【ソウルハッカーズ2】クリアレビュー・評価|面白さはあるものの、本作独自の魅力を生み出せず偉大な過去作の影に隠れてしまった作品

レビュー
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こんにちは。ヤマザキです。

今回は2022年8月25日に発売された「ソウルハッカーズ2」の評価・感想・レビューになります。

『ペルソナシリーズ』や『女神転生シリーズ』を手掛けるアトラスの完全新作です。筆者もペルソナシリーズの大ファンで本作の発売を楽しみにしておりました。
同じように気になっている方も多いのではないでしょうか。

結論から言って本作は、これまでのアトラス作品が持つ魅力を表現できている作品ではあるもののどうしても本作ならではの強みが薄く物足りないと感じてしまう作品になっていました。

この記事ではそんな本作の良いところや悪いところを中心に書いていきます。
購入の参考にしてみてください。

※シナリオのネタバレはできる限りしないようにしていますが、気になる方は注意を

この記事はこんな人にオススメ!
  • ソウルハッカーズ2』に興味がある
  • ソウルハッカーズ2』の評価・感想が知りたい人
  • ソウルハッカーズ2』の購入を迷っている人
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『ソウルハッカーズ2』とは

タイトルソウルハッカーズ2
ジャンルRPG
発売日2022年8月25日
発売元アトラス
クリア時間35時間(エンディングまで)
評価63点

ソウルハッカーズ2』は2022年8月25日にアトラスより発売されたRPGです。

ソウルハッカーズ2』というと名前にある通り、実は1997年にサガサターンで発売された「デビルサマナー ソウルハッカーズ」というソフトが前身となっており、シリーズ2作目になります。
世界観や設定など一部共通するところがあるようですが、物語としては完全に独立しています
筆者も前作はプレイできていないのですが、特に問題なくプレイできましたのでそこはご安心を。

そんな本作ですが、「本作ならではの尖りがない作品」いえると思います。
悪魔合体を活かした戦闘など面白い部分も数多く存在します。

しかしながらどれも「ペルソナシリーズ」や「女神転生シリーズ」にはない本作ならではの魅力とは言い難く、私個人の感想としては物足りなかったです。

本作から初めてアトラス作品に触れる人にとってはそれほど悪い印象を持たないかもしれませんが、アトラス作品への期待が強い人ほど期待外れだったという感想を持ちやすいかもしれません。

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『ソウルハッカーズ2』の良いところ

やはり面白い!アトラス特有の悪魔合体とそれを活かした戦闘

『ソウルハッカーズ2』でもペルソナや女神転生における悪魔合体の仕様が踏襲されています。
悪魔を合体し、別の悪魔を生み出すことで、理想の悪魔や自分だけのパーティを組んでいきます。

戦闘ではスキルによって弱点を突くことで戦況を有利に進めることを意識するシステムが採用されておりここは非常に面白いです。
こういった悪魔合体を駆使した育成要素と戦略性の高い戦闘は洗練されていてさすがの一言です

本作ではペルソナの総攻撃に当たるサバトなど、独自の仕様追加や変更がなされており、そこも楽
しむことができます。

戦闘画面

女神転生やペルソナにはない独自の世界観

物語のあらすじは世界を救うため、人類を超えた知性体 Aion の一人であるリンゴが仲間たちと共
に世界の破滅を回避するために奔走するというものです。
近未来 SF 要素が強く、舞台も現実の世界と近未来感が融合したような世界観にはひきつけられ
ます。

会話イベントの場所がバーになっていたり、仲間たちの掛け合いも基本的に落ち着いています。
こういった大人の雰囲気を持つRPGって珍しいですよ

こういったキャラや世界としての独自性は個人的にはかなり好きでした。

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『ソウルハッカーズ2』の気になったところ

薄味な物語と深堀が薄いキャラ達

前述した通り、キャラや世界観としては非常に魅力がありました。

しかし、物語の内容としてはかなり薄味だったように感じます。
展開としては基本的に予想がついてしまう展開が多く、簡素なムービーだけで進んでいきます。
正直、説明不足で展開が速いので、感情移入ができなかった印象が強いです。

キャラたちの深堀に関しても、ソウルマトリクスという無限生成のダンジョン内でされるとはいえ、メインストーリーの中でもう少し説明が欲しいところでした。

せっかく独特の世界観やキャラをもっていたのですが、「ありきたりで説明不足気味な物語」になってしまっいたように見えました。
ペルソナシリーズのようにキャラ達に愛着が湧き切らなかったのは残念です。

ダンジョンの造りがあまりに単調で飽きてしまう。

個人的に気になるのがマップ部分です。
風景はまったく変わらず基本的に平面で、迷路のように複雑なマップになっています。

単純で複雑なマップ構造から友人は「PS1 時代のマップを現代に持ってきた感じ」と言っていまし
た。

また単調だけならまだしも本作の場合、複雑なんです
特にワープなどのギミックは時間がかかるものになっていてただの尺稼ぎにしか見えませんでした。

ここに関してもかなり残念で、アトラスの作品は基本的に単調なダンジョンのイメージはあるのですが、『ペルソナ5』や『女神転生Ⅴ』ではそこに工夫も見えたような気がしていました。

ただ、その二つより後に発売された本作がより単調なマップ構造になっているのは…

単調なダンジョン

総評:本作独自の強みがない。偉大な過去作の影に隠れてしまった作品

ここまで書いてきましたが、本作一番の問題点は本作独自の魅力が薄いことです。

ゲームデザインが基本的にペルソナや女神転生などのシステムをベースにしているうえで、本作独
自の仕様を追加・変更しています。
戦闘は確かに面白いですし、世界観にも魅力はありますが、ペルソナや女神転生などと比べた時に
あえて本作を選ぶ魅力がありません

ベースが過去作品にあり、大きく変わっていないからこそ、過去作品と比べて…という視点で見られてしまいます。
悪い点があるというよりは本作ならではの尖りを生み出せませんでした。

アトラスの新規シリーズということで非常に期待していたのですが、偉大な過去作の影に隠れてし
まっている
というのが正直な感想です。
過去作を組み合わせて新たなシリーズを生み出すという心意気は良いと思うのですが、ゲームデザ
インとしては保守的になりすぎている
ように感じます。

世界観など光る部分もあり、だからこそもう少し新シリーズならではの挑戦を見てみたかった。