【モンスターハンターワイルズ】クリアレビュー・評価|洗練性に欠ける部分もあるが…シリーズの当たり前を見直す挑戦とより遊びやすいゲーム体験を目指す改良が目立つ作品。

レビュー
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こんにちは。ヤマザキです。

今回は『モンスターハンターワイルズ』のクリアレビュー・評価になります。

この記事では本作の良いところや気になったところなど率直なレビューをお届けします。
購入の参考にしてみてください。

この記事はこんな人におすすめ!
  • 『モンスターハンターワイルズ』の購入を検討されている方
  • 『モンスターハンターワイルズ』の評価・感想が気になる方

※ストーリー上のネタバレはできる限り避けていますが、気になる方はご注意を

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はじめに

『モンスターハンターワイルズ』は、カプコンより2025年2月28日に発売されたアクションゲームです。対応ハードはps5、steam。

本作は、世界中で大人気のモンスターハンターシリーズ待望の最新作であり、発売前から非常に高い期待が寄せられていました。発売からわずか3日で全世界800万本を記録するなど、驚異的な売れ行きを見せている話題作です。

そんな本作ですが、結論から言えば、シリーズの「当たり前」を見直し、革新的な挑戦と遊びやすさを意識した改良が随所に見られる、非常に優れた作品だと感じました。ただし、新しい要素の中には洗練されていない部分も目立ち、今後のアップデートでの改善に期待したい点もあるという印象です。

今回は、そんな本作の魅力について詳しく語っていきたいと思います。

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進化したアクション

本作最大の魅力は、やはりそのアクションにあります。従来のシリーズ同様、多種多様なモンスターを討伐していくゲーム性は健在です。武器は片手剣、双剣、弓、ランスなど全14種類にも及び、それぞれに非常に多彩なアクションが用意されています。

武器を使いこなしながらモンスターを倒していく楽しさは、本作でも変わらず体験できます。その上で、本作ならではの進化点を紹介していきたいと思います。

新モーションが追加

本作では、前作から新たな武器種は追加されていませんが、各武器に新しいアクションが追加されています。

追加要素は武器種ごとに異なるため、全ての武器種の感覚をお伝えすることはできませんが、筆者が使用している弓の場合、チャージステップで敵の攻撃をジャスト回避すると、スタミナとゲージを回復する「見切り射ち」や、一定時間矢にホーミング性能を付与できる「導きの矢」など、アクションの形を変えるシステムがいくつか搭載されていました。また、ビンがアイテムとして消費するものではなくなり、戦闘中にゲージを溜めて毎回セットする形式になったのも大きな変化です。ビンの残量を気にする必要がなくなったのは良い点でしょう。

このように、新アクションが多数搭載されており、その操作感は『ワイルズ』独自のものになっています。ぜひ気になる武器種を体験してみてください。

戦闘中に2つの武器を切り替えられるように

メインとサブの武器を装備できる

また、戦闘中にセクレトに乗り、2つの武器を切り替えられるようになりました。

2種類の武器を常に携帯しておけるというのは、かなり面白い要素だと思います。個人的には属性弓の切り替えくらいにしか使っていませんが、戦略の幅が広がる要素になっていると感じており、活用方法はまだまだ広がりそうです。

傷口・集中モード

さらに、本作独自の要素として「傷口」というものがあります。

特定部位を攻撃し続けることで、「傷口」という弱点を作り出すことができます。傷口はL2長押しで発動する集中モードで攻撃すれば、大きなダメージを与えられます。

傷口を作り出し、それを破壊するという一連の流れは、本作独自の戦闘サイクルとなっており、面白いと感じました。

全19体の新モンスターの追加

モンハンシリーズとして、新モンスターの追加は大きな注目ポイントの一つではないでしょうか。

本作から新たに19体の新モンスターが追加されています。それぞれ独特なビジュアルと固有の動きが用意されており、対策と攻略を楽しむことができました。

ここでは、それぞれのモンスターについて詳しく触れることはしませんが、ぜひ実際に体験してみてください。

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従来のシリーズよりも魅せ方が意識された物語

本作の大きな特徴として、そのストーリーが挙げられます。
シナリオの流れ自体も独創的ですが、特筆すべきは、近年のストーリー重視RPGのように、ストーリーテリングが意識されている点です。

まず、質の高いムービーシーンが多く、その挿入タイミングが絶妙です。移動中にカメラを切り替え、その土地の特徴を見せるなど、プレイヤーの操作と物語・世界観の理解をスムーズに繋げる演出が効果的に機能していました。操作パートとムービーシーンをシームレスに切り替え、ストーリーを体験させるという感覚が強く意識されており、没入感が高いものになっていました。

従来のモンハンは、拠点でクエストを受け、狩猟するという流れが中心で、ストーリーはおまけ程度という側面がありました。しかし、本作では拠点やクエスト受注といった形式に縛られず、ストーリーがシームレスに展開されます。高品質なムービーと相まって、没入感は格段に向上しており、必見です。

ナタを通して描かれる物語

本作のあらすじは、禁足地を調査しに来たギルド(主人公)が、行き倒れている少年ナタを発見するところから始まります。ナタは謎の白いモンスターに襲われたとのこと。主人公は、ナタを襲った白いモンスターの正体を突き止めるため、現地を調査し、その謎に迫っていきます。

本作の物語において重要な役割を担うのが、ナタという少年です。彼は主人公たちとの冒険を通じて、世界のことを知っていくことになるのですが、その過程は、プレイヤーが世界観を理解していく感覚とリンクしており、高い棒没入感をもたらしていました。

さらに、本作では主人公やオトモが普通に喋ります。これにより、これまでの作品よりも主人公のアイデンティティが確立されており、物語重視の作品の描き方として良かったと思います。

物語への批判的な声について

ただし、本作の物語は批判的な意見も多いのも事実です。

特にムービーが長すぎるという声が目立ちます。確かにメインストーリーでは、狩猟よりも物語を進めることに重点が置かれている印象があります。操作中にストーリーが展開されていくRPGとしての見せ方は巧みですが、そもそもモンハンにストーリーを求めておらず、早く狩猟させて欲しいという意見も理解できます。

また移動中に操作できない時間が多く、これが物語への没入感に繋がれば良いのですが、モンハンの場合は操作できないもどかしさが勝ってしまうのかもしれません。単純にストーリーを進めるために移動ばかりさせられる展開が多いことも、悪印象に繋がっていると考えられます。RPG的な側面が強くなったことは、モンハンファンにとって良い点ばかりではないのかもしれません。

これまでの作品から進化したフィールド

本作のフィールドは、これまでのシリーズよりも広大なオープンワールドとしてなっており、各マップにそれぞれの特色が用意されており、探索要素としても十分に興味深い印象がありました。

特に従来の作品のフィールドよりも広く区切りがない点が特徴です。

拠点とフィールドが完全に分かれていたこれまでの作品とは異なり、各フィールドの中に拠点が存在するようになりました。これまでは、探索に行くにもクエストを受注する必要がありましたが、今作では、いつでも自由に世界を探索できます。この自由に世界を探索できるフィールド構造は、従来のモンハンとは明らかに異なります。

そのうえ、移動手段であるセクレトは目的地まで自動追従を行ってくれるため、迷うことが少ないのも素晴らしいポイントだったと思います。特にモンハンワールドでは複雑で広いマップのどこにモンスターがいるのか迷いやすい印象があったので、この自動移動という要素は、革新的な印象も受けました。なお、支給品はセクレトに乗っている状態で確認受け取りをすることができ、これまでの当たり前だった無駄を省こうとする姿勢は好印象でした。

ただし、セクレトの自動移動機能は最適しきれていない部分もあり、少し寄り道しようとすると自動移動が解除されずに奇妙な挙動になるなど、さらなる改善を期待したいところです。

広大なフィールドの課題

ただし、この広大なフィールドにはいくつかの課題も存在すると感じています。

まず、戦闘に適していない地形が多い点が挙げられます。無駄に狭い場所で大型モンスターと戦う羽目になるなど、モンスターとの戦闘を考慮した設計とは言い難い箇所が見受けられます。

また、NPCの居場所が分かりづらいのも不満点です。拠点が複数箇所に点在するようになったため、従来のようにNPCが特定の場所に固定されているわけではなく、動き回るようになりました。その結果、「あのNPCはどこに行った?」という状況が頻発し、特にサブクエストを進める際にはストレスを感じることが多く、改善を期待したいです。さらに、クエストボードの役割を担うアルマが動き回るのも、リアルではありますが、少々煩雑だと感じます。

遊びやすさが意識された改良が目立つ

本作は、全体を通して遊びやすさを重視した改良が随所に見られる点が印象的でした。

前述したシークレットの移動機能に加えて、他にも多くの改善が施されています。シリーズにおける「当たり前」を見直し、より快適なプレイ体験を提供するという姿勢は、非常に評価できると感じています。特に便利だと感じた点をいくつかご紹介します。

最適体力回復のショートカットについて

本作でも、従来のシリーズ同様に戦闘中に使用するショートカットを利用できますが、今作には「最適体力回復」というショートカットが新たに搭載されました。これは、自動的に最適な回復アイテムを選んで使用してくれるというものです。これまでのシリーズでは、自分で状況に合わせて最適なアイテムを選択する必要があり、戦闘中にアイテムを切り替え続ける場面も頻繁にありました。

特に不満に思っていたわけではありませんが、この「最適体力回復」ショートカットを使ってみると、その便利さには驚かされました。

救難信号について

従来の作品にも存在した救難信号ですが、本作ではその仕様が進化しました。本来、マルチプレイで救難を求めるための機能ですが、本作では救難信号を発信すると、サポートメンバーと呼ばれるNPCたちが自動で参加するようになりました。

もちろん、従来通りマルチプレイで他のプレイヤーを呼ぶことも可能ですが、設定でNPCのみにすることもできます。この仕様は、マルチプレイにハードルを感じているユーザー、特にシリーズ初心者にとっては非常にありがたいのではないでしょうか。また、マルチプレイで救難信号を送っても、他プレイヤーが駆けつけるまでに時間がかかることも多いですが、待っている間は、NPCたちが一緒に戦ってくれます。

このNPCたちは、際立って火力が高いというわけではありませんが、状況に応じて最適な行動をとってくれるため、非常に優秀です。マルチプレイに抵抗があるプレイヤーも多い一方で、ソロプレイでは難易度が跳ね上がってしまう傾向があったため、このシステムは非常にありがたいと感じました。

毎回食べる必要がなくなった料理について

本作では、シリーズおなじみの料理システムについても変更が加えられています。

従来の料理は、拠点でクエストに出発する前に食べるもので、その効果はクエスト内でのみ有効でした。そのため、クエストごとに毎回料理を食べ直すことが習慣になっていたのですが、本作ではクエストをまたいでも料理の効果時間が継続するようになりました。

これは、ゲーム体験全体をシームレスにするという意図によるものだと思いますが、毎回料理を食べ直す必要がなくなったのは個人的に良い点だと感じています。食堂のような場所がなくなり、携帯焚き木台だけになってしまったのは少し味気ない気もしますが、毎回料理を食べるという従来の「当たり前」を見直した点は評価できます。

その他:気になったところ

そのほかの面で気になったところを紹介していきます。

煩雑なUIについて

本作は全体を通して、これまでのシリーズの「当たり前」を見直した挑戦が行われており、その姿勢は評価できます。しかし、UIに関しては、その変化についていけていなかったり、むしろ退化していると感じる面も目立ちます。

一番に、マップの使い勝手が悪いと感じます。

カーソル移動や拡縮操作が、思ったよりも大きく動くため、思った通りの操作ができません。また、開いたマップが簡単に回転してしまうため、ミニマップとマップボタンで開くマップの方角が異なり、方向感覚が掴みづらくなります。過去の作品では可能だった特定のアイコンの非表示機能が廃止されていたり、何階層にもわたるマップ構造が見づらく、どこに何があるか把握するのが困難な点、さらにファストトラベルのボタンが十字キー右に割り当てられている理由が理解できません。

またほかにも、アイテムポーチやアイテムボックスが見づらかったり、チュートリアル的なお知らせが表示されている間はマップが開けなくなる(お知らせを閉じる動作がパッドボタンに割り当てられているため)、表示が分かりづらくどこに行けば良いのか迷ってしまうサブクエストなどもあります。

これらのUIに関する不満を挙げればきりがありません。過去作品からの変化が多く、対応が難しいのは理解できますが、やはり厳しめの評価をせざるを得ないと感じます。

簡易キャンプについて

本作では、比較的安全な地点に簡易キャンプを設置することができます。簡易キャンプはファストトラベルなども行える地点となっており、広大なフィールドを探索する上で重要な役割を担っています。しかし、このキャンプが頻繁に壊されてしまう点が気になります。

戦闘中に「簡易キャンプが壊されました」という通知が来ることがあります。これは、文字通りそのキャンプが使用不可能になったことを意味します。壊された簡易キャンプは、時間経過を待つか、ポイントを消費しないと修理できません。

個人的には、この仕様の意図が理解できませんでした。

広大なフィールドであり、前述した通りマップが見づらいため、地形を覚えにくい状況です。その上で、ファストトラベルできたり、できなかったりするキャンプの存在は、混乱を招くだけのように感じます。簡易キャンプを壊されないようにするという遊びがあるわけでもなく、疑問が残ります。一度設置したキャンプは壊されず、永続的に使用可能であっても良かったのではないかと感じます。単純に気になるところです。

ボリューム面はどうなのか

また、多くの指摘があるボリューム面についても触れておきたいと思います。

本作のボリュームは、下位のストーリークリアまで20時間程度、上位のストーリークリアまで30時間程度です。筆者は特に急いでいたわけではないので、急げばもっと早くクリアすることも可能です。確かに、モンハンというAAAタイトルにしては、少ない印象を受けるという意見も頷けます。

ただし、コンテンツ量としては、多種多様な敵、広大なオープンワールドの実装など決して少なくありませんし、やりこみ要素も豊富に用意されているため、個人的には十分なボリュームだと感じています。気になる方は、あくまで参考程度に捉えていただければと思います。

まとめ

いかがだったでしょうか。今回は『モンスターハンターワイルズ』のクリアレビュー・評価をお届けしました。

賛否両論の声も大きいものの、個人的には非常に完成度の高い、面白い作品だと感じています。

特に傷口システムと集中モードによる、本作独自の戦闘の流れは非常に魅力的に感じました。ストーリーの進め方やフィールド構造の変化についても、革新的な新たなシステムへの挑戦として肯定的に捉えています。正直、洗練性に欠ける部分も存在しますが、こちらは今後の改善に期待したいと思います。

遊んでみて損はない作品であることは間違いありません。気になる方はぜひ購入を検討してみてはいかがでしょうか。

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