【終のステラ】クリアレビュー・評価|終末的な世界で生きるアンドロイドの少女を描く物語は良い意味で「Keyらしくない」想像を裏切る感動的な物語

レビュー
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こんにちは。ヤマザキです。

今回は『終のステラ』のクリアレビュー・評価になります。

この記事では本作の良いところや気になったところなど率直なレビューをお届けします。
購入の参考にしてみてください。

この記事のこんな人におすすめ
  • 『終のステラ』の購入を検討されている方
  • 『終のステラ』の評価・感想が知りたい方

※ネタバレはできる限り避けていますが、全く情報を入れずに本作をプレイしたいという方はご注意ください。

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はじめに

『終のステラ』は、2022年9月30日にビジュアルアーツから発売されたノベルゲームです。

Keyブランドの作品であり、「CLANNAD(クラナド)」や「リトルバスターズ!」といったアニメ化もされた人気作を手掛けていることで知られています。個人的にも非常に期待していた作品でした。つい先日、2024年12月5日にはNintendo Switch版も発売され、今まさに話題を集めている注目作と言えるでしょう。

さて、そんな本作をプレイした評価ですが、結論から言うとあまりにも良すぎました

Key作品といえば、コミカルな笑いと感動的な展開が魅力というイメージが強いかもしれませんが、『終のステラ』は、そのイメージを良い意味で裏切ってくるすさまじい作品でした。過酷で残酷な世界観を舞台に、アンドロイドの少女と運び屋の青年が織りなす物語は、程よい緊張感と目が離せない展開の連続で、ほぼノンストップで最後までプレイしてしまいました。

今回は、そんな本作の魅力を余すところなく紹介したいと思います。

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『終のステラ』のあらすじ

地球が、すでに人類の世界ではなくなってから久しい。
世界はシンギュラリティを起こした機械群に支配され、人々はその片隅で、息を潜めて生き長らえていた。

運び屋“ジュード”の元に、依頼が舞い込む。 それはシンギュラリティ機械群の影響を受けない、 少女型アンドロイド“フィリア” を輸送して欲しいというものだった。
世間知らずなフィリアの行動に嫌気がさしながらも、ジュードは旅を始める。 時には略奪を繰り返す人間から逃げ、時には機械群が闊歩する危険地帯を通り抜け、 輸送依頼を果たそうとする。

フィリアは何度も人間になりたいと口にする。
遥か空の先に辿り着けば、 アンドロイドは人間になれると言うのだが……?

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『終のステラ』の魅力

ここからは本作の魅力をいくつかのポイントに分けて紹介します。

その1:先が気になり、辞め時を失うストーリー

本作の最大の魅力は、何といってもそのシナリオにあります。

物語は運び屋であるジュードが、アンドロイドの少女フィリアと出会いうところから始ままり、彼女を依頼人の元に届けるため、長い旅に出るというシンプルな導入から始まります。ただ次々と巧みに謎が提示され、プレイヤーは物語に引き込まれていきます。

特にフィリアの存在には注目したいところです

彼女は超高性能なアンドロイドであり、人間のように感情を持ち、お腹を空かせたり、けがをしたりします。しかし、機械のような高度な演算能力は持ちません。なぜ彼女はこのように作られたのか? そして、彼女を創った謎の人物の目的とは何なのか? この謎が軸に物語が展開していきます。

また、終末的な世界にも謎は多く描かれています。

人類の脅威となる「シンギュラリティマシン」は怖さや残酷さは本作の中でもかなり丁寧に描かれているのですが、なぜそのようなものが誕生したのか、そして現在の世界がどうなっているのか、この世界に対する謎も挙げればきりがありません。

それらの謎が徐々に明らかになっていく展開には自然と引き込まれますし、謎の答え合わせとキャラクターの魅力の描き方のバランスが本当にうまく、まさに辞め時を失ってプレイし続けてしました。

感動的な描き方に注目

本作には、Key作品ならではの感動的な展開も数多く用意されています。

具体的な内容についてはネタバレになるため詳しく語ることは避けますが、プレイ中には思わず「まじか…」と声に出してしまうような衝撃的な展開が何度も訪れました。また、物語を彩る音楽も素晴らしく、エンディングの喪失感とその余韻は格別です。

長い時間をかけて主人公たちと共に冒険してきたプレイヤーだからこそ、深く感動できる内容になっていると言えるでしょう。感動的な作品を探している方には、ぜひプレイしていただきたいです。

その2. 魅力的な終末世界の描き方

本作『終のステラ』の舞台は、人類が滅亡寸前の近未来です。

この世界では、超高度な文明と原始的な技術が共存しており、教育を受けられなかった人々が野人として暮らしていおり、人類は石器時代まで退化したといわれる一方で、我々の世界の技術では想像もできないような超高度な技術が残されています。プレイヤーにとっても、この世界は未知のもので満ちており、新鮮な気持ちで世界観に没頭することができます。

過酷な世界の描き方に注目

また、本作の世界感は非常に残酷です。

閉鎖的な村にいけば、平気で殺されそうになったり、普通の場所でも略奪が日常的に行われています。旅先でも幾多の死体を目にすることになったり、はたまた自分たちが襲われてしまい、襲撃者の命を奪わなければならなくなったり、あまりも厳しくめをそむけたくなる現実もしっかり描かれていました。

そんな世界で目覚めたばかりのフィリアは、現代を生きる我々と同じように平和的な思考の持ち主です。行く先々で、自身の考えの甘さや現実の厳しさを目の当たりにしていくことになる彼女の姿は、何も知らない純粋なアンドロイドであるからこそ、プレイヤー自身の等身大の姿として映り、没入感を高めてくれている感じます。物語には常に常に命の危険にさらされる緊張感が漂っており、全くだれず物語を読み進めていくことができるでしょう。

終末な世界を冒険していく魅力

また、旅先で描かれる風景描写も非常に印象的でした。

高度な技術で作られた道や古代遺跡、そこで描かれる環境や景色は、まるで自分が冒険をしているかのような没入感を与えてくれます。この終末的な未知の世界を旅をしている感覚はすごく好きでしたし、フィリアとともにわくわくしてしまいました。

その3. 魅力的なキャラクターと「人間とは何か」を問う物語

また、本作の登場人物は本当に魅力的で、どのキャラも印象に残っています。

特にジュードとフィリアの関係性には注目です。

ジュードは仕事人間で、人との関わりを避けてきた人物ですが、彼の心の奥には優しさがあります。対して、何も知らない純粋なフィリアとの対比が魅力的で、二人の成長や掛け合いが物語をより深くしています。特にフィリアの可愛さは格別で、彼女の存在が物語に華を添えています。

また、アンドロイドを通して描く「人間とは何のか」というテーマもすごく好きな部分です。

フィリアは物語序盤から「人間になりたい」という強い意志を持っています。感情表現も豊かなアンドロイドである一方で、人間でありながら人間扱いされない者やアンドロイドでありながら、誰よりも人間らしい姿を見せてくれるキャラとも出会うことになります。この体験を通じて、「人間とは何か?」というテーマが繰り返しプレイヤーに投げかけられます。このテーマは古典的でありつつも、ついつい考えさせられてしまうようなものになっていました。

その4:その他の完成度

また、ここまでシナリオの魅力を紹介してきたのですが、ビジュアルや演出面・UI、音楽といったそれぞれのクオリティも非常に高いと感じました。

特に絵の枚数が多いうえ、常に動き加える演出が臨場感を生み出しており、非常に良いと感じました。Key作品でありながら「Type-Moon」のような凝った演出の数々には驚きましたし、全体的に「Keyらしくない」挑戦が詰まっている印象は受けました。

シナリオを彩る要素についても、意識見てみると楽しいかもしれません。

まとめ

いかがだったでしょうか。

今回は『終のステラ』の評価/感想をお届けしました。残酷で終末的な世界観と、主人公とアンドロイドと少女の物語は、まさに辞め時を見失い、没頭してプレイしてしまいました。何より、感動的であるという点は共通しているものの、この残酷な世界観と緊張感の描き方が「Keyらしくない」と感じていて、良い意味で想像を裏切られました。

プレイ時間は10時間ほどとコンパクトではあるものの、価格もセール時は1000円程度で買えますし、非常にコスパの良い作品です。評判もsteamでは「圧倒的に好評」になっており、評価されてさている作品であることが分かります。

こんな素晴らしい作品の割にはマイナーな作品にとどまっている印象はあり、今回switch版も発売されたことですし、ぜひこの遊んでいただきたい作品です。きっと心に残る名作になること間違いなしです。

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