こんにちは。ヤマザキです。
今回は『Detroit: Become Human』のクリア後の評価・感想・レビューになります。
この記事では本作の良いところや気になったところなど率直なレビューをお届けします。
気になる方は購入の参考にしてみてください。
※シナリオのネタバレはできる限りしないようにしていますが、気になる方は注意を
- 『Detroit: Become Human』評価・感想が知りたい人
- 面白いアドベンチャーゲームを探している人
- どこまでも面白いシナリオを体験したい方
『Detroit: Become Human』の基本情報
タイトル | Detroit: Become Human |
ジャンル | アクションアドベンチャー |
発売日 | 2018年5月25日 |
発売元 | ソニー・インタラクティブエンタテインメント |
クリア時間 | 1周:10時間程度(やり込めば100時間以上) |
採点 | 92点 |
はじめに
本作は2018年5月25日に発売されたアクションアドベンチャー。
今から5年以上前に発売された作品ですが、当時は現実にしか見えないリアルさが話題になった作品で、ゲーム実況などで見たことある人も多いかもしれません。
話題性はもちろんのことながら、ゲームとしての圧巻の作品で、単純な完成度で本作を上回るアドベンチャーゲームは他にはないかもしれません。
そんな、本作を一言で表すのであれば、「ADVの新境地を切り開く圧倒的な作品」と言えます。
どこまでもリアルなグラフィック、膨大な選択肢でプレイヤーがキャラの運命を決めていく感覚、分かりやすくも奥深いシナリオはどれもすさまじいクオリティで、それぞれによって生み出される没入感は唯一無二のものと言えるでしょう。
ADV好きならはもちろん、ゲームを普段プレイしない人も含めて誰にでもお勧めできるそんな作品になってました。
評価点
その1:まるで実写? どこまでもきれいでリアルなグラフィック
まず取り上げたいのが本作のグラフィック。
圧倒的な技術力で描かれる世界は実写と見間違えるほどきれいなものになっています。
一人一人のそこに生きる人々や風景などがあまりにもきれいすぎる…
プレイヤーが操作するキャラだけでなく、周りの風景に至るまで本当に細かく描かれています。
小さな子供を人質に取り、立てこもるアンドロイドに対し、アンドロイドである主人公コナーが交渉に向かうという場面。
ここの1つのシーンだけでもアンドロイドが置かれる立場とそれぞれの人の感情や考え方が伝わってくるのがすごいところです。
特に注目したいのは人の表情。
それぞれのキャラが何を思い、行動しているのか、表情から感情が読み取れるんです。
「このキャラはこう考えている」というのが伝わるほどリアルに描かれており、これが圧倒的な没入感につながっています。
そういった没入感があるからこそ、プレイヤーは必然的に感情移入してしまい、そのうえで物語の重大な選択を迫ってくるからやばいんです…
Youtubeで最初のシーンだけでも見てほしい。このゲームの魅力の一端を知ることができると思います。
その2:人間とアンドロイドを描く物語は目が離せない
アドベンチャーゲーム(以下ADV)としてシナリオも魅力的です。
あらすじとしては技術が発達した近未来のアメリカ。アンドロイドが存在する世界を舞台に「感情を持ったアンドロイド」を主人公に「人類とアンドロイドの関係」とその行く末を描きます。
「AIが感情を持ったら…」という議論は昔からされてきましたが、それをここまで丁寧に描いたのは衝撃的でした。
また本作は主人公が3人おり、それぞれの視点で物語が進んでいきます。
立場も全く違う3体のアンドロイドだからこそ、プレイヤーも一方の視点だけでは物語を見ることができません。
ある視点では人間ひどい仕打ちをされるアンドロイドがいれば、また別の視点では人間と深い関係を築いていくアンドロイドもいます。
多くの視点から物語を見せることで、個々のキャラに対する感情移入だけでなく、「人間とAI」というテーマについても考えさせられるものになっています。
その3:プレイヤーが介入する膨大な数のエンディングへ
本作のエンディングは無数に存在しています。
ゲーム中の些細な行動や提示される選択肢の組み合わせによって、キャラが思考を形成していき、後々の物語つながってくる構造になっています。
この選択肢が非常に多く、1つ1つの選択肢が考えさせるものになっています。
その上、人によって意見が分かれる選択も多く存在し、そういった選択肢を積み重ねていくことで、自然と「プレイヤーが物語に干渉している」という感覚が生まれていき、最後のほうはキャラと一緒に物語にのめり込んでしまうことでしょう。
数ある選択肢の末たどり着くのは、無数の選択肢の一つにすぎません。
もしそれがハッピーエンドではなかったとしたら、「あの時違う選択肢を選んでいたら…」と気になり、再度プレイしてしまうと思います。
ここまでの話で少し伝わっているかもしれませんが、無数の選択肢がその後の運命を決定づけていく感覚はゲームの粋を超えて、一つの人生を味わっているような感覚を味わせてくれます。
本作のエンディングは10時間程度でたどり着くことができますが、全てのエンディングを集めようと思ったら何倍も時間が掛かると思います。
何より密度がすごいため、エンディングを迎えることには大きな充実感を味わうことができます。
不満点・問題点
ちょくちょく感じる不親切さ
本作はアドベンチャーゲームですから、プレイヤーの選択によって物語が分岐していきます。
選択というにもいくつかあり、ノベルゲーのように発言や行動の選択肢を選ぶものもあれば、行った行動がそのまま選択になるものなど、様々でした。
中でも少し厄介だったのが、突発的な選択肢、通称QTEです。
ゲーム中、突然ボタンがなどが表示され、該当の操作を行うことでクリアできるというものがあるのですが、これがなかなかにめんどくさかった。
ボタン操作だけであればそこまで悪く思わないのですが、ジャイロ操作などの難易度の高いものが数多くあり、これがなかなか思ったように反応しないためイライラします。
その上、QTEと全く同じノリで重大な選択肢、「味方を見捨てる」「味方を見捨てない」などの選択肢が出てきて、思わずボタンを押して意図しない選択をしてしまったときは本当にきつかったです。
こういった微妙な不親切さが散見されるのは少し残念でした。
ゲームとしてみると隙がないからこそ、システム面で足を引っ張るのはちょっともったいないですね…
総評
いかがだったでしょうか。今回は『Detroit: Become Human』の評価・感想・レビューをお届けしました。
圧倒的なグラフィックと分かりやすいテーマを主軸にしたシナリオ、膨大な選択肢とエンディングはまるでそこに現実の世界が存在しているようなリアルさを生み出すと同時にプレイヤーに没入感を与え、かつてないADV体験を表現することができていたと思います。
本作のやっていることは実は一つ一つは何ら変わらない普通のADVがしていることと変わりません。
それぞれのクオリティがとんでもないのです。
例を挙げるなら…
・今までにここまでリアルなグラフィックで人を描いたADVあったか
・重大な選択をここまで何度もプレイヤーに任せてくるADVはあったか
・膨大な数の分岐を活かして、ここまでシナリオにのめり込ませるADVはあったか
それぞれの要素を突き詰めて、ここまで作り込んだからこそ、これほどまでに奥が深い体験を表現することができたのかもしれません。
正直、アドベンチャーゲーム好きはもちろん、面白いシナリオを味わいたいすべての人にプレイしてもらいたいです。「こんなゲームプレイしたことない…」と思うほどの衝撃的なゲーム体験を味わうことができると思います。