はじめに
『廃遊園地のメメントメモリア』とは2023年9月29日にsteamで配信されている同人ゲームです。
ジャンルはオーソドックスなノベルゲーとなっており、2024年8月29日にフルボイス化/追加シナリオが実装されたswitch/ps4版が発売予定の作品です。
そんな本作ですが、序盤1時間程度を遊べる無料体験版が配信されており、今回はそちらのレビューになります。
本作はネット上でも、情報が少なく、購入を迷われている方も多いかと思います。
今回は体験版の内容から本作の魅力はどこにあるのか、製品版に期待したい点を話していきたいと思います。
簡単なあらすじ
舞台は大戦で崩壊した世界にある、
子どもだけの疎開地《ラグーン》。
廃遊園地を利用した《ラグーン》で暮らす
傭兵の少年・カイは、あるきっかけで
一人の少女・ミオと出会う。
銀髪で口下手、銃撃は得意でも
包帯が巻けない不器用な少女。
そこで、カイはミオの秘密を知る。
ミオはとある目的のもと、
死体を探すために戦い続けていた。
彼女の姿に自分を重ねたカイは、
ミオを自分の家に居候させる。
カイの幼なじみ、博士も住む家だ。
崩壊した世界でつかの間の安息を
享受する主人公たち。
だが、楽しい日々は永遠ではない。
タイムリミットは刻々と迫っていて――
『廃遊園地のメメントメモリア』の注目ポイント
ここからは本作をプレイするうえで注目したいポイントを3点ほど上げてみます。
その1:あと数か月で記憶をなくしてしまう少女「ミオ」をめぐる物語に注目!

まず注目したいのは、ミオという少女を中心に展開されていく物語でしょう。
ミオは作品の序盤、軍に所属する兵士として登場し、軍に見捨てられたことをきっかけにカイと行動を共にすることになります。
彼女は脳の記憶を保持する機能に障害を持っており、外付けのチップに記憶を保存して生活しています。
そのチップの容量がもうすぐなくなるため、カイや仲間たちとともに新たなチップを探すというのがざっくりとした流れになっています。
この展開は、正直どこかで見たことがあるものかもしれませんが、登場人物の個性や主人公の周りの環境の描き方がうまく、引き込まれる部分がありました。
何も知らないミオと不愛想だがお人好しのカイの関係性に注目したいですし、二人の掛け合いは見ていてほのぼのとした気持ちになりますね。
物語の展開は、なんとなく想像できてしまう部分もあるのですが、目が離せませんでした。

そして、登場人物についても分かりやすく個性的です。
無口で表情は薄いが、感情が豊かなミオや、カイの同居人で変わった口調で話す博士など、魅力的なキャラが多く登場します。
この分かりやすい魅力を持ったキャラたちが織りなす掛け合いに注目したいです。
彼らの物語がどう展開されるのか、製品版に向けて期待したいところです。
その2:荒廃的な世界観とその魅力

そして作品の魅力を決定づけていたものとして、その荒廃的な世界観とその描き方があげられます。
本作の舞台は第三次世界大戦によって、大きな犠牲を払った世界。
その結果人々の文明レベルが下がり、戦争によって、荒廃した世界が舞台になります。
主人公が住むのは戦時中の子供の疎開地「ラグーン」で、現在は自給自足で成り立つ都市になっています。
その「ラグーン」を取り巻く現状はもちろん、大人たちが所属する「軍」との関係性など、この世界の状態がかなり細かく描かれています。
こういった世界観の設定が良く作りこまれていて、情景がイメージがしやすくなっていました。
物語全体の解像度を上げてくれる役割を担っており、没入感を上げてくれる工夫の一つだと感じました。
その3:独特な絵柄が生み出す味わい

そして、本作のビジュアル面にも注目したいです。
何といっても独特なタッチで描かれるイラストに引き付けれますよね…
水彩画のような、淡く儚いタッチのこの絵柄は作品の雰囲気とすごく合っていて、情緒を生み出していました。
前述した世界観や登場人物の魅力をより多きなものにしてくれており、本作の1つの強みであると感じています。
まとめ

いかがだったでしょうか。
今回は『廃遊園地のメメントメモリア』の体験版のレビューをお届けしました。
個人的には、想像を上回る出来で、王道展開ながらも独自の魅力を持った作品でした。
独特のタッチで描かれるイラストや戦時中の過酷な世界の中で生き抜く少年少女たちの物語には目が離せませんでした。
本作が生み出す独特の雰囲気には引き込まれるものがありますよね。
前述した通り、本作はすでにsteamで発売されており、それがフルボイス化してswitchとps4に移植された形になります。
パッケージ版はps4のみの発売になっているため、その点はご注意ください。
プレイ時間は5~7時間程度となっており、気になる方はプレイしてみてはいかがでしょうか。
