こんにちは。ヤマザキです。
今回は『メタファー:リファンタジオ』の体験版の評価・感想になります。
この記事では本作の良いところや気になったところなど率直なレビューをお届けします。
製品版の購入の参考にしてみてください。
- 『メタファー:リファンタジオ』の購入を検討されている人
- 『メタファー:リファンタジオ』の評価・感想が気になる人
『メタファー:リファンタジオ』とは
『メタファー:リファンタジオ』は2024年10月11日にアトラスより発売予定のRPGです
本作は、あの『ペルソナ』シリーズを手掛ける開発チームが贈る最新作として、発表当初から大きな注目を集めています。現在、なんと序盤7時間ほどプレイできるプロローグ体験版が配信されています。
今回は、体験版を遊んでみた率直な感想をお届けします。
『メタファー:リファンタジオ』の注目ポイント
ここからは、実際にプレイして特に注目すべきだと感じたポイントを紹介していきます。
その1:ペルソナを進化させたバトルシステム

なんといっても一番の魅力は、スタイリッシュなコマンドバトルでしょう。
ペルソナ5チームの開発ということもあり、本作でもド派手でスタイリッシュなアクションは健在です。
UIや演出も素晴らしく、その上のバトルシステムは、爽快感抜群です。体験版序盤という限られたプレイ時間で体験できることは限られているにも関わらず、すでに完成度の高いバトルシステムを体験できました。
そして、これまでのアトラス作品から、特に進化を感じたのは、圧倒的なテンポの良さです。
演出はド派手でありながら、無駄な部分を徹底的に削ぎ落としたことで、非常にテンポの良いバトルが実現されています。最近プレイした『ペルソナ3リロード』では、戦闘アニメーションが長く感じられ、倍速機能が欲しくなる場面もありましたが、『メタファー』は標準の速度でも全く不満は感じませんでした。その上で、オート機能まで実装されており、快適さを追求している点は素晴らしいと思います。
前衛と後衛を使い分けて、戦況を有利に進める戦略性

本作では、前衛と後衛という要素が存在し、より戦略性のあるバトルを楽しむことができます。
前衛に配置したキャラクターは、高い攻撃力で敵に大ダメージを与えられますが、その分、敵からの攻撃を受けやすくなるというリスクも伴います。状況に応じて、後衛に下げて回復させたり、防御力の高いキャラクターを盾にするなどの戦略が求められます。敵の行動パターンを見極め、キャラクターの配置を調整する面白さは、本作の大きな魅力となるでしょう。
フィールド上でのアクション要素もすごい

本作では、フィールド上で接敵時にプレイヤーが戦闘を能動的に選択することができます。
フィールド上では、敵をロックオンすると、従来通りのコマンドバトルに移行する「△ボタン」に加え、エンカウントせずに直接攻撃を仕掛ける「□ボタン」での攻撃が可能になっています。
「□ボタン」による攻撃は、成功すればコマンドバトルなしで敵を倒し、経験値稼ぎやアイテム収集の効率を高めることができたり、強い敵に対しても体力を削り、有利な状況で戦闘を開始することもできます。ただし、失敗すると敵に先制を許し、不利な状況に陥ってしまうため、リスクとリターンを見極める判断力が求められます。
さらに、「〇ボタン」による敵の攻撃回避も加わり、本作は従来のコマンドバトルに、アクションゲームの緊張感と戦略性を融合させています。
ただし、敵の攻撃モーションが見づらい場面も散見され、なんだかよく分からないうちにピンチ状態になっていたことはがしばしば。 アクション部分は、改善の余地があり、この点は、今後のアップデートに期待したいところです。
その2:本作独自の育成要素:アーキタイプ

本作には「アーキタイプ」という、いわばジョブのような要素が存在します。
タンクやヒーラーなど、様々な役割を持ったアーキタイプを各キャラに割り振ることで、その役割に特化した育成を行うことができます。どのキャラにどのアーキタイプを割り振るかは自由ですが、キャラクターごとに初期ステータスや得意能力が異なるため、どのアーキタイプが適しているかはキャラによって異なってきそうです。
主人公は自由にステータス振りが可能

主人公の育成はさらに特別で、ステータスをプレイヤーの好みに合わせて自由に割り振ることが可能です。理想の主人公像を追求できる点は、育成好きにはたまらない要素と言えるでしょう。
序盤は3種類のアーキタイプと3体の仲間しか登場しませんが、今後、アーキタイプの数はさらに増加したり、既存のアーキタイプが進化したりしそうです。そうなれば、育成の幅はさらに広がり、自分だけの最強パーティを編成する楽しみも倍増することでしょう。
悪魔合体がない?

そして、本作で衝撃的だったのが、「悪魔合体」がないという点です。
これまでのアトラス作品、特に『真・女神転生』『ペルソナ』シリーズでは、悪魔合体はゲームの根幹をなすシステムでした。しかし、本作では悪魔合体に頼らず、全く新しいゲーム体験を実現しようとしている点は素晴らしいと感じました。一体どのような形でキャラクターを育成し、パーティを強化していくのか、全容をプレイするのが楽しみです。
その3:重厚で熱い物語の魅力

そして、重厚で先が気になるストーリーも見逃せません。
物語の舞台は、王の暗殺により混乱に陥ったユークロニア連合王国。
主人公は、とある事件をきっかけに、王子にかけられた呪いを解くための旅に出ることになります。
本作の物語は、序盤からプレイヤーを惹きつける、テンポの良さが印象的でした
仲間たちや登場人物たちの過去や葛藤が丁寧に描かれ、彼らの思いや覚悟が伝わってくるようになっていた愛着もわきやすいと思います。そして、先の読めないストーリー展開や予想を裏切る衝撃的な展開が豊富に用意されていて、辞め時を失ってしまうと思います。
体験版はわずか6時間程度のプレイ時間でしたが、それでも物語の面白さにすっかり夢中になってしまいました。
製品版では、この先一体どんな重厚な物語が待ち受けているのか、期待が高まるばかりです。
美麗なアニメ&ムービーシーンの多さで盛り上げる

ムービーシーンやアニメシーンのクオリティの高さもすごい点です。
これまでのアトラス作品、例えば「ペルソナシリーズ」や「ソウルハッカーズ2」などでは、イベントシーンは、開発リソースの制約もあり、比較的少なめに抑えられていました。限られたリソースの中で、キャラクターの表情や仕草でプレイヤーに退屈させない工夫を凝らしている印象でした。
しかし、本作では、美麗なアニメーションやムービーシーンをふんだんに盛り込み、従来よりもリッチな演出で物語を盛り上げています。これまでのアトラス作品のイメージを覆すような、大胆な変化に挑戦する気概にはアトラスの本作にかける覚悟が伝わってきます。
多様性の描き方

本作は、多様性の描き方においても素晴らしいと感じています。
本作の世界観では、種族間の垣根が深く、多様な種族や人種が登場します。そんな中で、キャラクターデザインや個性が丁寧に作り込まれており、それぞれのキャラが魅力的に描かれている点が素晴らしいと感じます。
近年、ゲーム業界では海外を中心に多様性を意識した作品が増えていますが、その描き方が画一的であったり、中には、多様性を表現することに固執するあまり、キャラクターの魅力が損なわれていると感じる作品も少なくありません。
その点、本作では、多様なキャラクター一人ひとりが持つ魅力を最大限に引き出すことで、結果的に多様性に富んだ世界観を実現しています。これは、多様性を尊重するとは、単に様々な属性の人物を登場させることではなく、それぞれの個性を魅力的に描くことであるという、意志が感じられてとても好印象でした。
その4:あまりにも力が入ったビジュアル表現
作をプレイしていて特に感銘を受けたのは、細部までこだわり抜かれたビジュアル表現です。
前述した内容以外で、印象的だったポイントをいくつか紹介しましょう。
メニュー画面のUI

「ペルソナ」シリーズ同様、本作のUIもスタイリッシュなデザインと操作性が両立しており、快適にゲームを楽しむことができます。
ロード画面のこだわり

ロード画面にも、こだわりが光ります。
なんと、本作では、場所や状況に応じて、複数の種類のロード画面が用意されているのです。
例えば、街中を移動する際には、画像のような移動している画面が表示されます。
ロード画面は、プレイヤーを退屈させがちな時間ですが、本作のように美しいビジュアルと、世界観を表現した演出が施されていると、待っているという感覚を限りなく薄くすることができます。
費用対効果の観点から、ロード画面への力の入れ方は、どうしても軽視されがちですが、プレイヤーの没入感を高めるためのこだわりがつまっているように感じます。
体験版の説明表示

体験版をプレイすると、専用のボイス付きのメッセージが表示されます。
このような、体験版専用の演出が用意されていることからも、本作に対する開発陣の並々ならぬこだわりが伝わってきます。
気になったところ・不満点
本作ですが、「気になったところや不満点はなかったのか?」というと、正直なところ、ほぼありませんでした。
しかし、一点だけ大きな不満点がありました。
MP周りのいびつさ

このゲームはMPのバランスが非常に悪いと感じています。
本作は、強力な攻撃や回復魔法を使うにはMPを消費します。そのため何をするにもMPが必要なのですが、このMP、ダンジョン内にMP回復手段が皆無です。休憩ポイントもMPはもちろん、HPすら回復できません。それにより、長いダンジョンでは、MP不足が深刻化し、ゲーム進行が困難になる場面もありました。
まずこのシビアな難易度設定もいかがなものかと思うのですが、このMP枯渇問題、主人公のアーキタイプを「マジシャン」に設定すると、全く悩まなくてよくなります。というのも、「マジシャン」は特定条件下でパーティ全体のMPを回復できるため、MP切れが心配がなくなります。他のアーキタイプを選ぶと難易度が跳ね上がってしまうため、「マジシャン」以外にする意味がないのです。せっかく重厚なシステムを備えているにも関わらず、「マジシャン」一択なのは、かなりもったいないですよね
あくまで体験版の序盤における感想なので、後半になるつれて、MPを気にしなくてもよくなり、この問題が解決する可能性も考えられます。しかしながら、少なくとも序盤のダンジョンの中には、プレイヤーに「詰み」を意識させてしまうほど厳しいステージもあるため、ここのバランスは調整願いたいです。
まとめ
いかがだったでしょうか。今回は『メタファー:リファンタジオ』の体験版のレビューをお届けしました。
率直に言って、予想を遥かに上回る完成度の作品だと感じました。
特に、洗練されたバトルシステムはペルソナシリーズの良い部分を継承しつつも、さらに進化を遂げており、戦略性の高さと爽快感を兼ね備えています。重厚な世界観で描かれる物語も魅力的で、プレイを重ねるごとに引き込まれていきました。
グラフィック、音楽、ストーリー、ゲームシステム、どれをとってもクオリティが高く、まさにアトラスの技術力の高さを証明する作品と言えるでしょう。
近年、アトラス作品は「真・女神転生V」のDLC商法や「ソウルハッカーズ2」の評価など、ファンとして複雑な思いを抱く出来事もありました。しかし、『メタファー:リファンタジオ』は、アトラスが世界に誇るトップクラスの開発力を持つことを再認識させてくれる、そんなポテンシャルを感じさせてくれます。
体験版をプレイした限りでは、JRPGの歴史に名を刻む名作となる可能性も秘めていると感じました。気になる方は体験版からプレイすることをお勧めします。