【SAMURAI MAIDEN -サムライメイデン-】クリアレビュー・評価|可愛いキャラたちの魅せ方へのこだわりはすごいが、戦闘のバランスが致命的な作品

レビュー
スポンサーリンク

こんにちは。ヤマザキです。

今回は2022年12月21日にD3パブリッシャーより発売された「SAMURAI MAIDEN -サムライメイデン」の評価・感想・レビューになります。ストーリークリアまで13時間ほどでした。

本作はそのビジュアルから興味を持ったが、ゲームの内容が分からず、購入を迷っているという方も多いのではないでしょうか。
今回はそんな本作がどんなゲームなのか、良い点、悪い点を中心に書いていきます。
購入の参考にしてみてください。

スポンサーリンク

『SAMURAI MAIDEN -サムライメイデン』の基本情報

タイトルSAMURAI MAIDEN -サムライメイデン
ジャンルアクション
発売日2022年12月21日
発売元D3パブリッシャー
クリア時間13時間(ストーリークリアまで)
評価51点
スポンサーリンク

はじめに

初めに本作の印象を一言で表すのであれば「キャラの可愛さに対するこだわりは素晴らしいが、アクション部分には問題がある作品」といえます。

グラフィックやモーションの作りこみは本作ならではの強みになっていて、キャラの魅力や百合要素も混ぜた関係性を描く部分は非常に良かったと思っています。しかしながら、アクションゲームとしてみると問題は山積みで、一つのゲームとして評価はできない部分も否めません。

アクションゲームとしてでなく、キャラゲーとして考えるのが良いでしょう。

スポンサーリンク

評価点

その1:3Dモデルやモーションなど「キャラの可愛さ」への作りこみはすごい

会話シーンの様子

まず、一番に目につくのはそのビジュアル。なんといっても可愛いですよね

本作は3Dモデルがきれいで、モーションが非常によく作りこまれています。
ただの会話シーンでもかなり魅力的に見えますよね。特にすごいのが見せ場となるシーンの作りこみです。登場シーンや必殺技やリザルト画面の自撮りなど、「ここが見せ場」というシーンにプレイヤーを引き付ける工夫をたくさん入れてきます

ここに関しては本作に明らかな強みになっていて良いと思います。
本作の場合、可愛いビジュアルに惹かれて購入される方がほとんどでしょうからこの部分は大事ですよね!

その2:シンプルな操作で爽快感が得られる戦闘

本作はダンジョン形式になっていて一つ一つクリアして、先に進んでいきます。

操作は▢△の通常攻撃とスキルを駆使しながら戦っていくオーソドックスなものになっています。
1対多数の戦闘が多く、無双アクションに近いイメージでシンプルな操作で爽快感が感じられるものに名なっています。全体的に難易度が高く本格的なものになっていて、1対1のバトルなどかなり歯ごたえを感じれると思います。

ただし、問題点とんでもなく多いので注意

その3:キャラ同士の関係性の描き方は丁寧で百合要素が強め

本作にはアルバム機能というものがあり、そこで主人公と仲間キャラの関係性が深堀されます。
徐々に仲を深めていく過程が描かれており、百合要素も強めです。
一応、アクションとも連携していて、アルバムを進めていくと戦闘でやれることも増えていきます。

可愛い女の子の百合要素やアクションが好きな方にはとてもオススメしたい!

不満点・問題点

その1:変化のうすいシナリオはかなり退屈な印象…

敵キャラは3人のみ…

本作のあらすじは女子高生である主人公「玉織 紬」が突如として本能寺の変に飛ばされてしまい、歴史が動き出すというもの。
基本ダンジョン形式になっていて、ダンジョンの前後でメインのシナリオが進行していく形になります。あらすじ自体はかなり面白そうなのですが、中身はかなり退屈なものでした。

そうなってしまった要因としてテンポがそこまでよくないことに加え、本作そもそもの登場キャラ数がメインキャラの4人を入れて計7人しかいないことがあります。
敵も含めて7人なので、基本的に全27個あるダンジョンは量産型の敵と戦い続けることになります。
そのためシナリオに関しても「なんかいつも同じことやってるな…」という内容になります。
せめてシナリオはもう少し作りこんで欲しかったというのは正直な感想です。

メインキャラの4人の関係性は丁寧に描いていたので終わり方は好きなのですが…

その2:戦闘のバランスに問題あり

本作は何より戦闘のバランスに問題があります。
気になる部分を3つほど紹介します。

1つ目は回復が使いづらいことです。
数ある問題の中でも一番の問題です。本作の回復は仲間キャラの一人のイヨをセットしている時のスキルのみになっています。イヨのスキルは爆弾などを設置するというものです。
そういった設置するものの中の1つ「回復樽」が本作の唯一の回復手段になります。
設置するものなため、実際に回復効果を発動するまでに時間がかかります。

回復をするまでの手順が下記になります。

HP回復までの手順

1.同伴キャラをイヨにする。
2.イヨに回復樽を設置してもらう。(3秒くらい)
3.設置した回復に入り回復する(3秒くらいで全回復)

見ての通り、ものすごい回復が使いづらいです。

アクションゲームで回復が設置型のみというのもなかなか致命的ですし、それが1人の仲間キャラのスキルのため、一度お供を設定しなおす1の手順を踏む必要があるというのがまたきついところです。
ほかの二人のスキルは筆者は戦闘中、一度も使ったことないくら重要度が低い点も踏まえると、もう少し改良できなかったかな…とは思ってしまいます。

またこの回復樽は扱いとしては爆弾と同じ扱いでダンジョン通して2回しか使うことができなかったり、イヨのスキルのためイヨがいないと使えず、物語上イヨがいないいくつかのダンジョンはプレイヤーの回復手段がないという珍しい自体が起こります。

樽(右下メニュー)を配置すると、依夜が設置するために歩いていく
2.設置完了。エフェクトの範囲に入ると徐々に回復できる

2つ目は全体的にバリエーションが少なく飽きてしまう点です。

まず本作は敵の型の数が少ないです。前述した通り、シナリオの登場人物は仲間4人を入れて7人のみです。それに対し、ダンジョンの数は27個あるので、一部を除き、ボスであっても量産型の機械や怪物と戦うことになります。
いくらアクションに多少の魅力があるとはいえ、ずっと同じ敵と戦っていたら飽きてしまいます

加えて操作キャラは主人公のみで強化要素もほぼありません。仲間キャラを操作できたらそれだけで面白くなりそうですが…ステージに関しても同じ造りのものが多く、後半になるにつれて使いまわしのステージが多かった印象です。同じような構造でこれといった特徴がないうえ、ミニマップもないので、迷うこともしばしば。
アスレチックなど飽きさせない工夫も見られましたが、さすが限界があった印象です。

代り映えのしないダンジョン

3つ目は理不尽な難易度についてです。

先ほど本作は難易度がそれなりに高く、歯ごたえがあるという話をしましたが、それは最初の方の話です。物語が進むにつれて上がる難易度を少ないバリエーションの敵で補うため、単純に数が増えます
具体的には序盤のダンジョンで1対1で戦ったボスを後のステージで1対5で戦わせたりするイメージです。

最後の方は常に複数のボスに対して戦う必要があるのですが、もうこれは難易度が高いというよりは理不尽に近いです。元々一対一を想定していたはずの敵を複数に増やしているうえ、その数が2体とかではなく5体などのため、ステージ終盤になるにつれてバランスが崩壊しくように感じました。

本作はカメラワークもあまりよくないので、視覚外から複数の敵にフルボッコにされるストレスはすごかったです。状況によっては何が何だかよく分からないままずっとやられてるなんてことも…
正直、こちらも序盤のような1対1の戦闘で、難しさを上げていってほしかったですね。

敵とエフェクトのせいで何が何だか分からない様子

総評:これはこれで良いのではと思える作品

いかがだったでしょうか。ここまで『SAMURAI MAIDEN -サムライメイデン』の評価・感想・レビューをお届けしました。

問題点もかなりある本作ですが、私は「これはこれで良い作品」だと思っています。
それは限られた強みをしっかり伸ばしている点にあります。
グラフィックやモーションの作りこみでキャラの可愛さと百合要素という本作独自の強みを生み出せており、それは「プレイヤーに本作を遊ぶ意味を与えている」とも言えます。

正直、アクションゲームとしてみると問題は山積みで、紹介できていない問題点もたくさんありますが、可愛い女の子の百合要素やアクションが好きな方にはとてもオススメしたい作品です。
ビジュアルに惹かれた方にとっては期待に応えられる部分もあると思いますので、購入を検討されてみてはいかがでしょうか。