こんにちは。ヤマザキです。
今回は『Stellar Blade』のクリア後の評価・感想・レビューになります。
この記事では本作の良いところや気になったところなど率直なレビューをお届けします。
気になる方は購入の参考にしてみてください。
- 『Stellar Blade』の評価・感想が知りたい人
- 『Stellar Blade』の購入を検討されている方
はじめに
『Stellar Blade』は、『勝利の女神:NIKKE』で知られる韓国のゲーム会社「SHIFT UP」が開発を手掛け、2024年4月26日にソニー・インタラクティブエンタテインメントより発売されたアクションゲームです。当初はPS5専売タイトルでしたが、待望のPC版が2025年6月12日にリリースされました。
本作は、戦士「イヴ」となり、人類の敵「ネイティヴ」が巣食う荒廃した地球を奪還するため、壮絶な戦いに身を投じるという作品になっています。今回、筆者もPC版をクリアまでプレイしましたので、その評価レビューをお届けします。
結論から言えば、「期待を裏切らない、圧巻のクオリティを誇る傑作」でした。
『NieR:Automata』を彷彿とさせる息をのむほど美しいビジュアル、映画のようなグラフィックと演出。そして、歯ごたえのある「死にゲー」ライクなアクションは、好きな人にはたまらない魅力となっています。そのあまりに高い完成度には、プレイ中、何度も驚かされました。
本レビューでは、そんな本作が持つ素晴らしい魅力や、プレイ中に少し気になった点について詳しく見ていきます。
『Stellar Blade』の魅力
ここからは本作の魅力について、詳しく紹介していきます。
その1:爽快感と緊張感が両立した戦闘システム

何といっても、本作最大の魅力はこの戦闘システムにあります。
基本操作は、□ボタンと△ボタンの通常攻撃を組み合わせてコンボを繋げ、敵の攻撃はL1の「ガード」やR2の「回避」で捌いていくという、王道スタイルのアクションになっています。操作性は非常に良好で、自分の思った通りにキャラクターが動いてくれる快適さがありました。
ジャストガードやジャスト回避、敵の攻撃を見ながら戦う

本作の戦闘を特に面白くしているのが、敵の攻撃に合わせて行うアクションです。
敵の攻撃をタイミング良くガードすることで発動する「ジャストガード(パリィ)」は、敵の体勢を大きく崩すことができ、まさに攻防一体といった感じです。この敵の攻撃を見切って弾き返す感覚は、『SEKIRO』を彷彿とさせる緊張感と達成感がありますし、「ジャスト回避」からも強力な派生攻撃が可能になっており、受けのアクションが非常に良くできていると感じています。
拡張性の高いアクションシステム

また、アクションの拡張性も非常に高い印象です。
L1ボタンと各種ボタンを組み合わせる強力な「ベータスキル」、さらに強力な必殺技である「バーストスキル」、そして切り札となる「タキモード」など、多彩なスキルや能力が用意されており、戦況に応じて使い分ける戦略性も楽しめました。
高い難易度

また、「高い難易度」についても触れておきましょう。
本作のボスは一筋縄ではいかない強さを誇り、難易度はかなり高めにデザインされています。最初のうちは何度もやられてしまうかもしれません。ただし、何度も挑戦するうちに敵の動きを覚え、自身のプレイヤースキルを磨き、スキルを解放していくことで、必ず乗り越えられるようデザインされており、この死にゲーのような達成感は格別でした。
死にゲーが持つ緊張感や達成感を味わえつつも、それよりは少しマイルドという絶妙なバランス調整になっているため、決して理不尽ではないと感じました。この歯ごたえのあるバトルデザインは多くのプレイヤーを夢中にさせると思います。加えて、戦闘中に挿入されるド迫力のムービーや、スタイリッシュなフィニッシュムーブの演出も爽快感抜群で、常にカッコよく戦う楽しさを提供してくれます。
その2:充実した育成・やりこみ要素

本作は、プレイヤーを飽きさせない育成と探索のサイクルが非常にうまく設計されています。
まず、戦闘システムを奥深くするのが、豊富な項目を誇る「スキルツリー」です。
新しいアクションの習得、必殺技の強化、パッシブ能力の向上など、解放できるスキルは多岐にわたります。探索や戦闘で得たポイントを使い、少しずつ自分の手でイヴを強化していく過程は、成長を実感できる楽しさに満ちていました。
広大なフィールドでの探索

そして、その育成と密接に結びついているのが、広大なフィールドの探索です。
砂漠、廃墟、地下施設など、多種多様なロケーションが用意されたフィールドには、キャラクターを強化するための様々なアイテムが隠されています。

特に重要なのが、特殊な能力を付与する「エグゾスパイン」や、ステータスを細かく調整できる「ギア」といった装備品です。これらはフィールドの各地で入手でき、素材を集めて強化することも可能です。強力な装備を見つけるために隅々まで探索する、という明確な目的があるため、移動が作業にならず、常にワクワクしながら冒険を進めることができました。
豊富な収集要素

他にも、物語の背景を深く知ることができる「データバンク」や「缶集め」などの収集要素も豊富です。これらの育成・収集要素が、本作の探索をより一層楽しいものにしていると感じました。
その3:世界観と物語について

本作の舞台は、謎のクリーチャー「ネイティヴ」によって滅ぼされ、人類が宇宙の「コロニー」へと追いやられた後の地球。主人公のイヴは、地球を奪還するためにコロニーから派遣された第7空挺部隊の隊員として、人類の存亡を懸けた戦いに身を投じることになります。
人類が追い詰められた世界なので、全体的に荒廃した世界観になっています。しかし、その退廃的な風景の中にはどこか美しさが感じられ、『NieR:Automata』を彷彿とさせるような、静かで物悲しい雰囲気が漂っています。この世界観を彩る幻想的なBGMも素晴らしく、物語へ深く引き込んでくれるでしょう。

物語の序盤は、ネイティヴたちの根源である「アルファネイティヴ」を討伐し、地球を取り戻すという王道的な目標が提示されます。しかし、物語を進めていく中で、この世界の隠された真実が次々と明らかになっていきます。
誰を信じ、何を成すべきなのか。その先に待ち受ける衝撃の展開と結末には、最後まで目が離せまないものになっています。そして、物語の終盤にプレイヤー自身が迫られる重大な決断にも注目です。
その4:ビジュアル面の魅力

本作はビジュアル面にも非常に力が入れられており、大きな魅力の一つとなっています。
まず触れたいのは、キャラクターデザインの秀逸さです。
『勝利の女神:NIKKE』を手掛けた開発会社なだけあり、主人公イヴをはじめとするキャラクターは非常に魅力的。セクシーでありながらも、気品と力強さを感じさせるデザインは、多くのプレイヤーを惹きつけると思います

そして、個人的に好きなのが、躍動する戦闘中の演出はです。
戦闘中に差し込まれる迫力のムービーはもちろん、イヴがスタイリッシュに必殺技を決める姿は、思わず見とれてしまうほどカッコよく描かれています。
豊富に用意された衣装

さらに、豊富に用意された衣装の存在もすごいところ。
衣装はクエストの報酬やフィールド探索などで手に入り、イヴの見た目を自由に変更できます。そのデザインは多岐にわたり、中には大胆なデザインのものも。性能には影響しない純粋な着せ替え要素ですが、この衣装収集がゲームを進める上での大きなモチベーションになっていました。
フォトモードについて

加えて、充実した「フォトモード」も嬉しいポイントです。
通常の撮影機能に加え、仲間が一緒にポーズを決めてくれるなど、開発陣の遊び心を感じられました。
気になったところ・不満点
本作は非常にクオリティが高い作品ではあるものの、プレイする中でいくつか気になる点も見られました。
その1:オートセーブについて
本作は手動でのセーブができず、すべてオートセーブに頼る仕様です。そのため、プレイヤーが任意のタイミングでセーブデータを残しておくことはできません。
このオートセーブのタイミングが時折不親切なこともあり、クエストをクリアした直後にゲームを終了したにもかかわらず、次に起動するとクリア前に戻されてしまう、ということがありました。また、最終ダンジョンなどでは、一度入ると後戻りできない仕様になっています。仮に最終ダンジョンに入る前に取り逃し多要素があった場合、最初からやり直すかしかありません。
緊張感を維持させたいといった開発側の意図は理解できるものの、やはりプレイヤーとしては不便さが勝ってしまい、個人的には好きになれない仕様でした。
その2:非常に迷いやすいマップと不親切な誘導
本作には全編通してミニマップがなく、ダンジョン内ではマップ機能自体が存在しません。
これは、開発側が意図的に「手探りで探索する楽しさ」を演出するための仕様なのでしょうが、私にとっては、この仕様が合いませんでした。本当によく道に迷い、同じ場所をぐるぐるとさまようことが多く、探索の楽しさよりもストレスが勝ってしまう場面が多々ありました。
最終的には攻略サイトに頼ってしまったので、特に楽しさは感じられませんでした。もちろん、こうした探索が好きだというプレイヤーもいると思いますが、個人的にはもう少し丁寧な誘導があれば、より快適に楽しめたと感じます。
その3:その他の細かな気になった要素
上記のほかにも、プレイしていて気になった点をいくつか挙げます。
- QTE(クイックタイムイベント)
ボス戦のクライマックスで発生するQTEに失敗すると、ボスが10パーセントほどのHPをもって復活し、戦闘をやり直させられる仕様は、理不尽に感じました。
- UI(ユーザーインターフェース)
HPゲージが見にくかったり、イベント中にポーズができなかったりと、UI面で細かな不便さが目立ったように思います
- 落下ダメージ
少しの高さから落ちただけで大きなダメージを受けるのはやや不自然で、快適な探索のテンポを少し削いでいたように思いました。
まとめ

いかがだったでしょうか。今回は、『Stellar Blade』のクリアレビュー・評価をお届けしました。
『勝利の女神:NIKKE』で知られるSHIFT UP初のコンシューマー作品となった本作ですが、そのデビュー作とは思えない、圧巻のクオリティを誇る一作でした。
歯ごたえのある高難易度アクション、プレイヤーを引き込む重厚なストーリー、拡張性の高いスキルと探索要素、そして美しくも退廃的な世界観。そのどれもが一級品であり、まさに最高級のゲーム体験といえるものでした。
もちろん、アクションの難易度は高めなので、プレイヤーを選ぶ側面はありますが、本作が素晴らしい作品であることに疑いの余地はありません。SHIFT UPの、今後の展開にも大いに期待したいです。
この記事を読んで少しでも興味が湧いた方は、ぜひご自身の手で体験してみてください。
