はじめに
『鳴潮』は、2024年5月23日にリリースされた基本プレイ無料のオープンワールドアクションRPGです。
リリース当初からアクションやグラフィックの完成度は非常に高かった一方で、難解なストーリーや専門用語の多さ、遊びづらさなど課題も目立っていました。筆者自身もアクションには強く惹かれながら、ストーリーについていけず、当時のメインストーリーをクリアしたところで一度プレイから離れています。
そんな『鳴潮』の印象が大きく変わったのが、2025年1月に実装されたVer.2.0でした。
新地域「リナシータ」の追加やPS5版のリリースだけでなく、物語の見せ方やキャラクター描写、遊びやすさなど、作品全体の完成度が大きく向上。筆者自身も改めてプレイし、「同じゲームとは思えない」と感じるほど印象が変わりました。
そして振り返ってみると、Ver.2.0は単なる大型アップデートではなく、『鳴潮』がリリース初期の印象から大きく巻き返していく転換点だったように思います。その後も『鳴潮』は大型アップデートを重ね、現在まで継続して成長を続けています。今回は、そんな『鳴潮』がリリース当初からVer.2.0でどのように変わり、その後の成長につながっていったのかを振り返っていきます。
✓ リリース当初に断念したが、また『鳴潮』について気になっている復帰勢の方
✓ これから鳴潮を始めようかと考えている方
リリース当初の『鳴潮』はどんなゲームだった?
まず、『鳴潮』がどのように変化したのかを語る前に、リリース当初の本作がどのような作品で、どのように受け止められていたのかを振り返ってみたいと思います。
圧倒的なアクションが魅力のオープンワールドRPG

『鳴潮』は、オープンワールド型のアクションRPGになっており、ゲーム性は『原神』にかなり似ています。
プレイヤーは、ストーリーを軸に物語を進めていくことになります。
その最大の特徴は、圧倒的なアクションの完成度にありました。
キャラクターごとに異なる性質を持ち、戦い方のバリエーションも豊富です。メインアタッカー、サブアタッカー、ヒーラーなど、キャラクターごとに役割が異なるうえ、組み合わせの自由度も高く、独自の戦闘スタイルを持つキャラクターも存在するため、様々な手触りのアクションを楽しめます。
何より美麗なグラフィックとド派手な演出が際立っており、爽快感がすごく、見ているだけでも楽しめます。

モンスターを素材にした「音骸」など、育成要素にも独自性がある点も魅力的でした。
フィールド上のモンスターを倒すと、低確率で「音骸」となり、プレイヤーの装備として利用できます。ステータス補正や組み合わせによる効果もあり、育成要素として非常に魅力的です。何より収集要素になっているため、やりこみ要素としては革新的なものでした。
また、探索面では、スタミナが豊富に用意され、壁を走れるようになっており、全体的に見ても『原神』を進化させたような部分は目立っていました。ゲーム全体のクオリティは非常に高い作品になっています。
一方で、ストーリーの分かりづらさが大きな壁に

そんなクオリティの高い本作ですが、致命的な問題点がありました。
それは、あまりにも理解できないストーリーです。
世界観が非常に難解なうえ、専門用語も多用される傾向になります。難しい内容でなくても、専門用語と中国語的な言い回しのせいで、何が起きているのか理解しづらくなっています。状況は読み取れないことはないものの、感情移入ができませんでしたし、全く印象に残らず、まさに置いてけぼり状態でした。盛り上がる場面も用意されているものの、やはり「よく分からない」という気持ちが勝ってしまい、個人的にはストーリーを進めるのが非常に苦痛でした。
そのせいで、キャラクターについても、当時は魅力を感じることができませんでした。
これは、ガチャを引かせたい基本無料ゲームとしては致命的だと感じていますし、これらの要因から断念した人も多いのではないでしょうか。筆者もその一人で、リリース当初、メインストーリーをクリアした以降は、全く触れていませんでした。
また、スマートフォンへの最適化不足も目立っており、そのうえコンシューマー機でプレイできなかったので、単純に窓口が狭いことも問題でした。
Ver.2.0で『鳴潮』はどう変わった?
では、それを踏まえた上で、現在の「鳴潮」がどのように変化したのかについてですが、
結論から言うと、運営の努力により、作品の魅力が格段に向上しており、初期の頃とは見違えるほどの進化を果たしました。具体的に、初期の頃から何が変わったのか、いくつかのポイントを紹介したいと思います。
その1:物語が圧倒的に分かりやすくなった

まず、先ほど問題点として挙げた物語についてですが、以前と比べて圧倒的に良くなったと感じています。
何より、非常に分かりやすくなりました。新たに追加された物語では、専門用語や独特の言い回しが減り、初期の頃にあった異常なまでの難解さはかなり緩和されています。
独特の言い回しについては、ローカライズの問題もあったのかもしれません。また、物語をわかりやすくしてくれるアブというマスコット的な存在が登場するようになったのも大きいですね。
超高クオリティなビジュアル表現に注目

また、高クオリティなビジュアル表現についても注目すべき点でしょう。
何より、特にムービーを含めたイベントシーンのクオリティが高く、その数が非常に多いです。以前からクオリティは高かったものの、ここぞという場面での使い方が洗練された印象で、ストーリーが盛り上がるタイミングで、ピンポイントでムービーが挿入されます。単純にテンションが上がりますし、没入感が本当にすごいです。

また、演出のパターンも非常に豊富になっています。
息をのむような展開も度々見られ、リリース当初は全く魅力を感じなかった物語に、ここまで魅力を感じるようになったことには、個人的にも非常に驚いています。
Ver.2.0からは新たな舞台「リナシータ」も実装

そして、Ver.2.0では、新たな舞台「リナシータ」が実装され、物語の雰囲気も大きく変わりました。
ここでは、初期の頃の難解さは全く感じられず、分かりやすい上に、キャラクターの魅力が明確に描かれており、ストーリーという面では文句の付けようがないと思います。また、1章の舞台である瑝瓏(こうりゅう)の頃とは登場キャラクターも一新されており、ストーリー上の繋がりもほとんどありません。これまでストーリーや世界観が合わなかったという方も、これを機に改めてプレイしてみるのもおすすめです。
その2:キャラクターの魅力が伝わる物語へ

各キャラクターの魅力が丁寧に描かれるようになったのも大きな変化です。
リリース当初に実装されていた1章6幕までの物語は、あくまで舞台となる瑝瓏(こうりゅう)の危機回避が中心でした。しかし、7幕からは大きく展開が変わります。
これまで隠されていた主人公の正体や、各登場キャラクターの魅力が存分に描かれるようになります。特に1章8幕では、主人公の正体と「ショアキーパー」というキャラクターに焦点が当てられています。これまでの伏線が回収されていく展開や、ついつい見入ってしまう物語にはぜひ注目していただきたいです。物語を終える頃には、「ショアキーパー」の魅力が十分に伝わっており、「このキャラクターが欲しい」というガチャ欲につながっているのも、大きな変化だと思います。
個人的には、このころには、初期までの物語はつまらないという印象はなくなっており、ダークな世界観と魅力的なキャラたちが織りなす物語に、本作でしか味わえない魅力を感じるようになりました。
メインストーリーに引けを取らない「連星任務」

そして、キャラクターの魅力を引き出すという点においては、「連星任務」も欠かせない要素でしょう。
「連星任務」は、各キャラクターの個性に焦点が当てられた任務(クエスト)のことです。こういったシステムは他のゲームでも見られますが、この「連星任務」は本当に力がこもっています。メインストーリーに劣らないほどムービーシーンの数が多く、それぞれのキャラクターのエピソードは非常に濃密なものになっています。
これもまた、「鳴潮」の重厚な世界観がキャラクターの魅力を引き出すことに大きく貢献しており、陰鬱ながらもはかない物語の数々は、任務を終える頃には、映画を観終えたような気分になります。これも本当に素晴らしい点です。
その3:コンテンツが増え、遊び続けやすくなった

また、アップデートを重ねる中で、コンテンツの量が豊富になった点も評価できるでしょう。
単純にキャラクターが増え、ガチャでは復刻も含めて星5キャラクターが2体同時にピックアップされるようになったのは大きな変化です。正直なところ、リリース当初はピックアップ対象が1体のみで物足りなさを感じることもあったのですが、2体同時であれば、どちらかのキャラクターは欲しいと感じるユーザーも多いのではないでしょうか。
様々なキャラクターが増えたことで、攻撃時の手触り(操作感)のバリエーションが本当に豊かになりました。以前にも述べたように、各キャラクターごとに異なる爽快感が用意されており、きっと自分にぴったりのアクション性を持つキャラクターが見つかるはずです。
ゲームボリュームが増えたことで、より多くの人が遊びやすくなったと感じます。
その4:細かなシステムも着実に改善
また、リリース当初には手が回っていなかった部分についても、着実に改良が重ねられています。
リリース当初に気になっていた細かな部分についても、アップデートを重ねる中で着実に改善されていきました。こうした積み重ねも、Ver.2.0で感じた作品全体の遊びやすさにつながっていたと思います。リリース当初からここまでの進化をもたらした要因の一つかもしれません。個人的に感じた改善点を紹介しておきます。
スマホでもプレイしやすく
リリース当初は推奨スペックが高く、発熱や動作の不安定さが見られました。また、スマホコントローラーにも対応していませんでした。しかし、その後のアップデートでは、スマートフォンでの動作改善やコントローラー対応なども進みました。
PS5版のリリース
PS5版の登場によって、コンシューマーゲーム機から触れられるようになったことも大きな変化でした。
主人公の性別変更が可能に
個人的には、「鳴潮」の物語は、男性主人公がより世界観に合っていると感じているのですが、女主人公で始めてしまい、男主人公に変えたかったので、この変更は助かりました。
超過スタミナの貯蓄システムの追加
まとめ:Ver.2.0は『鳴潮』復活の大きな転換点だった

今回は、『鳴潮』がリリース初期からVer.2.0でどのように変化したのかを振り返りました。
リリース当初から、アクションやグラフィックには高いポテンシャルを感じていた一方で、難解なストーリーや専門用語の多さなど、個人的にはかなり遊び続けづらい作品でもありました。
しかしVer.2.0では、物語の見せ方やキャラクター描写、コンテンツ、遊びやすさが大きく改善され、作品全体の印象が大きく変わりました。特に、リナシータ以降のストーリーやキャラクターの描き方は、リリース初期とは明確に違う魅力を持っていたと思います。振り返ってみると、Ver.2.0は単なる大型アップデートではなく、『鳴潮』がリリース初期の評価から巻き返し、その後の成長につながっていく大きな転換点でした。
その後もアップデートは続き、『鳴潮』は現在まで成長を続けています。
リリース当初に一度離れた筆者自身が、Ver.2.0をきっかけに「もう一度遊びたい」と思えたこと。それこそが、このアップデートによる変化の大きさを一番表しているように感じます。













