【FF7リバース】クリアレビュ・評価|あまりにも膨大なコンテンツ量と寄り道の楽しさに辞め時を失うJRPGの完成形【ファイナルファンタジーVII リバース】

レビュー
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こんにちは。ヤマザキです。

今回は『ファイナルファンタジーVII リバース』のクリアレビュー・評価になります。

この記事では本作の良いところや気になったところなど率直なレビューをお届けします。
購入の参考にしてみてください。

この記事はこんな人におすすめ!
  • 『ファイナルファンタジーVII リバース』の購入を検討されている方
  • 『ファイナルファンタジーVII リバース』の評価・感想が気になる方

※ストーリー上のネタバレはできる限り避けていますが、気になる方はご注意を

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はじめに

『ファイナルファンタジーVII リバース』(以下、FF7リバース)は、スクウェア・エニックスより2024年2月29日に発売されたRPGです。当初はPlayStation5(PS5)専売タイトルでしたが、2025年1月23日にはPC版も発売されました。

本作は、1997年にPlayStationで発売された名作『ファイナルファンタジーVII』(以下、原作)を全三部作でリメイクするプロジェクトの第2作目にあたります。2020年に発売された第1作『ファイナルファンタジーVII リメイク』の直接的な続編となります。

物語は、前作のラストで描かれた魔晄都市ミッドガルの脱出から、原作における重要な転換点である「忘らるる都」での出来事までを描いています。超大作として発売前から大きな期待が寄せられていた一方で、近年のスクウェア・エニックスに対する一部の評価や懸念から、期待と不安が入り混じる声も聞かれました。

そんな本作ですが、この度PC版が発売されたことを機に、実際にプレイしてみました。結論から言うと、発売前の不安を完全に払拭する、まさに文句のつけようのない素晴らしい出来栄えでした。 JRPGの一つの到達点を見せつけられたような、その完成度の高さには脱帽です。

ここからはそんな本作の魅力について語っていきます。

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『ファイナルファンタジーVII リバース』の魅力

ここからは、本作の魅力について、いくつかのポイントに分けてご紹介します。

1. さらに深みを増したバトルシステム

まずは、本作の戦闘システムについて見ていきましょう。基本的な部分は前作『ファイナルファンタジーVII リメイク』を踏襲しつつも、重要な進化を遂げています。

基本システムの継承と進化

通常攻撃やキャラクター固有のアビリティで攻撃を行います。それらの行動によってたまったATBゲージを消費することで、強力なアビリティや魔法といったコマンドを発動できる、アクション要素とコマンドバトルが融合した戦略的なバトルが特徴です。

戦闘は最大3人のパーティーメンバーで行われ、プレイヤーは操作キャラクターをリアルタイムで自由に切り替えることができます。どのキャラクターで、どのタイミングで、どのアクションを選択するかが戦況を左右するため、複数のキャラクターを巧みに連携させて戦う戦術性が、本作のバトルの醍醐味と言えるでしょう。

また、お馴染みのリミットブレイク(必殺技)や召喚獣も健在です。発動時には迫力満点の演出が挿入され、戦闘をドラマチックに盛り上げてくれるものになっています。

新要素:連携アクションによる爽快感の向上

本作『リバース』からの大きな追加要素として、「連携アクション」と「連携アビリティ」があります。

連携アクションは、特定のキャラクターの組み合わせで戦闘中にいつでも(ゲージ消費なしで)発動でき、戦況を有利に進めるための小技として役立ちます。一方、連携アビリティは連携ゲージを消費して放つ強力な合体攻撃で、メニュー画面でカスタマイズ可能になっています。これらの連携要素は、戦略の幅を広げるだけでなく、キャラクター同士の繋がりを感じさせる演出も魅力で、バトルをよりダイナミックで楽しいものにしていました。

プレイアブルキャラクターの追加

さらに、前作では仲間として登場しながらも操作できなかったレッドXIIIや、道中で新たに加わるユフィなどがプレイアブルキャラクターとして追加されました。加えて、特定の場面ではザックスやセフィロスといった原作の人気キャラクターを操作する機会もあります。各キャラクターには独自の戦闘スタイルやアビリティが用意されており、操作キャラクターが増えたことで、戦術の多様性が増し、新鮮なプレイフィールを味わうことができます。

難易度とゲームバランスについて

一方で、本作の難易度は、特に序盤や標準難易度(NORMAL)ではやや高めに感じられるかもしれません。これにはいくつかの理由があります

まず、前述の連携要素や新キャラクターの追加により、戦闘システムで『できること』が大幅に増え、全ての要素を把握し使いこなすには慣れが必要です。前作の操作を忘れていたり、シリーズ初心者だったりすると、最初は戸惑う場面もあるでしょう。

加えて、本作は広大なフィールドを探索する要素が加わり、探索やサブクエストといった膨大な「寄り道」コンテンツが用意されています。そのため、メインストーリーだけ進めると敵が強く感じられるバランスに設定されており、寄り道をこなしていく中で、自然と適正レベルまでキャラが育成されていくようになっていました。もちろん、アクションが苦手な方や、ストーリーをスムーズに楽しみたい方向けに、難易度の幅は用意されており、この点は安心なポイントです。

2. 魅力的なキャラクターと引き込まれる物語

本作の物語は、驚くべきことに、原作ではプレイアブルでなかったキャラクター「ザックス」を操作し、ミッドガル脱出直後で傷ついたクラウドたちを助けるという衝撃的なシーンから幕を開けます。 原作ファンにとっては、ザックスを自らの手で動かせるというだけでも感慨深い体験ですが、このシーンが持つ謎や意味深な描写は、序盤からプレイヤーを物語へと強く引き込みます。

また、ミッドガルという閉鎖的な都市を脱出したことで、物語の舞台は一気に広大な世界へと移ります。

仲間と共に各地を巡り、原作でお馴染みのロケーションを訪れながら冒険を進めていきます。本作では、前述の通り原作における重要な転換点「忘らるる都」までの出来事が描かれますが、同時に、前作『FF7リメイク』から示唆されてきた謎の存在「フィーラー」や、示唆される「パラレルワールド」の要素がどのように本筋に関わってくるのか、先が読めない展開に目が離せません。

圧倒的なクオリティの演出とムービー

そして、物語への没入感を高めているのが、圧倒的なクオリティで描かれるムービーシーンです。
非常に高い頻度で挿入される美麗なムービーは、重要な場面をドラマチックに彩り、プレイヤーの感情を揺さぶります。

さらに、コントローラーの振動やアダプティブトリガー(L2/R2ボタンの抵抗感が変化する機能)を活用した演出も効果的で、キャラクターの感情や状況がよりダイレクトに伝わってきます。こうしたストーリーテリングへの徹底的なこだわりには、驚かされるばかりです。

キャラクター描写の深化と魅力

本作では、キャラクターたちの魅力がさらに深く掘り下げられています。

ティファやバレットといったお馴染みの仲間たちはもちろん、新たにパーティに加わるレッドXIIIユフィによって、一行の旅はより賑やかで活気あるものになります。旅の道中では、各キャラクターの故郷を訪れたり、彼らの過去や心情に触れるイベントが豊富に用意されています。

特に、膨大な量のサブクエストでは、仲間たちとの交流や意外な一面を見ることができるエピソードが多く、メインストーリーとは違った彼らの魅力を発見できます。これらのサブクエストもフルボイスで丁寧に作られており、仲間たちとの冒険そのものを存分に楽しめるのは、本作の大きな魅力の一つでしょう。

3. オープンワールドと膨大すぎるやりこみ要素

本作では、ミッドガル脱出後の物語を描くにあたり、広大なフィールドを探索できるオープンワールド要素が導入されています。ゲームを進めると、緑豊かな草原や険しい山岳地帯など、様々なロケーションがプレイヤーを待っています。このオープンワールドの探索は、非常に楽しく作り込まれていました。

ワールドレポートの楽しさ

各地に点在する「通信塔」を起動すると、その周辺エリアの「ワールドレポート」がマップ上に表示されます。

これには、特定のモンスターを討伐する「討伐レポート」、新たな召喚獣の情報を得る「召喚獣レポート」、そして各エリアでチョコボに乗れるようにするための「チョコボレポート」など、多種多様なアクティビティが含まれています。

これらのレポートを達成していくことで、キャラクターの強化や新たなアイテムの入手などが行えます。各エリアのサブクエストと合わせて、このワールドレポートをこなしながら広大な世界を冒険していく体験はすごく面白いと感じました。

また、個々のアクティビティの作り込みも丁寧です。

例えば、討伐レポートでは、特定の条件を満たすことで追加報酬が得られたり、レポートを進める中でチャドリーなどがモンスターに関する豆知識を教えてくれたりと、単なる作業にならないような工夫が見られました。こうした細部へのこだわりが、探索をより豊かな体験にしてくれており、ストーリー主導型のゲームでありながら、これほど充実したオープンワールドの探索要素が盛り込まれている点には驚かされます。

膨大なミニゲームとその欠点

オープンワールド要素と並んで特筆すべきは、本作に収録されているミニゲームの圧倒的な数と作り込みです。

ストーリー進行上で必須となるものから、寄り道として楽しめるものまで、カードゲーム、ピアノ演奏、レース、シューティングなど、その種類は数えきれません。一つ一つのミニゲームのクオリティは非常に高く、「ここまで力を入れるのか!」と驚かされるほどで、それ自体が大きな楽しみの一つとなっています。

しかし、一方で、これらのミニゲームはストーリー進行上、強制的にプレイさせられる場面も少なくありません。中には難易度が高いものもあり、クリアするまで先に進めない状況が発生することがあります。

例えば、各エリアの探索に不可欠なチョコボを入手するための「チョコボレポート」などでは、何度もやり直しを強いられる場面がありました。 この点はかなりフラストレーションがたまった部分でしたし、作りこまれているとはいえ、さすがにミニゲームが多すぎると感じたのも事実です。

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その他:気になったところ

ストーリーについて

個人的に、本作はゲーム全体としては非常に高い完成度を誇り、素晴らしい作品だと感じています。しかしながら、ストーリー展開に関しては、いくつか気になる点があり、没入しきれない部分がありました。

まず、プレイ時間の長さについてです。

本作は寄り道要素も豊富で、1周クリアするだけでも100時間近くを要する膨大なボリュームとなっています。その上で、本作は元々一つの物語を三部作に分割したうちの2作目にあたります。この2作目だけで100時間近いプレイ時間となると、物語のテンポが間延びし、中だるみを感じてしまう場面がありました。もちろん、プレイヤーを飽きさせないための工夫が随所に凝らされており、目を見張る演出も多数ありましたが、それでも物語としてみると、常に寄り道をしているような感覚が拭えず、本筋の物語の目的を見失いがちになってしまいました。

また、物語の分かりやすさについても気になったポイントです。

本作は原作の物語も踏まえてうえで、リメイクならではの改編が行われて行われています。前作から存在が示されていたフィーラーやパラレルワールドなど、複雑な設定が追加された影響で、一部の展開がやや分かりにくくなっていると感じる部分がありました。前作の発売から4年が経過しており、前作のストーリーの詳細を忘れかけている状態でプレイした点影響したかもしれません。前作は、ゲームシステムこそ本作ほど野心的なゲームシステムではなかったかもしれませんが、クリア後に純粋に「早く物語の続きが知りたい」と思わせる引きありました。本作にも素晴らしい点は多々あるものの、ストーリー面でのその引きはやや薄れているように感じます。

加えて、完結編へのハードルの高さについて懸念しているポイントです。1作目と2作目を合わせると膨大なプレイ時間が必要となり、3作目をプレイするハードルはかなり高いのではないでしょうか。

オープンワールドにおけるシームレスさの課題

本作のオープンワールドは魅力的である一方、探索や戦闘におけるシームレスさという点では、いくつか気になる部分がありました。

一番に気になったのが、段差で躓く点についてです。
本作にはジャンプ操作がないため、フィールド上の段差は自動で乗り降りする仕様になっています。しかし、この自動判定がうまく機能しない場面も多く、「登れそうなのに登れない」といった状況にしばしば遭遇しました。他にも戦闘中はこの段差の自動判定が機能しないため、戦闘から逃げようとした先に段差があると、逃走が不可能になったり、特定の戦闘では逃走不可の円形バトルフィールドが展開されますが、オープンワールド上に展開されるため、その境界線が非常に分かりにくいなど、シームレスさを損なう部分が散見されました。

シームレスな体験をさせたいオープンワールドでの探索と、前作から引き継がれ、大きな変更が加えにくいエンカウント式のバトルシステムとの間に、若干の齟齬が生じていると感じました。ジャンプについてもバトル回りの変更ができないため、追加されず、戦闘時の移動制限などがそのままオープンワールドに持ち越された形になったのではないでしょうか。

これらの点は、ゲーム全体の評価を大きく下げるものではありませんが、オープンワールドとしてやりたいこととバトルシステムがあっていないのではないかと感じました。

まとめ

いかがだったでしょうか。今回は『ファイナルファンタジーVII リバース』のクリアレビュー・評価をお届けしました。

個人的には、発売前の期待を大きく上回る、非常に高い完成度の作品だと感じました。特に、広大な世界の探索と豊富なコンテンツを両立させたオープンワールドの作り込みは素晴らしく、現代のJRPGの一つの到達点を示してくれたように思います。一方で、本編レビューで触れたように、ずっと寄り道ばかりしている印象のメインストーリーなど、細かな部分で気になる点がなかったわけではありません。

しかし、それらを差し引いても、本作が圧倒的なボリュームと熱量で作られた、自信を持っておすすめできる傑作であることは間違いありません。原作ファンはもちろん、壮大な物語と進化したRPG体験を求めている方には、ぜひ手に取っていただきたい作品です。

少しでも興味を持たれた方は、ぜひプレイしてみてはいかがでしょうか。


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