係性があってこそ感動できるシーンが多いため、1からプレイしたほうが間違いなく楽しめると思います。

2. システムの複雑さ
これが最大の理由ですが、『ライザ3』は要素が非常に多いです。
3作目ということもあり、システムが「1と2をプレイ済みのユーザー」向けに調整されている節があります。チュートリアルも駆け足なため、シリーズ未経験者がいきなり本作の膨大な要素に直面すると、理解が追いつかずに挫折してしまうかもしれません。

3. 過去作もまだまだ現役
『1』も『2』も比較的新しいタイトルのため、今からプレイしてもグラフィックやシステムに古臭さを感じることは全くありません。

そのため、まずは『1』から始めて、ライザたちの成長を順に追体験していくのが無難であり、最も推奨される楽しみ方になると思います。

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『ライザのアトリエ3 ~終わりの錬金術士と秘密の鍵~』の魅力

ここからは本作の魅力について、見ていきましょう。

その1:過去と未来を繋ぐ、シリーズ集大成のシナリオ

本作の物語は、突如出現した謎の「カーク群島」を調査するところから始まります。その過程でライザたちは島を飛び出し、世界各地、果ては異世界までをも巡る壮大な冒険へと旅立つことになります。

物語の牽引力(「続きが気になって眠れない!」というような)自体はそこまで強くないかもしれません。しかし、各地を巡りながら世界の広さを肌で感じる「冒険感」や、過去作での出来事が未来へと繋がっていく構成は非常によくまとまっていました。

例えば、物語の途中で訪れる新たな街では、「伝統か、革新か」という対立構造が描かれます。そうした地域ごとの問題を解決していくプロセスも面白いですし、何よりその冒険を通じて、ライザたちが「自身の将来の迷い」に対しどう答えを出していくのかその成長の描き方も見どころです。

ひと夏の冒険を終え、自分自身の未来へと歩き出すエンディングは、寂しくも非常に美しく、シリーズを追いかけてきたプレイヤーの心に深く刺さるものになっています。

その2:総勢11名! 成長した彼らが集う「同窓会」のような楽しさ

キャラクターにおける最大のトピックは、なんといってもプレイアブルキャラクターが最大11名という大所帯であることです。ゲームシステム的に全員をフル活用するのは難しい面もありますが、この人数が揃うことで「シリーズの集大成」にふさわしい賑やかさが生まれています。

待望の「ボオス」参戦

特にファンとして胸が熱くなったのは、幼馴染の「ボオス」の参戦です。
1作目では対立し、2作目では友好的な協力者となり、そして3作目でついにプレイアブルキャラクターとして共に戦うことになります。彼の参戦だけでなく、過去作の懐かしいキャラクターたちも再登場し、まるで同窓会のような楽しさがありました。

かつての「悪ガキ」たちの成長と選択

これまでのシリーズを通して描かれてきたテーマ、「ひと夏の冒険」と「少年少女の成長」。
本作では、かつて島の悪ガキだったライザたちが、立派な一人の大人としてそれぞれの道へ旅立っていく成長の過程が丁寧に描かれます。

1作目からプレイしているからこそ感じられる、彼らの長いスパンでの成長と変化。エンディングで皆がそれぞれの道へ旅立っていく姿は、少し寂しくもありますが、一人一人の未来に向けて歩む決心が感じられる良いものだったと思っています。

その3:シームレスに繋がる、広大なフィールド探索の楽しさ

本作のフィールドは、複数のマップがシームレスに繋がる「オープンワールド」のような形式に進化しました。

過去作とは比べ物にならないほど広大で、基本的にロードを挟まずどこまでも歩いていける探索体験は圧巻です。
マップには高低差があり、頂上まで登ってみると遠くに気になるスポットが見え、「あそこにも行ってみよう」という意欲を掻き立てられますし、この広大なオープンワールドのようなステージを舞台に、シリーズの醍醐味である「採取」と「調合」を繰り返していく感覚は、これまでにない面白さがありました。

快適な移動手段とオープンワールド的な遊び

広大なフィールドを快適に移動するために、「イルカ」に乗って水上を移動したり、「ジップライン」で高所を一気に移動したりと、新たなアクションも多数追加されています。

また、行く先々でクエストや突発的なイベントが発生するなど、オープンワールドゲームとしての遊びの面でも、様々な試行錯誤と工夫が感じられました。

夏を感じる風景と「アトリエ建築」

グラフィックも向上しており、シリーズ特有の「夏」を感じさせる爽やかな風景が非常に美しいと感じました。
さらに新要素として、各地で「アトリエ建築」が可能になりました。建築するタイプ(調査基地、研究所など)によって得られる恩恵が変わるため、自分好みの冒険の拠点を作る楽しさも加わっています。

その4:完成形に近づいたリアルタイムタクティクスバトル

戦闘システムは前作をベースにしつつ、より洗練され、スピーディーになっています。

基本は〇ボタンで通常攻撃をコンボとして繋ぎ、△ボタンでガード(ジャストガードあり)、R1ボタンと組み合わせてスキルを放つというアクション性の高いコマンドバトルです。
操作キャラクターをリアルタイムで切り替えたり、味方の「アクションオーダー」に応えて追撃を発生させたりと、戦況が目まぐるしく変わる臨場感は抜群です。

5人パーティによる戦略性の向上

また、パーティ編成が「前衛3人+後衛2人」になり、前作から後衛が一人増えたことで、戦闘中の交代やサポートの戦略性がさらに向上しています。

ド派手な演出と「フェイタルドライブ」

演出面も大幅にパワーアップしています。

各キャラクターの追撃演出はもちろん、超必殺技にあたる「フェイタルドライブ」はド派手でカッコよく、爽快感があります。どのキャラクターの演出も見ごたえがあり、アクションRPGに近い感覚でテンポよく戦闘を楽しめる点は、本作の変わらない大きな強みと言えるでしょう。

その5:中毒性抜群の「調合」と「鍵」システム

アトリエシリーズの代名詞である「調合」も健在です。

基本的なシステムはこれまでのシリーズとほぼ同じですが、マテリアル環に素材を投入してアイテムを強化していく仕組みは相変わらず奥深いです。
広大なフィールドで集めた素材を使って、より強い装備やアイテムを作り出すサイクルには、時間を忘れるほどの中毒性がありますし、「複製」や「アイテムリビルド」といった便利な機能も引き続き搭載されており、納得いくまでアイテムを作り込む楽しさは保証されています。

新要素「鍵(キーメイク)」

また、本作のサブタイトルにもなっている「鍵(キーメイク)」という新システムが登場します。

これは戦闘中やランドマークから「鍵」を生成できるシステムで、生成した鍵を使用することでステータスアップの恩恵を得たり、調合時に使用して、よりよいモノを作成することが可能です。

特に戦闘においては、鍵を使用することで非常に多い回数の連続攻撃を繰り出せるようになるなど、強力な効果を発揮します。この「鍵」システムが、戦闘・探索・調合のすべてを繋ぐ新しいスパイスとなっており、その使いどころはまさに攻略のカギにもなっていました。

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気になったところ・不満点

シリーズ最高傑作になり得るポテンシャルを持ちながら、いくつかの点で「もったいない」と感じる部分もありました。

その1:要素過多で説明不足なチュートリアル

シリーズ3作目ということもあり、システムが非常に複雑化しています。

戦闘、調合、鍵、アトリエ建築、スキルツリー…とやれることが膨大なのですが、それに対する説明(チュートリアル)が追いついていません。前作までのシステムを踏襲しつつ、さらに要素を増やしたことで「数えきれない遊びを楽しめる」素晴らしい作品になっている反面、どうしても複雑になりすぎてしまっています。筆者自身、前作から1年ほど空けてプレイしたため、システムを思い出すのにかなり時間がかかりました。

特に、「強制的にやらされるが、意味がわからない」チュートリアルが出てきたときは気になりました。「これができるようになりました」と案内されるものの、「どうやって」という順序立てた説明がまるでない場面もあり、初心者はもちろん、シリーズ経験者であっても戸惑う構造は、もったいないと感じた部分です。

その2:システムの変化に追いついていないUI

複雑すぎるシステムに対して、UIの整理が追いついていない点も気になりました。

あくまでUIは過去作を踏襲したものになっているのですが、本作の規模感の変化に対応しきれていません。
その最たる例が「マップ」です。オープンワールド化に伴い、「エリアマップ」「地方全体マップ」「ワールドマップ」と階層構造が複雑になっており、「今どこにいて、目的地はどこなのか」が直感的に分かりづらくなっています。

他にも、メニュー画面のどこで設定すればいいのか迷う項目も多く、複雑化したシステムにUIが置いてきぼりになってしまっている印象を受けました。

その3:全体的なバランス不足を感じてしまった

広大なフィールドでのイベント発生条件や、ゲームバランスの調整不足も目につきました。

イベントの渋滞

拠点となる港や広場に行くと、メインストーリーのイベントが終わった直後に、キャラクターごとのサブイベント、さらには突発的なクエストなどが連続して発生することがあります。

そのうえで、メインストーリーもそこまで深刻な話をしているわけではないときに、キャラの個別イベントが挟まると、「今、何の話をしていたんだっけ?」と混乱しますし、メインストーリーを進めたいのに足止めを食らうような感覚は、物語への没入感を削ぐ要因になっていました。「どこまでが寄り道なのか」が分かりにくいため、発生条件の見直しなど、ゲーム性の変化に合わせた整理が必要だと感じます。

要調整な戦闘バランス

また、戦闘バランスも気になった部分です。

物語の中盤などで敵の強さが突然跳ね上がり、それまでの装備では太刀打ちできなくなる場面がありました。「ここで育成してね」という意図かもしれませんが、導線が弱いため、理不尽な難易度上昇に感じてしまいます。

一方で、システムを完全に理解しているコア層にとっては簡単すぎたりもするため、「カジュアルユーザーには難しく、コア層には簡単」という、少しちぐはぐなバランスになってしまっている印象です。これらはシリーズ全体の課題かもしれません。

また、強制終了など、挙動が不安定な場面も見受けられたため、このあたりは次回作以降での丁寧な調整を期待したいところです。

『DX版』の発売について

2025年11月13日には、『ライザのアトリエ』『ライザのアトリエ2』『ライザのアトリエ3』が、それぞれ新たなストーリーや衣装を追加した『DX版』として再登場します。特に、新キャラクターの参戦や新規ストーリーも追加された、まさに「決定版」と言える内容になっています。

過去のアトリエシリーズにおける「DX版」の傾向からすると、ゲームシステムなどの根幹に大きな変化はないと思われますが、追加要素の多さを考えれば、今から遊ぶのであれば間違いなくこちらがおすすめです。

まとめ

いかがだったでしょうか。今回は『ライザのアトリエ3 ~終わりの錬金術士と秘密の鍵~』のクリアレビューをお届けしました。

UIの煩雑さやチュートリアルの不足、バグといった粗削りな部分は確かに存在します。
しかし、それを補って余りあるほどの「冒険の楽しさ」と、シリーズを通して描かれてきた「成長物語の美しい結末」が詰まった作品になっています。

広大なフィールドを駆け巡り、錬金術を駆使して道を切り拓き、画期的なバトルシステム。そして、かつての子供だった主人公たちが大人へと変わっていく様を見届ける。その体験は、多くのプレイヤーの心に深く残るものになるはずです。

ひと夏の冒険の終わり、そして彼女たちの新たな旅立ちを、ぜひご自身の目で見届けてみてください。アトリエファンならずとも、RPG好きの方には自信を持っておすすめできる一作です。

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