こんにちは。ヤマザキです。
今回は『ペルソナ3リロード エピソードアイギス』の体験版の評価・感想になります。
この記事では本作の良いところや気になったところなど率直なレビューをお届けします。
購入の参考にしてみてください。
- 『ペルソナ3リロード エピソードアイギス』の購入を検討されている人
- 『ペルソナ3リロード エピソードアイギス』の評価・感想が気になる人
『ペルソナ3リロード エピソードアイギス』とは

『ペルソナ3 リロード エピソードアイギス』は、アトラスより2024年9月10日に配信開始された、本編の後日談を描くDLCコンテンツです。公式の説明では、「ペルソナ3 リロード」の“真実”と”完結”へ至るエピソードとなされています。
簡単なあらすじ

物語の舞台は、学生寮の閉鎖を明日に控えた3月31日。特別課外活動部(S.E.E.S.)の面々は、それぞれの思いを胸に最後の一日を過ごそうとしていました。
しかし、穏やかな時間は突如として終わりを告げます。謎の機械の少女「メティス」の襲撃をきっかけに、「アイギス」は、複数体のペルソナを使いこなす「ワイルド」の力に目覚めてしまう。それと同時に、彼らは閉鎖されたはずの3月31日に囚われ、時間の牢獄から抜け出せなくなってしまうのでした…。
アイギスに訪れた異変、そして繰り返される3月31日。そこには、数々の謎と真実が隠されており、繰り返される3月31日の中で仲間たちの運命を描くというものになっています。
ここからは本作「ペルソナ3 リロード エピソードアイギス」がどんなゲームなのか、その魅力や不満点について紹介していきます。
エピソードアイギスの魅力・評価点
その1:新要素と歯ごたえを感じられるバトル

何といっても本作は、進化したバトルと歯ごたえ抜群の難易度設定になっています。
ボスは多彩な攻撃を仕掛けてくる強敵揃い、雑魚敵も油断できない強さを誇り、本編以上に歯ごたえと戦略性のあるバトルを楽しむことができます。 モナドは3つの難易度から選択可能になり、難易度によって報酬も変化するため、戦略性もアップしました。
主人公がアイギスに

また、アイギスが主人公になったことでアイギスを操作しての探索が行えるようになりました。
アイギスは銃で攻撃を行うため、遠距離からの攻撃や奇襲が可能です。加えてアイギスの「ワイルド」覚醒により、複数のペルソナを合体・使用できるようになり、必殺技「テウルギア」も追加され、爽快感もアップしています。
新キャラ「メティス」

そして、新キャラクターとペルソナによって戦略の幅が広がっています。
新キャラクター「メティス」は、物理攻撃を得意としながらも、補助魔法や属性攻撃も使いこなせる万能タイプで、パーティ編成の幅が広がります。さらに、ペルソナ全書は本編からの引継ぎが可能なので、使い慣れたペルソナで強敵に挑むことも、新たなペルソナを育成することもできます。
その2:豊富なやり込み要素とそのボリューム

やり込み要素の豊富さとボリュームも大きな魅力です。
高難易度なボス戦に加えて、ダンジョン探索もやりごたえ十分です。タルタロスのような構造のダンジョンは、なんと150層以上に上ります。 定期的に出現するボスや、強力な敵との遭遇など、攻略にはかなりの時間を要します。
さらに、本作では装備にハクスラ要素が追加されました。入手した装備にはランダムで強力なスキルが付与され、中には戦況を覆すほどの強力なスキルも存在します。最強装備を求めてダンジョンを探索するのも、本作の楽しみ方のひとつと言えるでしょう。
強力なボスに挑むために、ペルソナや装備を強化していくサイクルは、まさにやり込み要素の醍醐味となっています。単純なストーリークリアだけでも30時間程度とボリューム満点で、やり込み要素を追求すれば、さらにプレイ時間は膨れ上がります。
やり込み要素とボリュームの両面で、プレイヤーを飽きさせない作品と言えるでしょう。
その3:遺された仲間たちを描くテーマ性の強いシナリオ

また、主人公の死という重いテーマを真正面から描いたシナリオは大きな魅力になっています。
プレイヤーは、主人公を失った悲しみを抱えながらも、前を向こうと足掻く仲間たちの姿に心を揺さぶられるでしょう。
それぞれが主人公の死とどう向き合い、未来へ進んでいくのか。その葛藤や成長が丁寧に描かれており、プレイすればきっと、仲間の姿に共感し、心を打たれるはずです。特に終盤でプレイヤーに迫られる決断は、彼らの苦悩と希望が凝縮された、感情移入せずにはいられない場面となっています。
つらくも切ない、しかしながら前に進もうとする仲間たちの姿は、忘れられない感動を与えてくれるでしょう。
エピソードアイギスの気になるところ・不満点
その1:長すぎるダンジョンと進まないストーリー

個人的に一番きつかったのが、あまりにもストーリーが進まない点です。
本作は「進まない一日に閉じ込められた」というあらすじのため、本編と違いカレンダーシステムが存在しません。そのため、プレイヤーは延々とタルタロスのような無限生成ダンジョンを攻略し続けることになります。ダンジョン間のイベントはほとんどなく、寮でできることも限られています。仲間との交流イベントもありますが、ボイスがないため退屈に感じてしまうでしょう。
ストーリーが動き出すのは終盤に差し掛かってからであり、全体を通してストーリーのボリュームは思ったより薄いです。プレイ時間は30時間ほどですが、そのうち95%はイベントらしいイベントもなく、無限生成ダンジョンを攻略することに費やすことになります。
ペルソナシリーズにストーリーの面白さを求めるプレイヤーには、ちょっときついかもしれません。
本編で、ノンストップでタルタロスを最初から最後まで登り続けるようなイメージです。延々と続く単調なダンジョン攻略にはメティスとアイギス以外の目新しい要素がなく、加えて高難易度なため、バトルに魅力を感じていても、さすがに飽きてしまう部分がありました。ストーリーを進めたいプレイヤーにとって、ストレスに感じてしまう要素が多いです。
その2:主人公の生死を明言したことへの賛否

エピソードアイギスのシナリオには、あらすじを知っている人ほど、ある決定的な点に違和感を覚える点があります。それは、主人公が死んだことになっているという点です。
ペルソナ3 本編のエンディングでは、主人公はアイギスに膝枕されながら目を閉じますが、明確に死んだとは明記されていません。あくまでプレイヤー個人にエンディングの解釈を委ねているのです。しかし、エピソードアイギスでは、主人公は死んだものとして物語が進行します。
個人的には残された仲間たちを描くシナリオのテーマ性は好きなのですが、本編の美しい終わり方を見ると、「主人公は死んでいない」と解釈する人も少なくないように思います。プレイヤーに委ねられた結末の解釈を、別の作品で否定してしまうのは、いかがなものかと疑問を感じます。また、エピソードアイギスでは、襲撃してきたメティスと行動を共にするという関係性上、本編以上に終始仲間たちの関係がギスギスしており、それがこの違和感をさらに増幅させています。
特に「主人公は死んでいない、目を閉じて眠っただけだ」と考えている人は、プレイする前にこの設定を受け入れられるか、よく考える必要があるかもしれません。この問題は、特にペルソナ3 フェスの追加シナリオ「エピソードアイギス」で顕著でしたが、リメイク版をプレイしても、やはり気になる点として残っています。
まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は『ペルソナ3 リロード エピソードアイギス』の評価・レビュー・感想をお届けしました。
本作は、進化したバトルシステムややり込み要素満載のダンジョンなど、プレイしていて楽しいと感じる点は数多くありました。しかし、長大なダンジョンに他愛して、なかなか進まないストーリーや、また本編の解釈を覆しかねないシナリオのテーマ性には賛否両論あるでしょう。
「ペルソナ3」のその後の物語を見届けたいという方にはもちろん、高難易度なバトルややり込み要素を求めるプレイヤーにもおすすめできる作品です。しかし、ストーリーに集中したい方や、本編の解釈を大切にしたい方は、プレイ前に今一度検討することをおすすめします。