【SAMURAI MAIDEN -サムライメイデン-】クリアレビュー・評価|キャラの魅せ方は抜群、戦闘バランスには大きな難あり

今回は『SAMURAI MAIDEN -サムライメイデン-』の魅力と、ストーリーをクリアして気になったポイントをレビューします。大きなネタバレは避けているので、キャラクターやビジュアルに惹かれて購入を迷っている方はぜひ参考にしてみてください。

この記事はこんな人におすすめ!

✓ 可愛いキャラクターを動かせるアクションゲームが好き
✓ キャラクター同士の関係性や百合要素を楽しみたい
✓ 戦闘バランスの粗さより、キャラクターの魅力を重視できる

目次

はじめに

『SAMURAI MAIDEN -サムライメイデン-』は、戦国時代へタイムスリップした女子高生・玉織紬が、忍者の少女たちとともに本能寺地下の冥界を戦い抜くアクションゲームです。筆者のストーリークリアまでのプレイ時間は約13時間でした。

実際に最後まで遊んだ印象を一言で表すなら、「キャラクターの可愛さや魅せ方へのこだわりは素晴らしい一方、アクション部分にはかなり粗さが残る作品」です。

3Dモデルやモーションの作り込みは本作ならではの強みで、キャラクターの見せ方や、百合要素を含んだ仲間との関係性はかなり魅力的でした。一方、アクションゲームとして見ると、回復手段の使いづらさや敵・ステージのバリエーション不足、終盤の理不尽な難易度など、気になる部分も少なくありません。

そのため、純粋なアクションゲームとしておすすめするというよりは、キャラクターのビジュアルや関係性に惹かれた人が楽しむ“キャラゲー”として見るのが合っている作品だと思います。

ここから、良かったところと気になったところを詳しく紹介していきます。

基本情報

スクロールできます
発売日2022年12月1日
ジャンル
ガールズ侍アクション
開発 / 発売SHADE / D3PUBLISHER
対応ハードSteam / Nintendo Switch / PS5 / PS4
価格7,920円(税込)
クリア時間約13時間(ストーリークリア)

『SAMURAI MAIDEN -サムライメイデン-』の魅力

その1:3Dモデルやモーションなど、キャラクターの魅せ方がすごい

会話シーンの様子

まず一番に目を引くのは、やはりキャラクターのビジュアルです。
本作は3Dモデルがきれいなだけでなく、キャラクターのモーションまで非常に丁寧に作り込まれています。

普通の会話シーンでもキャラクターが魅力的に見えるのですが、特に印象的なのが「ここが見せ場」という場面の演出です。登場シーンや必殺技、リザルト画面での自撮りなど、キャラクターをどうすれば魅力的に見せられるのかという工夫が随所に感じられました。

このキャラクターの魅せ方に関しては、本作の明確な強みです。
そもそもビジュアルに惹かれて本作が気になった方も多いと思うので、その部分については期待にしっかり応えてくれる作品でした。

その2:シンプルな操作で楽しめる爽快なアクション

本作はステージクリア型になっており、敵を倒しながらダンジョンを進んでいきます。
基本操作は通常攻撃と強攻撃、仲間のスキルなどを組み合わせて戦う比較的シンプルなもの。1対多数の戦闘も多く、次々と敵を倒していく爽快感があります。

一方で1対1の戦闘では敵の攻撃を見極めながら立ち回る場面もあり、序盤はほどよい歯ごたえも感じられました。操作自体は分かりやすいため、複雑なコンボを覚えるタイプのアクションが苦手な人でも比較的入りやすいと思います。

ただし、ゲーム後半になるほど戦闘バランスには大きな問題が出てきます。この点については後ほど詳しく触れます。

その3:百合要素も楽しめる、キャラクター同士の関係性

本作には「思い出アルバム」という要素があり、主人公・紬と仲間たちの関係性が掘り下げられていきます。一緒に戦う中で徐々に距離を縮めていく様子が描かれており、百合要素はかなり強め。

単なるおまけの会話ではなく、関係を深めることで戦闘中に使える能力も増えていくため、ゲームシステムともきちんとつながっています。メインストーリー自体は後述する通り物足りなさも感じましたが、4人の関係性については最後まで丁寧に描かれていました。

可愛い女の子同士のやり取りや百合要素が好きな人には、本作ならではの大きな魅力だと思います。

気になったところ・注意点

その1:変化が少なく、単調に感じやすいシナリオとステージ

敵キャラは3人のみ…

本作のあらすじは女子高生である主人公「玉織 紬」が突如として本能寺の変に飛ばされてしまい、歴史が動き出すというもの。基本ダンジョン形式になっていて、ダンジョンの前後でメインのシナリオが進行していく形になります。あらすじ自体はかなり面白そうなのですが、中身はかなり退屈なものでした。

そうなってしまった要因としてテンポがそこまでよくないことに加え、本作そもそもの登場キャラ数がメインキャラの4人を入れて計7人しかいないことがあります。

敵も含めて7人なので、基本的に全27個あるダンジョンは量産型の敵と戦い続けることになります。
そのためシナリオに関しても「なんかいつも同じことやってるな…」という内容になります。
せめてシナリオはもう少し作りこんで欲しかったというのは正直な感想です。

メインキャラの4人の関係性は丁寧に描いていたので終わり方は好きなのですが…

その2:戦闘バランスに大きな問題がある

本作は何より戦闘のバランスに問題があります。
気になる部分を3つほど紹介します。

1つ目は回復が使いづらいことです。
数ある問題の中でも一番の問題です。本作の回復は仲間キャラの一人のイヨをセットしている時のスキルのみになっています。イヨのスキルは爆弾などを設置するというものです。その設置するものの中の1つ「回復樽」が本作の唯一の回復手段になります。設置するものなため、実際に回復効果を発動するまでに時間がかかります。

具体的には回復をするまでの以下の手順が必要です。

HP回復までの手順

1.同伴キャラをイヨにする。
2.イヨに回復樽を設置してもらう。(3秒くらい)
3.設置した回復に入り回復する(3秒くらいで全回復)

見ての通り、ものすごい回復が使いづらいです。

アクションゲームで回復が設置型のみというのもなかなか致命的ですし、それが1人の仲間キャラのスキルのため、一度お供を設定しなおす1の手順を踏む必要があるというのがまたきついところです。ほかの2人のスキルは、筆者の場合ほとんど使わなかったほど優先度が低く感じました。その点も踏まえると、もう少し改良できなかったかな…とは思ってしまいます。

またこの回復樽は扱いとしては爆弾と同じ扱いでダンジョン通して2回しか使うことができなかったり、イヨのスキルのためイヨがいないと使えず、物語上イヨがいないいくつかのダンジョンはプレイヤーの回復手段がないという珍しいが起こります。

樽(右下メニュー)を配置すると、依夜が設置するために歩いていく
2.設置完了。エフェクトの範囲に入ると徐々に回復できる

2つ目は全体的にバリエーションが少なく飽きてしまう点です。

まず本作は敵の型の数が少ないです。前述した通り、シナリオの登場人物は仲間4人を入れて7人のみです。それに対し、ダンジョンの数は27個あるので、一部を除き、ボスであっても量産型の機械や怪物と戦うことになります。
いくらアクションに多少の魅力があるとはいえ、ずっと同じ敵と戦っていたら飽きてしまいます。

加えて操作キャラは主人公のみで強化要素もほぼありません。仲間キャラを操作できたらそれだけで面白くなりそうですが…ステージに関しても同じ造りのものが多く、後半になるにつれて使いまわしのステージが多かった印象です。同じような構造でこれといった特徴がないうえ、ミニマップもないので、迷うこともしばしば。
アスレチックなど飽きさせない工夫も見られましたが、さすが限界があった印象です。

代り映えのしないダンジョン

3つ目は理不尽に感じられる設計についてです。

先ほど本作は難易度がそれなりに高く、歯ごたえがあるという話をしましたが、それは最初の方の話です。物語が進むにつれて上がる難易度を少ないバリエーションの敵で補うため、単純に数が増えます。
具体的には序盤のダンジョンで1対1で戦ったボスを後のステージで1対5で戦わせたりするイメージです。

最後の方は常に複数のボスに対して戦う必要があるのですが、もうこれは難易度が高いというよりは理不尽と感じられるようになっていました。元々一対一を想定していたはずの敵を複数に増やしているうえ、その数が2体などではなく5体になるため、ステージ終盤になるにつれて、バランスが崩れていくように感じました。

本作はカメラワークもあまりよくないので、視界外から複数の敵に一方的に攻撃された際は、さすがにかなりストレスを感じました。状況によっては何が何だかよく分からないままずっとやられてるなんてことも…
難易度を段階的に上げていく設計の難しさは理解していますが、、こちらも序盤のような1対1をベースとした、難しさの上げ方を検討してほしかったですね。

敵とエフェクトのせいで何が何だか分からない様子

まとめ

今回は『SAMURAI MAIDEN -サムライメイデン-』のクリアレビューをお届けしました。

回復手段の使いづらさや敵・ステージのバリエーション不足、終盤の戦闘バランスなど、アクションゲームとして見ると気になる部分はかなり多い作品です。一方で、3Dモデルやモーション、必殺技などを使った「キャラクターを可愛く魅せる」という一点へのこだわりは非常に強い。

キャラクター同士の関係性や百合要素も含め、本作でしか味わえない魅力はしっかりあります。

万人におすすめできるアクションゲームではありませんが、ビジュアルを見て「このキャラクターたちを動かしてみたい」と感じた人であれば、粗さを含めても楽しめる可能性は十分にある作品だと思います。

キャラクターの可愛さや百合要素を重視する方は、ぜひチェックしてみてください。

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