【英雄伝説 閃の軌跡 I:改】クリアレビュー・評価|重厚な物語と圧倒的なキャラの魅力がすさまじい。JRPG好きには見逃せない作品。

レビュー
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こんにちは。ヤマザキです。

今回は『英雄伝説 閃の軌跡 I:改』のクリアレビュー・評価になります。

この記事では本作の良いところや気になったところなど率直なレビューをお届けします。
購入の参考にしてみてください。
なお、今回筆者はsteam版でプレイしていますのでその点ご了承ください。

この記事はこんな人にオススメ!
  • 『英雄伝説 閃の軌跡 I:改』の購入を検討されている方
  • 『英雄伝説 閃の軌跡 I:改』の評価・感想が知りたい方
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はじめに

『英雄伝説 閃の軌跡I:改』は、2013年9月26日にPS3で発売された『英雄伝説 閃の軌跡I』(日本ファルコム)を、ハイスピードモードや高解像度化などによってパワーアップさせた移植版です。

今回、筆者は軌跡シリーズ初プレイとだったのですが、本作をプレイした結果、その圧倒的な世界観と魅力的なキャラクターたちに引き込まれ、すっかり夢中になってしまいました。JRPGやライトノベル系の物語が好きな方には、ぜひお勧めしたい作品です。

今回は、そんな本作の魅力について語っていきます。

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『英雄伝説 閃の軌跡I:改』の魅力

その1:先が気になる物語の魅力

何といっても本作の魅力は引き込まれるストーリーにあります。

物語は主人公リィン・シュバルツァーがトールズ士官学院に入学するところから始まります。彼は特科クラス《VII組》に配属され、様々な出自の仲間たちと出会い、絆を深めていくことになります。

基本的に物語は、授業や実習を通して描かれていきます。実習ではエレボニア帝国各地を訪れ、それぞれの地域が抱える問題に触れることで、リィンたちは外の社会の現実を知ることになります。この実習はプレイヤーにとっても帝国の世界観や文化を深く理解する機会となっていて、物語への没入感を高めています。

不穏な情景と陰謀渦巻く展開の描き方

また、一見すると平和な学院生活ですが、その裏では貴族派と改革派の対立が激化し、不穏な空気が漂っています。リィンたちは次第に帝国を揺るがす大きな陰謀に巻き込まれ、自らの立場と向き合いながら難しい決断を迫られることになります。このような重厚なストーリー展開が多く、常に気になって物語を進めてしまうことでしょう。

シリーズものとしての魅力も

本作『閃の軌跡I:改』は、「軌跡シリーズ」の中の「閃の軌跡」という4部作の第1作目にあたります。

シリーズ作品というと、1作目のボリュームが少なく物足りないのでは、と心配される方もいるかもしれません。しかし、ハイスピードモードを使用し、一部のサブイベントや戦闘を簡略化したうえでの筆者のクリア時間が40時間程度になっており、ボリュームは非常に大きいと思います。これが4部作になっているのは今後の楽しみにもなって、すごく良いですよね…

その2:あまりすごいキャラの描き方

本作の大きな魅力の一つは、丁寧に描かれたキャラクター達です。

キャラとの交流や深堀エピソードも保船上、登場人物の数が非常に多いです。

VII組メンバー以外にも、その家族、教師、他クラスの生徒、敵キャラクターなど、メインストーリーに関わる人物だけでも数十人に及びます。RPGでは、キャラクターが増えるほど制作の手間が増大するため、2013年の作品としても、この人数は驚異的と言えるでしょう。

筆者が最近プレイしていた「ソフィーのアトリエ2」でさえ、固有のモデルと名前を持つキャラクターは10人に満たないことを考えると、本作の異常なまでの作り込みが際立ちます。

モブキャラ一人一人にも個性がある

また特筆すべきは、モブキャラクターにも一人一人名前が付けられており、それぞれシナリオに応じて、会話内容を変える点です。「町人A」のような汎用的な名前ではなく、個別の名前が設定されていることで、イベントや会話内容に変化が生じ、世界観に奥行きが生まれています。モブキャラクターまで丁寧に作り込まれているのは、本作の大きな魅力と言えるでしょう。

イベントシーンも非常に豊富で、VII組メンバーの編成によって会話内容が変化するなど、多様なバリエーションが用意されています。全てのイベントシーンを網羅しようとすると、かなりの時間を要することになります。

さらに、キャラクターの人柄や背景を知ることができるサブクエストも用意されています。これにより、メインストーリーだけでなく、日常的な場面からもキャラクターの魅力を知ることができ、キャラクターの解像度は非常に高い印象でした。

その3:独自の戦闘システムの魅力

戦闘システムは、オーソドックスなコマンドバトルをベースに、独自の要素が加わった奥深いシステムとなっています。

特徴的なのは、キャラクターの位置取りが戦闘に大きく影響する点です。同じ場所に複数のキャラクターがいると、範囲攻撃をまとめて受けてしまうなど、不利な状況に陥りやすくなります。一方、キャラクターを分散させることで、被ダメージを軽減したり、敵の攻撃範囲外から攻撃を仕掛けるといった戦略的な立ち回りも可能になります。

また、通常攻撃に加えて、EPを消費して使用する「アーツ」と、CPを消費して使用する「クラフト」を使い分けることも重要です。EP元から所持するリソースで、CPは攻撃を行うことで蓄積されます。これらのリソースを管理し、状況に応じて適切な攻撃手段を選択する必要があるため、戦略性の高い戦闘を楽しむことができます。

また、特定キャラとの連携攻撃に当たるリンクアタックやCPをためることで発動できる必殺技(sクラフト)など、やれることは他にもたくさんあります。

戦術オーブメントによる戦闘の拡張性

また本作には、戦術オーブメントという要素が存在し、ここをカスタマイズしていくことで、詳細な育成が可能になっています。中でも、「クォーツ」は各キャラクターごとに8種類セットでき、それぞれが攻撃力強化、新たなアーツ獲得などの効果を待ちます。このオーブメントのカスマイズはキャラクター強化の軸となる要素であり、様々な組み合わせを試すことができます。

クォーツは、マップ上の宝箱や特定の敵からのドロップなどで入手できます。そのため、探索や戦闘といったゲームプレイ自体が、キャラクター強化に繋がるという好循環が生まれています。多種多様なクォーツを組み合わせることで、キャラクターの育成や強化の自由度が高まっている点が素晴らしいと感じました。

その4:丁寧なシステム

本作のシステム面は、2013年当時の作品としては非常に丁寧だと感じました。

いつでもメニューからセーブ/ロードが可能で、次の目的がクエストに明記されているなど、プレイヤーへの配慮が行き届いている印象です。 また、用語集で登場人物や専門用語などの詳細をいつでも確認できる点も、情報整理の面で優れていると感じました。

また、古い作品ならではのテンポの悪さはあるものの、「改」ではハイスピードモードが実装されており、テンポよく物語を進めていくことができます。

これほど充実したシステムは珍しく、高く評価できる点です。
ただ、セーブスロットが300個もあるのは少し過剰かもしれません…

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不満点・気になるところ

原版は2013年に発売された作品のため、現在のゲームと比べると、操作性やUI、ゲームバランスなどに時代を感じさせる部分が見られるかもしれません。移植版とはいえ、いくつかの点には留意しといていただきたいです。

その1:難易度変更はできない

本作はゲーム開始後に難易度設定の変更ができません。
開始時の選択が重要になっています。一応、戦闘に敗北すると、「敵の強さを少し下げてリトライ」という選択肢が現れますが、これは一時的な効果になり、次の戦闘では敵の強さが元に戻ります。

ゲーム全体の難易度としては、それなりに歯ごたえがあるといった印象で、ゲームに不慣れなプレイヤーには難しいと感じるかもしれません。個人的にはちょうどいいバランスだと感じたものの、多くのゲームをプレイしたい人や、限られた時間の中でゲームを楽しみたい社会人などは、やっぱり難易度を下げたいこともあると思うので、ちょっと遊びづらいと感じました。

その2:戦闘不能の扱いについて

また、気になるのが戦闘不能の扱いについてです。

本作ではHPが0になると戦闘不能状態になり、アイテムやスキルを使用しない限りは戦闘に復帰することはできなくなります。これ自体は普通の良くある一般的な仕様なのですが、特質すべきは戦闘不能状態を戦闘終了後も引き継ぐ点です。要するに戦闘が終了しても、戦闘不能状態は継続し、アイテムやスキルを使用しないと戦闘に復帰できないということです。

これがかなりめんどくさく、ストレスに感じてしまいました・・・
毎回、アイテムやスキルを使う手間がかかりますし、戦闘中の扱いは変わらないので、難易度が変化するわけでもありません。毒などの状態異常などは戦闘終了後に引き継がないので、なぜこれだけ引き継ぐのでしょうか。ここはちょっと理解できませんでした。

その3:その他気になる点

また、いくつかシステムはちょっと気になるところです。

  • リンクシステムの設定が頻繁にリセットされるのが煩わしい。
  • ミニマップの表示範囲が狭く、全体像を把握しにくい。
  • 通常マップとファストトラベルマップが分かれており、UIが直感的とはいえない。
  • 物語が非常に中途半端な結末を迎える。

些細な点ですが、気になる人は気になるかもしれません。

軌跡シリーズ初心者が始めるのは・・・?

軌跡シリーズを始めてみたいけど、シリーズが長すぎて始めづらいと感じている人も、本作から始めるのがおすすめです。本作は独立した物語として楽しめるように設計されており、過去作との繋がりを強く意識させられる場面は少ないため、シリーズ初プレイでも問題なく物語の世界に入り込めます。

一部、過去作に関連する用語が登場しますが、物語の理解に支障が出るほどではありません。筆者自身も軌跡シリーズ初プレイでしたが、特に違和感なく物語を楽しむことができました。

ただし、『閃の軌跡II』以降から始めるのはお勧めしません。本作のラストは次回作へ繋がる終わり方となっており、物語の展開を十分に理解できない可能性があります。シリーズを最初からプレイすることで、より深く世界観やストーリーを理解し、楽しむことができます。

また、今からプレイするのであればなら、基本的には「閃の軌跡1改」もしくわ「steam版」で購入するようにしていただくのが良いと思います。

まとめ

いかがだったでしょうか。今回は『英雄伝説 閃の軌跡I:改』の評価・感想・レビューをお届けしました。

重厚な物語と魅力的なキャラクターたちに圧倒され、すっかり本作の世界に魅了されました。以前から軌跡シリーズに興味はあったものの、なかなかプレイする機会がありませんでしたが、今回『閃の軌跡I:改』をプレイしたことで、その魅力を存分に味わうことができました。ぜひ、続編や他のシリーズ作品もプレイしてみたいと思います。

ぜひ興味がある方はご購入を検討されてみてはいかがでしょうか。