『ユニコーン オーバーロード』とは
『ユニコーンオーバーロード』は2024年3月8日にアトラスより発売予定のシミレーションRPG作品。『十三騎兵防衛圏』や『オーディンスフィア』などで有名なヴァニラウェアが開発を手掛ける作品と言うことで、期待されている方も多いかと思います。
今回、冒頭5時間のゲームがプレイができる体験版が配信され、それをプレイしてきました。5時間の体験版ってなかなか思い切った選択だと思いますし、背後に作品に対する自信が伺えますよね。
そんな体験版をプレイしてみての感想は、結論から言うと、ヴァニラウェアらしい丁寧なイベントシーンの作りと奥が深い戦闘要素、終わりの見えないゲームプレイはさすがの一言でした。今後の展開次第ではあるものの傑作になる可能性を強く感じさせる出来になっていて、個人的にはすごく期待しています。
今回は『ユニコーンオーバーロード』の体験版のクリアレビューになります。
ご購入を迷われている方の参考になれば幸いです。
圧倒的自由度を誇るストーリー体験
一国の王子「アレイン」による国を取り戻す物語

まずは簡単なあらすじから。
物語はコルレア王国の将軍「ヴァルモア」の反乱によって、絶体絶命の状況を迎えた女王「イレニア」がまだ幼い王大使「アレイン」を聖騎士「ジョセフ」に託すところから始まります。その後、「ヴァルモア」によって次々と制圧された大陸は「ゼノイラ帝国」として支配されることになります。

時は流れ、パレヴィア島というコルニアから離れた場所で身を隠していた「アレイン」のもとにゼノイラ軍が攻め込んできたことをきっかけに、女王「イレニア」の仇である「ヴァルモア」を討ち、コルニア王国を再建するための旅に出るというものです。
プレイヤーはアレインを操作しながら解放軍として、物語を進めていきます。このヴァニラウェア特有の2Dの動くアニメーションの描き方に関しても非常に繊細で魅力を感じるところです。
どう進めるかはプレイヤーの自由。着実に解放軍を強くしていく体験。

本作の進めた型としては広いフィールドマップの中で該当のイベントを選択することでシナリオが進み、戦闘が始まるシステムです。
何よりも自由度が非常に高いことです。
マップ上には進めるべきメインクエストが表示されていますが、その道中には無数のサブクエストが存在し、どれを進めるかはプレイヤーの選択に委ねられるようになっています。各クエストでは新たなキャラが登場し、プレイヤーの選択によっては仲間になってくることもあります。解放軍として街を解放しながら、仲間を増やしていく体験は臨場感がありますし、仲間が増えることで戦闘で使える駒が増えるため、着実に強くなっていく感覚は非常に楽しいと感じました
道中で生かすか処刑するといった重大な選択肢が発生することも多く、プレイヤーが物語に関与する機会が多くあります。5時間の体験版ではその選択によるストーリ分岐などは分かりませんでしたが、ここにも多くの仕掛けが隠されていそうで、発売後の展開に期待したいですね。
戦略性が高く、奥が深い戦闘面
前衛・後衛、キャラごとの組み合わせが重要になる配置

戦闘に関しては基本、オートで進んでいきますが、戦略性は非常に高いものになっています。
まず各キャラごとにクラスが存在し、3×2列のマスに6人まで並べて1つのユニットになり、このユニットが1つの駒になります。この2列のマスには前の列が前衛で後ろが後衛という概念があり、前衛には盾持ち、後衛にはヒーラーなどの適した配置場所があります。そのうえで前後同じ列に並んでいると、一緒にダメージを受けてしまったり、各キャラの相性を考えて配置から考える必要があります。
どのような行動をとるかあらかじめ細かく指定することができる作戦

そして各キャラごとに持っているスキルをどのタイミングで使うかという作戦を設定することができます。
仲間キャラのHPがどれくらいになったら回復を使うか、自身の職が特攻を持つキャラへの攻撃を優先するなど、行動の条件を細かく指定することができるようになっています。相手に合わせて作戦や編成を見直していく戦略性がすごく、作戦については条件が細かすぎて「ここまでできるのか」と驚いてしまうほどでした。
体験版の時点ではユニットに3・4人までしか編成できないので、できることはこれからまだまだ広がっていき、奥が深すぎて、ちょっと想像がつかないですね…
オート戦闘の中で有限なリソースの管理を考えていく

前述した通り、戦闘が基本オートで進んでいくという話はしましたが、すべてがオートというわけではありません。いくつか有限のリソースを管理する必要があり、オートで進行していく戦闘をリアルタイムで管理し続ける必要があります。主なポイントとしてはスタミナとブレイブというものがあげられます。
ユニットはそれぞれでスタミナを持っています。このスタミナですが、接敵し戦闘を行うたびに消費され、0になるとその場でしばらくうごけなくなってしまいます。そのため、どんなに強いユニットを作れても、無双し続けることはできず、他のユニットとの連携や全体を見通した配置が重要になっています。この砦や橋などの特定の施設に駐留しているときは戦闘にスタミナを使わないという仕様があり、文字通り、砦としての機能をはたします。そのため、施設いかにして抑えるかという戦略も生まれるのです。
ブレイブはユニットを出撃させる時やブレイブスキルという展開中に使えるスキルを使うための、解放軍全体で共通のリソースです。特にユニットを出撃する際に使うので、無駄な消費はできませんが、ブレイブスキルも強力なものが多く、戦況を変える力を持っているため、こちら戦況を見極めて使いたいところです。
複雑なシステムでも安心。丁寧なゲームヘルプ・アーカイブ

少し話はそれるのですが、本作はゲームのヘルプやアーカイブが整理されています。
かなり複雑なゲームシステムになっているからこそ、シミレーションが苦手な人がついていけるかという心配もあったのですが、これは安心ですね。アーカイブに関しても各キャラ・出来事が非常に丁寧に書かれており、「これは分かりやすい」と感じました。
こういった親切で丁寧な造りは地味にうれしいポイントですね。
まとめ

いかがだったでしょうか。
ここまで『ユニコーンオーバーロード』の体験版をプレイした評価を話してきました。自由度の高いストーリ体験と戦略性が高く圧倒的なポテンシャルを感じる戦闘面、これらの要素は5時間のゲームプレイの中で十分に伝わってきましたし、また終わりが見えず、ここから広がって、更に深まっていくという点が恐ろしいところです。
傑作になるポテンシャルを十分に感じましたし、間違いなく期待できる作品だと思います。何より冒頭5時間にもおよぶ体験版が配信されていますので、まずこの体験をプレイしてみて欲しいです。そしてご購入を検討してみてはいかがでしょうか。


