【ライザのアトリエ2 〜失われた伝承と秘密の妖精〜】クリアレビュー・評価|前作から進化を遂げたナンバリング2作目。圧倒的なバトルシステムの魅力はすごいが

レビュー
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こんにちは。ヤマザキです。

今回は『ライザのアトリエ2 〜失われた伝承と秘密の妖精〜』のクリアレビュー・評価になります。

この記事では本作の良いところや気になったところなど率直なレビューをお届けします。
購入の参考にしてみてください。

この記事のこんな人におすすめ
  • 『ライザのアトリエ2 〜失われた伝承と秘密の妖精〜』の購入を検討されている方
  • 『ライザのアトリエ2 〜失われた伝承と秘密の妖精〜』の評価・感想が知りたい方

※ネタバレはできる限り避けていますが、全く情報を入れずに本作をプレイしたいという方はご注意ください。

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はじめに

『ライザのアトリエ2 〜失われた伝承と秘密の妖精〜』は、2021年1月26日にコーエーテクモゲームスから発売されたRPG作品です。本作は、2019年に発売された『ライザのアトリエ ~常闇の女王と秘密の隠れ家~』の続編にあたるナンバリングタイトルです。

今回、プレイしてみてが、予想を上回るゲーム性の進化に驚かされました。
特にバトルシステムは非常に洗練されていましたし、遺跡を舞台にしたダンジョン攻略など、新たな試みも随所に見られ、その挑戦的な姿勢には感銘を受けます。しかし、前作を基盤としながらも、大きく進化している一方で、前作のファンであっても、人を選ぶ部分もあると感じました。

結論を先に述べると、私は選ばれませんでした。
完成度が非常に高いに対して、どこが合わなかったと感じるのか、その点も含めて本作の魅力と気になるポイントについて詳しく解説していきます。

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進化したバトルシステムについて

本作最大の魅力は、何と言っても進化したバトルシステムにあります。
リアルタイムで状況が変化するコマンドバトルは、従来のコマンドバトルよりも臨場感あふれるものになっています。

基本の流れとしては、攻撃によってAPを溜め、そのAPを消費してスキルを発動することでバトルが進行します。また、今作からガードが追加されたことで、自身のターン以外でもプレイヤーの介入が必要となり、より戦略性と緊張感が増しました。

前作から進化したポイントを中心に解説します。

タクティクスレベルについて

特に注目すべきは、タクティクスレベルの変更点です。

本作でタクティクスレベルは、APの消費量に応じて自動的に上昇するシステムに変更されました。タクティクスレベルが上がると、APの最大値や回復量が上昇し、よりスピーディーなバトル展開が可能になります。

前作では、APを最大まで溜めてから消費することでタクティクスレベルが上昇する仕様でした。APを溜めてタクティクスレベルを上げるか、スキルを優先して一時的なアクションを行うかという選択肢は面白かったものの、テンポが悪く、特に雑魚戦では無駄に時間がかかる印象がありました。しかし、本作では消費量に応じて自動的にレベルが上がるため、バトルテンポが格段に向上しています。

アイテムの使い方について

また、アイテムの使用方法についても変更が加えられています。
アイテムを使用するには、コアチャージ(CC)と呼ばれるポイントを消費する必要があります。

前作では、コアチャージの保持数が固定で、戦闘後も引き継がれ、拠点に戻ると全回復する仕様でした。つまり、戦闘中に使用できるアイテムの数は限られていました。しかし、本作ではスキル発動によってCCが溜まるため、アイテム使用においてもリアルタイムでのポイント管理が求められるようになりました。

アイテム使用時の演出も派手になり、よりリアルタイムバトルシステムに組み込まれた形になっています。さらに、アイテム関連のコアシャードと呼ばれるポイントを使用することで、コアチャージの最大値を強化できるなど、育成要素としても楽しめます。

これらの変更点により、よりテンポよく爽快感あふれるバトルを体験できるようになっており、この進化には驚かされました。このバトルシステムに楽しさを感じることができれば、そのプレイヤーの魅力に格段に上がるでしょう。

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遺跡攻略/フィールド探索について

ダンジョン攻略やフィールドの探索要素について、これまでのアトリエシリーズにはないの挑戦的な内容になっている一方で、人を選ぶ分もあると感じました。

新たなフィールドアクションの追加

本作では、新たなフィールドアクションが追加されており、探索の幅が大きく広がっています。

例えば、壁をよじ登ったり、水中で自由に泳ぎ回ったり、ロープを使って対岸に渡ったりと、従来のシリーズにはなかった多彩なアクションが追加されています。

さらに、水中に潜ってアイテムを採集するなど、新たな体験も盛り込まれており、単純な部分ではありますが、行ける場所が増えたことによる進化は、探索をより一層楽しませてくれます。

遺跡探索について

遺跡内の探索後、画像のようなパズルを踏めていく

本作では、シナリオを進める中で、各地の遺跡を巡り、「追憶の羅針盤」の情報をもとに遺跡の謎を解き明かしていくことになります。遺跡探索は、本作のダンジョンにおける重要な要素であり、謎解き的なギミックが数多く組み込まれています。

各遺跡(ダンジョン)の攻略手順は、以下の通りです。

  1. 遺跡内でアイテムを採集したり、シンボルボスを倒したりすることで羅針盤を活性化させる。
  2. 遺跡内に散らばった「かけら」(情報)を集める。
  3. 集めた「かけら」をパズルのように整理する。
  4. パズルを完成させるとレシピを入手し、そのレシピがメインストーリーの進行に必要になる。

このように、遺跡の謎を解き明かしていくという体験は、非常に新鮮なものでした。
特にパズル形式で情報を当てはめていく流れをアドベンチャーゲームのような体験になっており、これをアトリエシリーズに組み込んだことは面白い挑戦だったと感じました。

個人的には退屈に感じてしまった…

ダンジョン内にあるかけら

ただし、個人的にはかなり退屈に感じてしまいました。
遺跡探索は本作の重要な要素ですが、まず、時間がかかりすぎると感じました。羅針盤の活性化、かけら集め、アイテム調合、そして目的地への移動と、強制的に長いダンジョンを何度も往復させられるためです。

本来、「アトリエ」シリーズは調合や採集に重きを置いており、ダンジョンは比較的簡素な作りのイメージでした。ストーリーに強制される移動ではなく、採集などの目的のためにプレイヤー自らが何度も同じ場所を訪れる、そんなバランスが良い意味での「作業感」を生み出していたのですが、本作では複雑なダンジョンと謎解き要素がそのバランスを崩しているように感じます。

また、ほとんどメインストーリーに関わらないため、遺跡の謎を解くという展開に没入感がありません。殺人事件の情報を集めて謎を解くような没入感があれば楽しめたかもしれませんが、本作の体験には、何も感じることができませんでした。

物語/キャラについて

王都にてライザたちの新たな冒険が始まる

舞台は前作から3年後、ライザはタオに誘われ、王都を訪れます。
王都には奇妙な遺跡や謎めいた伝承に関する噂が広がっており、興味を抱いたライザは、遺跡の謎を解き明かす冒険へと旅立ちます。

成長したライザたちの姿を見られるのは何より嬉しいポイントで、かつての仲間たちの目覚ましい変化に驚かされるでしょう。

さらに、新たな相棒となる妖精フィーの存在も注目すべき点です。その可愛らしさはもちろん、新たな仲間が一人増えたような感覚で楽しめます。

また、ストーリークリアまで40時間程度のボリュームになっており、前作はシリーズにしてはボリューム不足の点もあったのですが、その心配もいりません。

キャラエピソードの追加

本作では、各地を訪れると発生するキャラクターエピソードも豊富に用意されています。
個性豊かな住民たちが登場し、彼らも含めた仲間たちとの交流は必見です。

町の人々や仲間たちとの交流は、シリーズではおなじみの要素ですが、前作ではこの手のイベントが少なく、やや簡素な印象がありました。そのため、本作で再びこれらの要素が丁寧に作り込まれているのは嬉しいポイントです。

薄味で虚無なメインストーリー

本作のメインストーリーは、非常に薄味で虚無だと感じており、個人的には全く合いませんでした。

プレイ後、覚えているのは仲間と遺跡を冒険したという点だけです。物語は、物量こそ多いものの、印象に残る出来事がなく、感情を揺さぶられるような展開がありません。フルボイスで演出も豊富ですが、結果として何も感じない、虚無な体験が続くため、物語に感情移入できませんでした。そのため、物語への興味を失い、ストーリーを追うこと自体が苦痛に感じてしまいました。

前作では、物語そのものにも焦点が当てられ、島の伝承に迫る展開が丁寧に描かれていたため、常に先に進みたいという没入感がありました。アトリエシリーズの中では明らかにメインストーリーに力がこもっていたので、本作でもメインストーリーの面白さは期待していた分、残念でした。

不思議シリーズなど、過去のシリーズでは、メインストーリーの内容が薄いことはあったのですが、あくまで採集と調合がゲームの主軸になっていました。本作ではメインストーリーが主軸に進む現代のRPGの形式をとっているのにも関わらず、その内容に味がしません。遺跡探索の単調さも相まって、個人的にはかなりきつかったです。

本作は、RPGにストーリーの面白さや没入感を求めている方にはお勧めできないと感じています。

その他

上記の箇所以外の注目点についても紹介します。

スキルツリーについて

本作では、新たにスキルツリーが導入されました。
スキルツリーでは、主にレシピの解放、調合システムの強化、便利な機能の追加などが行えます。

このスキルツリーも、ストーリーの進行に合わせて段階的に開放していく必要があります。
スキルポイントは、前述した遺跡攻略によって大量に得られるため、遺跡攻略の重要度は高くなっていました。
特筆すべき点は少ないものの、新たな機能を自分の手で解放していく感覚は、やはり良いものだと感じます。

前作をプレイしていなくても楽しめる?

結論から言えば、前作をプレイしていなくても問題なく楽しめると思います。
物語は完全に独立しており、前作との直接的な繋がりは薄いため、特に支障はないでしょう。

ただし、前作のキャラクターたちが登場するため、彼らへの思い入れをより深めたいという方は、前作からプレイすることをおすすめします。

まとめ

いかがだったでしょうか。今回は『ライザのアトリエ2 〜失われた伝承と秘密の妖精〜』の評価・感想・レビューをお届けしました。

前作から、ゲーム性に着実な進化が見られ、全体的なクオリティは明らかに高くなりました。特にバトルシステムは群を抜いて面白く、その点は高く評価できます。また、遺跡探索など、前作から大きく変わった新要素を取り入れられており、毎年リリースされるアトリエシリーズにおいて、新たなゲーム性に挑戦する姿勢は素晴らしいと感じました。

しかし、ストーリーがあまりにも薄味でした。遺跡探索要素とも全く紐づいておらず、RPGとして物語を楽しむことは難しい作品だと感じています。ゲーム全体の完成度は高いだけに、ストーリーの薄さは非常にもったいない点です。

総評として、RPGのストーリーの面白さを重視する方には、本作は厳しいかもしれません。
しかし、バトルシステムをはじめ、ゲームとしての完成度は高いと言えるため、気になった方にはぜひプレイしていただきたい作品です。

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