根強い人気を誇る 往年の名作『テイルズ オブ ジアビス』
突然ですが、『テイルズ オブ ジアビス』という作品をご存じでしょうか。
本作は2005年12月15日にPS2で発売されたRPG作品。名前の通り『テイルズ オブ』シリーズのナンバリングタイトルでシリーズ10周年を記念作品となっています。
シリーズの中でも屈指の人気を誇り、今でも根強いファンがいる作品です。
実は筆者も今回久しぶりにプレイしましたが、めちゃくちゃ面白いです。20年近く前の作品でありながら、今のゲームにはない魅力がたくさん詰まっていて、のめり込んでプレイしてしまいました。
そんな本作がなぜ名作と呼ばれ、今でも根強い人気を誇るのか?
その魅力を振り返ると同時に、最新作『テイルズ オブ アライズ』などと比較した魅力もお伝えします。
決して王道とは言えない主人公の成長を描く物語
本作のあらすじは以下の通り
▼あらすじ
キムラスカ・ランバルディア王国とマルクト帝国。敵対関係の二大国の危うい均衡状態が続く中、キムラスカ公爵家の一人息子・ルークがマルクトの者に誘拐される。後に救出されたものの、ルークは全ての記憶を失っていた。
それから7年後、自分の屋敷に軟禁されて育ったルークは、師匠・ヴァンとの剣の修行が唯一の趣味となっていた。ある日、ルークはヴァンを殺そうと屋敷に不法侵入してきた少女・ティアと擬似超振動を起こし、彼女とともに見知らぬ場所に瞬間移動する。屋敷に戻るためにティアと行動を開始したルークは、その先の長い旅路で多くの人々と出会い、自分の生まれた意味を知る為に戦い続ける。
公爵家の息子であるルークが超振動という現象によって見知らぬ異国の地に飛ばされてしまうところから始まる冒険を描く物語。本作における一番の魅力は主人公の成長を描く物語にあります。
主人公のルークは一言でいえば「世間知らずのお坊ちゃん」。
物語のはじめのころはわがままで自己中心的な性格でプレイヤーをイラつかせる言動を度々とってくるような精神的に未熟なキャラクター。最初は特に到底好きになれないキャラだと思うでしょう。ですが、そんなルークが冒険の中で経験する多くの出来事を経て、成長していく過程が丁寧に描かれるので、何より感情移入がしやすくそこがプレイヤーを引き込んだ魅力なのではないでしょうか。
とあるシーンのルークの発言「俺は悪くねぇ!俺は悪くねぇ!!」は非常に有名な発言で、そのシーンだけ知っているという人も多いのでは?
RPGにおける主人公というのは基本的には優しくて信念のある性格というのがオーソドックスですが、それに比べてルークの性格はあまりにも尖っていますよね。その尖りは筆者にとってはかなり斬新に映りました。ルークが良くも悪くも印象に残るキャラだったからこそ、ここまで本作の物語に引き付けられるのだと考えています。
あまりにも癖が強いキャラたちの魅力
筆者が本作において一番好きなのは、ルークを含めたキャラたちです。
作中には仲間キャラとして、最初に主人公の家に奇襲をしてくるヒロインのティアや幼馴染のガイ、王女であるナタリアや敵軍の師団長であるジェイドなど。誰もが一癖も二癖もあるキャラなのですが、何よりその描き方が良かったと思っています。
本作は物語の序盤、仲間の信頼関係が薄く、パーティのまとまりが全くありません。
もちろん、ルークの自己中心的な性格のせいもあるのですが、それぞれのキャラにそれぞれの思惑があって共に行動している部分が大きく、端的に言えば、仲良くないのです。これに関しても近年のRPGを見ているとなかなか珍しいですよね。
それぞれが何かしら事情を抱えている彼らがお互いを信頼し関係を築いていく過程には、どこかそれぞれのキャラに人間らしさがつまっており、キャラへの愛着が強くなるのです。
ちなみに私の推しはミュウです。
いつまでも記憶に残るシーンのすごさ
本作が名作として高い人気を誇る理由は明らかで、いつまでもその体験が人々の記憶に残るからです。
本作には印象に残る名シーンがいくつもあり、ファンに「好きなシーンは?」と聞けば、白熱した議論ができるのではないでしょうか。
「俺は悪くねぇ!俺は悪くねぇ!!」もその1つですね。
個人的に記憶に残るシーンの有無が名作RPGとそうでないものを分ける違いにも感じています。
事実先日公式Youtube で名シーンのアンケートが挙げられていました。
こういった名シーンについて語り合えるというのも、印象に残るシーンが多かったということなのかもしれません。
FF7しかり、名作と呼ばれる作品に必ずありますよね…
本作の記憶に残るゲーム体験を味わってほしいです。
今のゲームと昔のゲームのシナリオの描き方の違い
少し余談ですが…
どうして本作のシナリオは面白いのか、それには昔のゲームと今のゲームのゲーム性の違いにも原因があると考えています
▪ジアビスのような昔のゲーム
1つのダンジョンを作るにも基本的にカメラが上からの俯瞰視点で固定され、フィールドもそれほど大きくないため、一つ一つのフィールドを作る手間は今ほど大きくない。
⇒そのため多くのマップやダンジョンの制作が可能。
▪アライズのような現代のゲーム
カメラが自由に動かせる広いフィールドを用意する必要があり、手間が段違いにかかる
⇒昔ほどダンジョンの数は多くないが、1つのダンジョンのボリュームが大きい。
これがどうシナリオに関わってくるかというと…
ダンジョン数が多いジアビスでは細目に全く雰囲気の場所に移動を挟みます。
テンポの良いストーリ展開が可能です。
一方でアライズなど現代のゲームは、一つ一つのマップが非常に大きいため、数自体ははさほど多くありません。そのため一つの場所に滞在する時間が長くなり、端的に言えばダレやすくなります。
昔のほうがシナリオ的なイベント数で数で勝負ができるため、重厚なシナリオを再現できていた部分があったからこそ、本作の重厚なシナリオの魅力につながっているだと感じています。
主題歌のBUMP OF CHIKEN「カルマ」も往年の名曲
本作の主題歌はBUMP OF CHIKENの「カルマ」。
今でもカラオケランキングに入ってくるほど、色褪せない名曲で筆者も学生時代にかなり聞いていましたね。
テイルズシリーズどころかゲームを全くプレイしない人でも知っているような名曲ですが、本作の歌詞はアビスの物語になぞらえて作られています。
アビスをプレイしてから聞いてみると、意味が分かるようにもなっていますし、まさにテイルズオブジアビスという作品を象徴するような曲になっています。
感動的なシーンでカルマのBGMが流れてきたり、プレイした人の印象強く残る曲だったことは間違いありません。クリアした後はしばらく聞いてしまうこと間違いなしです。
今のゲームと比べると…
いくら名作とはいえ、20年近く前の作品です。
そのため、正直ゲーム性としては今プレイするときついところも多くあります。
最もそれを感じたのが移動部分。
現代のゲームのように次の目的地が表示されない上、UIも親切ではないため、次の目的地にたどり着けないということが多発します。
戦闘においてもさすがに現代の作品と比べるとプレイしづらさは大きかった印象です。
当時としてはさほど珍しくもないのですが、今からプレイする場合はあらかじめ注意しておくとよいでしょう。
また本作はPS2版か3DSの移植版でしかプレイすることができないため、プレイするためのハードルが高いのも難点です。早く現代のハードにも移植が出てくれたら嬉しいですね。
まとめ
いかがだったでしょうか。今回は『テイルズオブジアビス』の魅力を紹介しました。
20年近く前の作品でありながら、色あせない魅力を持つ作品で、今回プレイしてみてめちゃくちゃ面白かったです。
グラフィックなどで抵抗をお持ちの方も多いかもしれませんが、ぜひおすすめしたいですね。
今だとYoutubeでアニメが全話無料配信されていますから、そちらで見ても良いかもしれません。