『岩倉アリア』とは?
『岩倉アリア』は2024年6月27日にMAGESより発売予定のアドベンチャーゲームです。
MAGESのアドベンチャーゲームというと「シュタインズ・ゲート」などで有名な科学アドベンチャーシリーズが真っ先に思い浮かびますが、本作のジャンルは打って変わって「リアルファンタジー・サスペンス」となっており、どうなるか読めない印象です。
そんな本作ですが、現在体験版が配信されており、今回はそのレビューになります。
この体験版では、シーンダイジェストとして「岩倉邸」「彼女の体」「2人の時間」の3つのエピソードを体験することができます。体験版のクリア時間は1時間程度になっており、決して深い部分まで描かかれるわけではないのですが、一時間のゲーム体験の中でも、強い魅力が伝わるものになっていて、発売に期待が持つことができました。
今回は体験版の内容から本作の魅力はどこにあるのか、製品版に期待したい点を話していきたいと思います。
岩倉邸で女中として働くことになった主人公の物語
まず簡単なあらすじから説明しておきましょう。
舞台は1966年の夏。中学卒業後に就職した企業を辞め、路頭に迷っていた主人公「北川壱子」が旧貴族の「岩倉周」とで出会い、彼の屋敷である岩倉邸で働くことになるところから始まります。
そこで出会ったのは周の一人娘であるアリアで、美しい容姿を持つ彼女と正体、屋敷に隠された秘密に迫るというのが大まかなあらすじになります。
まずこの昭和真っ只中の時代設定もアドベンチャーゲームとしてはあまり見ることがないですし、今でいう高校生が働くのが当たり前になっている点も当時の時代背景が伺えるものになっています。そして岩倉邸とアリアのビジュアル表現がそんな時代背景を踏まえたきれいさを持つものになっていて、作品の魅力を際立ててくれています。
『岩倉アリア』の魅力
その1:岩倉邸の秘密に迫るシナリオが気になる
本作のストーリーの大筋は屋敷の秘密に迫るというところになります。実際、体験版やPVでその部分がおされていました。
体験版では、その詳細までは描かれることはないのですが、2つ目のエピソード「彼女の体」で屋敷の秘密について描かれるシーンがあります。何らかの秘密を知ってしまった主人公に、いつもと変わらない笑顔で話しかけてくる周と突然の展開に全く動じないアリア。その不気味さと狂気が際立つシーンになっていて、この屋敷と親子の持つ秘密とその闇の深さを垣間見えるものになっていました。
公式のジャンルは「リアルファンタジー・サスペンス」となっていますし、体験版ではあまり描かれなかったサスペンス要素が、屋敷の秘密と合わせてどのように描かれるのか期待したいところです。
その2:主人公とアリアの関係とその行方が気になる
そして本策を語るうえで欠かせないのが、アリアという人物の魅力だと思います。
「岩倉邸」というエピソードは主人公が屋敷にやってくるあくまでプロローグ的なエピソードになっているのですが、その中ではアリアは高潔で美しい存在として描かれており、一見すると冷たい印象を受けます。しかし「2人の関係」別のエピソードをプレイするとこの印象がガラッと変わります。このエピソードはいわゆる二人がイチャイチャするというものなのですが、アリアの豊かな表情と主人公との深い関係はほのぼのとして、見ていて暖かい気分になれるでしょう。
百合展開もありそうな二人の絆の描き方はもちろん、PVの「岩倉アリアは嘘つきの化け物だ」というセリフも含めて、アリアの正体と二人の関係には注目したいですね。
その3:独自の表現の魅力
実は本作、一見すると惹きつけられるビジュアルに目がいきがちですが、いくつか面白いと思った表現があるので紹介します。
まず、この漫画のようなこまわりの表現です。
独自と言いつつ、他にやっている作品はあるとは思うのですが、この徐々に描かかれる漫画のような描写は自然と目を引きますし、「どうなるんだ?」と自然と惹きつけられる魅力がありました。随所にこのようなシーンがあるので、ずっと没入感を感じながらプレイすることができました。
そしてもう1つがスケッチブックの表現です。
本作の主人公は絵を描くことを趣味としていて、これが屋敷で働くきっかけになるのですが、体験版ではことあるごとにスケッチブックに絵を描いているシーンがありました。どんな絵を描いたのか、プレイヤーも一緒に見えるようになってるのが面白い点で、これは本作ならではの表現だと思いましす。うまくシナリオや展開の魅せ方に活かすことができたら非常に面白いと思います。
現時点はあくまで絵を描くだけのシーンになっていますが、これが物語の中でどう描かれるのか気になります。
まとめ
いかがだったでしょうか。今回は『岩倉アリア』の体験版レビューをお届けしました。
一言でいえばすごく期待したい作品で、これまでのMAGESの作品とはかなり作風が違うものの、大きな魅力を持っていました。屋敷の謎に迫るシナリオとアリアと主人公の関係の描き方については、体験版の中をプレイしていてすごく印象に残りましたし、製品版でどのように描かれるのか注目したいところです。
一点、気にしているのがゲームボリュームで、4000円程度の価格設定と体験版もプレイ時間自体はかなり短かったため、その点だけは不安な部分です。個人的には10時程度遊べたら嬉しいです。
気になった方は体験版が配信されていますので、ぜひプレイしてみてはいかがでしょうか。